3人のお風呂
それから私は日記を書いたり手紙を書いたりして机で書き物をする事が増えていった。
アンナはつまらなそうにしているがユミナは普段通り静かに私を見守っていた。
「アンナ・・・私もう結構な年数この世界にいるのね」
「10年くらいですかね~?」
「あの時は8歳くらいだったかな?」
「あの頃は可愛かったです~」
「今は可愛くないの?」
「え?い、いえ!そんなことは!」
私とアンナの会話でユミナは困惑した表情を浮かべ始めた。
「ユミナ、一応私は18歳よ?安心してね」
「はい、存じております。少々気になった点がありましたので」
「気になった点?10年くらいと言った所かしら?」
「その通りでございます」
「さっき言ってた秘密の話よ?聞きたい?」
「ニーナ様のご意向に従います」
私はアンナを呼んで二人耳元で囁き始めた。
「話していいと思う?」
「私に聞かないでくださいよ~」
「だって、あなたと同じ侍女よ?」
「そんな事言われても~ニーナ様が決めてくださいよ~」
私はアンナとの相談を終えるとユミナに伝え始めた。
「口外することは国の事にも繋がるけど話そうと思うの」
「はい」
「私の中身は尊という男です」
「すいませんがどういうことでしょうか」
これが普通の反応よね・・・
「私にも分からないわ、でも、死んだはずの尊はなぜかニーナという子の体に乗り移った?ようになったとしか言えないわね」
「それでしたら、日記に書かれても理解されないかと思いますが・・・」
「意外に驚かないのですね」
「申し訳ありませんが理解の方が追いついておりませんので」
今も私は理解できていないのだから仕方ないよね。
「そうですか・・・まあそれならそれでいいです」
ユミナは困惑した表情をしながらその場で何かを考えるように立っていた。
その日の夜、私はお風呂に入ろうとしていた。
「いっそ、ユミナと入っちゃおうかしら」
「申し訳ございません。あちらのお風呂は王族専用となっておりますので」
「大きいのに・・・」
「ですので、ご容赦を・・・」
「じゃあ、あなたたちの入るお風呂に入るわ」
「お、おやめください!王族が入るなど・・・」
「私まだ結婚してないわ」
「ですが、下々が入るお風呂ですので!」
「同じ人が入るお風呂よ?」
根負けするようにユミナは折れた。そしてなぜ喜ぶアンナを連れて浴場へと歩いて行った。
「ユミナ、変な事言うけど・・・昼間話した私の中身が男だって言う話・・・あれを聞いても私に体を見せられる?」
「・・・問題ございません」
変な間のある返事をユミナは返した。
そしてお城の使用人達のお風呂へと私は入って行った。
「普通に綺麗なお風呂じゃない!それに広いし」
「ニーナ様~早く体洗いましょう!」
アンナはなぜか元気に私を引っ張っていった。ユミナは複雑そうな顔をしたままだった。
「アンナ!先に自分の体を洗いなさい!私はいいから!」
「だって~久々ですもん!ニーナ様の肌綺麗!」
ユミナはゆっくりと隣に座り体を洗い始めた。
「ねえ、やっぱり嫌だった?」
「いえ、そんなことはございません」
「すごく複雑そうな顔してるわよ」
「・・・私はニーナ様の侍女ですからどのような事を言われてもそれは変わりません」
「無理はしなくていいのよ?嫌だったら嫌と言っても問題ないわ」
「いえ、問題ございません」
「そう、それな・・・こら!アンナ!変なとこ触らないの!!」
そうして私達は3人でお風呂に浸かり部屋に戻って行った。




