兵舎に帰ってきた
それから私はユミナの様子を気にしながらも自分がやりたいようにしていた。
日記と手紙の作成、魔法の事、たまに貴族の勉強とやっていた。
あれからもユミナは変わらずに尽くしていた。それを私は心配しながらも頼りにしていた。
そんな日々が過ぎていき、私は久しぶりに兵舎へ行ってみることにした。
訓練場には相変わらずマカオンが居て火の玉を大きくして撃っていた。
「マカオン!」
「お!久しぶりじゃねーか!みんな心配してたぞ?」
「私てっきり城を出ていく事になると思ったの」
「なんでだ?」
「王様との約束であなた達を一人前にするって約束したので」
「一人前の定義が分からないからな~」
「そうね・・・でも、あなたからその言葉が出たのは驚きだわ」
「まあ、俺が一番成長出来てないように感じてるからな」
マカオンは少しぎこちない笑顔を浮かべた。
「そんなことないわ、あなたは2つ目の課題を出来ているじゃない」
「ああ、だが1つ目はまだできない・・・入り口にも立ててないんだ」
「2つ目を極めれば同じようになれるわ」
私は手の上に火の玉を作り出して、変色させた。
「壁を破ったこの魔法だって、2つ目の課題の延長線よ?」
「そうなのか?」
「ええ、凝縮するイメージをして作り出しているもの」
次に水の玉を掌の上に浮かべた。そして沸騰させた。
「これだって、同じようなもの・・・想像して温度を上げただけ」
「俺はそんな器用じゃない」
「器用さなんていらないわ、要るのは想像力よ」
「想像・・・」
「あなたは感覚で出来ちゃう人だからきっと大丈夫、大きくしたいだけじゃなくどうやったら強く放てるかを想像するの」
「難しい事を言う姫さんだ!」
いつもの豪快な笑いに戻ったマカオンは元の場所に戻り試している様子だった。
「アンナも撃ってくる?」
「いいんですか?」
「私達は研究室の方に行ってるわね」
「私を置いてくんですか?」
「心配?」
私はユミナの横に行き腕を組んだ。
「うう~私がその役したかった~」
アンナは泣くようなふりをして走って行った。
「あの、ニーナ様?これでは・・・」
「そうね、少しやり過ぎちゃったかしら」
そう言いながらそのまま私は研究室へと移動した。
ドアを開けるとほとんどの人がそこで屯っていて、私の方を一斉に見た。
「ニーナ様!!」
そこに居た人達が一斉に私の方に駆け寄ってきた。
「お、落ち着きましょ?」
「よかった~、戻ってきてもらえた」
「あのまま、本当に会えなくなるなんて考えたくなかったからな」
「誰だよ、城出てくとか言ったやつ」
「ニーナ様また見てください!!」
複数の声に私は目を回しながらもその場を落ち着かせた。
「おかえりなさいませ、ニーナ様」
「ええ、ただいまナグア」
「戻ってきていただき安堵いたしました」
「なぜか喋り方が変よ?何かあった?」
「ブランド兵士長に色々ご教授頂いたのでその成果かと思います」
「前の方がよかった~」
「じゃあもどそっかな」
「あ、戻った」
二人はそこで笑いながら椅子に座った。
「あれからどう?」
「そうですね、何日も居なかったのでどうしたらいいのか悩んでは居ましたが今まで通り研究を進めることにしたんです」
「何か面白い成果はあった?」
「それがあまり・・・」
「じゃあこれ上げる」
私は一枚の紙を渡した。
「これは?」
「半分はあなたの半分はあなたの仲のいい子に渡しなさい。複合魔法のメモよ」
「複合魔法!?」
その場は静まり返った。




