18歳
王妃からのお話の後は特に変わったことも無くただただ魔法兵の様子を見に行くばかりだった。
強いて言えばお城での社交界で兵士が数人入口で待機していたり、王妃が私の近くを陣取っていたりして違う意味で緊張するような事が起きていた。
その間、魔法兵士達は研究が進み攻撃を主体に扱うものと防御を扱うものといつの間にか分かれていた。
私はそれがとても不思議で仕方なかったけど、理由が何となく見えた。
私の術式の所為だった。氷の壁を作るのに使った術式を自分達で作ったり改造したいと思っていた人が防御を主体に扱うようになってしまったようだった。
ただ、私が作った術式の壁を壊せる人は相変わらず出て来ず、防御系も私のを模倣した物は硬かったがそれ以外はあまり硬く出来ていなかった。
それでもこれくらいなら矢や簡単な魔法は防げそうですけどね・・・
みんながやりがいを見つけて頑張ってくれるのは有難かったが、私はとても複雑な気分でそれを眺めていた。
戦争が起きてしまったらこの人達は人を殺める事になるのよね・・・
それでも魔法兵達は魔法を研究して出来た魔法を撃って楽しんでいた。
私の気持ちがどことなく分かったのかアンナはいつもより近くに来ていた。
そして日が進み、魔法兵達もかなり成長していた。気が付けば私の作った壁に傷が入るくらいには強くなっていて防御主体の人達も壁だけではなく足止めをできる魔法や罠に使える魔法など色々と試すようになっていた。
私はもう18歳になってしまっていた。
私はそれを王子に伝えると王へと話が伝わって行った。そして私は王子と共に王の部屋へと呼ばれ、その部屋には王妃も居た。
「ニーナよ、18になったと聞いたが誠か?」
「はい、父の話の通りでしたら217日を過ぎましたので18になりました」
「そうか、ならば、日取りを考えねばならぬな」
王は少し嬉しそうにしていた。
「しかし、よろしいのでしょうか・・・」
「何がだ?」
「他国が攻めてくるかもしれないそんな時に挙式などしていても」
「今は攻めてきてはおらん、心配するでない。と、言いたいとこだがその通りだな」
王妃も王子も真剣な顔に変わっていた。
「いつツラバスからの侵攻を受けるかもしれないのでな・・・私としては挙式を先に上げたいとは思っているが」
「父上、僕は急がなくてもいいかと思っています」
「エリックよ、それではいつになるかもしれんのだぞ?」
「こんな状況で式を挙げる方がニーナには酷かと思いますが」
「私はいつまでも待てます。殿下が望むのであれば」
私がそう言うと王と王妃は間髪入れずに言い出した。
「いえ、あまり待たせるのはよくないわ!」
「そうだな、あまり長くは待たなくてよいと思うぞ」
戦争が起きそうなのに本当に式を挙げられるのかしら。アルゴス先生もいつまでも居てくれる訳じゃないのに・・・
「アルゴス先生はまだ健在ですか?」
「おそらくまだいらっしゃるとは思うが」
私がその後の言葉を考えていると王妃様は身を乗り出すようにして口を開いた。
「では、いらっしゃる間にしてしまいましょうよ!」
「急ぐことになるぞ?」
「できないよりはいいと思いますわ!」
どこか王妃様の方が強い気がするわね・・・
「母上、やはり僕は隣国が気になります。せめて、間者の情報待ってからでも遅くは無いかと」
王妃は王子を睨みつけた。
「母にそのような事を・・・!」
「まあ、待て、エリックの言う通りだ。情報を待とうではないか」
少しがっかりした様子で王妃は落ち着いた。




