日記の事
テリサにこっそりと頼んだ何も書いてない本を受け取り、私は日記のようなものを付けるようにした。
「アンナ、これまでの事も書きたいんだけど、どこから書くのがいいかしら?」
「ほえ?覚えてるとこでいいんじゃないですか?」
「アンナと会ったところからになるわよ?」
「あの時はお手洗いの方法も分かっていませんでしたよね!」
ユミナは不思議そうにしていた。
「恥ずかしいわ、でも、最初の追い出されそうになったところも覚えてるのよ・・・」
「あ~書きづらいですよね~それに中の人の事もありますし」
「その事も書くべきかしら」
「見せる人は居ませんし・・・いいんじゃないですか?」
「でも、他人に見られたら事じゃないかしら・・・」
「その時はその時です!」
ユミナはそこで軽く疑問を投げかけた。
「あの・・・失礼ですが、中の人とは?」
私とアンナは意味深に顔を少し沈めてユミナの方を一緒に見た。
「知る覚悟はありますか?」
「こっちに来たら戻れませんよ~」
私達はじわじわと怪しい手つきを見せながらユミナに寄った。
「隠したいことでしたら私は聞かずに外でお待ちいたしますが・・・」
「あ、気にならないの?」
「そうですね・・・主人の秘め事を無理に聞くのは私としても・・・」
「流石ユミナね・・・アンナと大違い」
「あ~酷いです~」
アンナは頬を膨らまして拗ね始めたが私は気にせず話していった。
「これはエリック殿下やライカール陛下も知ってる事なんだけど・・・生涯私に仕えてくれる人なら教えても大丈夫かな~と考えてる事です」
「私は王族ではありませんので」
アンナはひょこっと私の横から顔を出した。
「私はただの使用人でしたけど知ってましたよ?」
「まあ、本人が気にならないなら教えなくても問題ないかしらね」
「そうですね~でも、日記に書いて他の人が見たら驚きますね~」
「国がひっくり返らないかしら・・・」
「信じてもらえないんじゃないですか?」
「だと、いいけど、一度エリックに相談しようかしら」
「いいですね~私が!」
すでに入口で頭を下げユミナは移動する寸前だった。
「早いです~!」
「アンナいつも負けてるわね」
「今度こそ私が行きます!!」
「が、頑張ってね」
しばらくするとユミナが王子を連れてきた。
「相談ってなんだい?」
「実は日記を書こうと思ったのですがこれからの事だけでなく覚えてる限り前の事も書こうと思ってまして」
「そんなに覚えてるのかい?」
「曖昧な所もあるけどしっかり覚えてる所もあるので」
「でも、そこまで考えてるのに相談したい事なんてあるのかい?」
「ええっと、私の中の事も書くべきかどうかを悩んでて」
「あ~確かにそれは問題だね」
「やっぱり問題になっちゃいます?」
「悪いとは思わないけど、他の人がそれを見てしまった時が困りそうだね」
「じゃあ、魔法学校辺りからになっちゃいますね・・・せっかくアンナと会った所も書こうと思ったのですが」
「そうだね・・・もしかしたら変人って思われるかもしれないけど・・・最初から書いてみてもいいんじゃないかな?」
「へ、変人・・・」
「誰もまともだとは思わないだろうから、君の見た目を知っている人は」
「アンナとよく似た意見ですね。じゃあ初めの方から書いてみることにします」
「がんばってね!」
王子は笑顔で手を振り部屋を出て行った。




