王妃の心配
あれから私は社交界などに出るときも城の社交界のみ出席を許された。どんな理由でも外に出ることは許されなかった。
益々城下に行けないわね・・・
残念そうにふらふらと城を歩いていると王妃が前からやってきて睨んできた。
「しっかりと歩きなさい!だらしのない!」
「し、失礼いたしました!!」
私は背筋を伸ばしてその場に立つと王妃にお辞儀した。
「少し話があります、来なさい」
私はそう言われて怯えながら付いて行った。着いた先はなぜか私の部屋だった。
「ここでいいわ」
「私のお部屋ですか?」
「問題でも?」
「い!いえ!!」
中に入ると王妃はゆっくりと椅子に座り私も座らせた。私はアンナとユミナを部屋の外で待たせることにした。
「あなた、婚約したのだからしっかりしてもらわないと困りますよ!」
「はい」
「そんなんだから他の令嬢になめられるのよ」
「気を付けます・・・」
「それで、社交界で接触してきた男は何者だったの」
私は驚いて冷や汗を流し始めた。
「そ、それは」
「何?言えないの?」
「そ、そうですね・・・言っていいのか分からないので」
「・・・まったく、あなたという人は」
「申し訳ありません」
「言わないと指名手配にもできないでしょ!」
「え・・・?」
「え?じゃ、ありません!!」
どういうことなの?指名手配?
「何の疑問なのかは分かりませんが、一国の王子の婚約者を狙うなんて大罪ものですよ!」
「そ、そうですね!」
「だから、教えなさい!」
「それが・・・他国の者でして・・・」
王妃は深くため息をついた。
「問い詰めて言うのはそれだけなの?」
「国と国の事でもありますので・・・」
「私は王妃よ!話しなさい!命令です」
私は観念してその時の話をした。
「あなたは断ったのね」
「はい、そして殺されかけました」
「そう・・・」
「いいわ、指名手配に!」
「おそらくなのですが・・・もうこの国には居ないかと」
「国境を封鎖したのでしょ?」
「いくら早くても間に合いませんよ」
「そう・・・でも、こういった話をあの二人はなぜか私にはしたがらないのです」
エリックと陛下の事ね・・・
「心配なさって事ですので・・・」
「じゃああなたは心配されてないと言うの?」
「私は巻き込まれましたから」
「では、私もこれからあなたの近くに居ようかしら」
冗談ではなく本気の目だわ・・・
「ありがたいお言葉ですが謹んでお断りさせていただきます」
「あなた、断れるとでも思ってるの!」
「い、いえ!ですが、私と居ては周りの目が」
「王族なのですよ!堂々とすればいいのです」
「まだ、婚約者ですから」
「あ~もうじれったいわね!」
王妃はあまり見せない表情を見せた。
「ですがこの件についてはお話した通りですので」
「貴女も貴女よ!そんな事があったのにふらふらと出歩いて!」
「申し訳ございません!」
「お城だって完全に安全ではないのよ、気をつけなさい!」
そんな問答が続いて私は気疲れした1日を過ごした。




