暗躍?
訓練の様子を見ながら過ごして日が進み、ある日の事
【ヘレテ帝国】
「陛下、バリナス様が面会したいとの事です」
「要件は?」
「テラゴニアと言えば分かると」
「通せ」
その後、バリナスは部屋に入り膝をついた。
「陛下、ただいま戻りました」
「お主自ら行かなくてもよかったであろう」
「貴族の社交界に出るのですから身なり作法を身に着けた私が行くのが一番かと思いました」
「それで、成果はどうだった」
「噂の通り、すでに脅威は出来ておりました」
「そうか、第2のアルゴスの到来か」
「私の部下も一人やられました」
「手練れか・・・」
身なりのいい髭を携えた険しい顔の男は考え始めた。
「この情報を手に入れただけでも大きいかと思いますが」
「それではこの状況を打開できまい」
「いっそテラゴニアは無視をしてしまってツラバスと共に攻めてしまうのはいかがでしょう」
「ツラバスがそれを良しとせんだろう。それにそれを提案したとなればこちらが疑われる」
「テラゴニアに攻める意志は無いはずです」
「はず・・・その言葉で我が国は窮地に陥るかもしれんのだぞ?」
「ハッ、失礼いたしました」
バリナスは頭を下げた。
「しかし、ツラバスもどこまでこの情報を知っておるのか・・・」
「アルゴスがそろそろ退く頃合いということだけは把握しているかと」
「だとすれば動くかもしれんな・・・」
「ツラバスは何故テラゴニアを狙うのですか?北から攻められる可能性もあるというのに」
「今の王はそこまで賢くは無いからな・・・挟まれるのが嫌なのだろう」
「それだけの理由で・・・」
「案外、大きいのかもしれんがな特にツラバスの北の奴らはなかなか手強い」
「そうですね・・・」
「戦争が起きたときいつでも援軍に行けるようにはしておくとしようか」
「あいつらに気づかれずに動かすことができるかどうか・・・」
「そこは山側を通るしかあるまい」
身なりのいい男はバリナスと不敵に笑いながら話を続けていた。
【ニーナ】
「アンナ~いつまで撃ってるの~」
「は~いすぐそちらに行きま~す」
訓練場で相変わらず自由になるアンナを呼び戻すのが日課になりつつあった。
「そういえばアンナは炎の魔法をよく使うけど他は使わないの?」
「ん~なんとなく炎を使っちゃうんですよね」
「そ、そうなのね・・・」
本当に感覚的なのね・・・でも、誰も私の氷の壁壊せずにいるわね・・・罅すら入らないなんて
「ニーナ様~硬すぎたんじゃありませんか?また魔法兵の人がガッカリして部屋に戻っていきますよ」
「そうかしら?」
魔力それなりに込めたのは確かだけど沢山込めた覚えは無いし、他の兵でも使える程度の魔力量で使えるはずだけど・・・
私は術式の紙を見ながら改良するかを悩み始めた。
その後、ナグアが疲れた顔をして訓練場にやってきた。
「ニーナ様、お疲れ様です・・・」
「つ、疲れてるわね」
「ブランド兵長がおかしいんですよ!!直ぐ腕立てだ!腹筋だ!と騒ぎ出すし」
「そ、そうなの?」
「それに!周りへの注意の仕方や心構えだって言って分厚い本を読ませてくるし・・・」
「それは重要ね」
「重要でも大事な所だけ教えてくれればいいんです!魔法の研究したいのに~」
ナグアは悔しそうに地団駄を踏み始めた
「でも、ナグア貴女しか頼める人は居なかったの・・・もう少し頑張ってくれる?」
「!?愚痴を言ってしまい申し訳ございません!!」
「いいのよ、ガス抜きも必要ですから」
こうしてその日の訓練はいつも通り行われていった。




