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定め

私はいつもの通り過ごしているとセバスがやってきた。


「お嬢様旦那様がお呼びですので屋敷の方へ来ていただけますかな?」


「お父様が?初めてねそんなこと」


「ええ、今回は大事なお話があるとのことですので」


「分かりましたわ。いきましょう」


私は初めて屋敷へと入って行った。


屋敷は宿舎よりも広く沢山部屋があった。


「こちらでございます」


私は恐る恐るノックをした。


「ニーナですお父様入ってもよろしいでしょうか?」


「ああ入ってくれ」


私はドアを開けた。正面にはソファーと机が並び、その奥に父の仕事机のようなものがあった。周りには本棚があり落ち着いた部屋の色をしていた。


「まぁそこに座ってくれ」


正面のソファーに私は座った。少し待っていると父も目の前に座った。


「今日はすまないな。ちょっと大事な用事があってね」


「セバスの方から聞きましたわ。どんな用事でしょうか?」


「そろそろとある社交界へ出てもらいたいと思ってな」


「お断りします」


父はそう来るだろうなと思ったのか苦笑いをしていた。


「まぁ聞け、これは貴族として通らねばならぬ事なのだ」


「それは強制ですか?」


「ああそうだ、もうそろそろ行かねばならない歳になったということだ」


「そういえば、私いくつなのでしょう・・・」


父は少しズッコケそうになった。


「そ・・・そういえば言ってなかったな。12歳だよ」


「でも12歳なら少し早いのではなくて?」


「いやこの国ではそのくらいで一度は出なければならないのだ。もっと早くからこの話はあったのだが状況が状況だけに少し時期を伸ばしていたのだ」


「私が私じゃなくなったからでしょうか」


「その通りだ。戻ったら少しマナーなど勉強させて出すつもりだったのだが、その歳なら丁度いい歳頃だと思うし遅くなればなるほど辛くなると思ったのでな」


「お気遣いありがとうございます」


私はムスッとしていたようだったらしく父は気を遣ってくれた。


「まぁそんな顔をするな、みんなこれくらいの歳になると出なければならないのだ。人によっては何回も出てるものもいるくらいだからな」


「それでその社交界とはどんなものなのですか?」


父は少し考えるような態勢をとり私を見た。


「この社交界というのはあくまで顔合わせがメインになってくるが場合によっては婚約まで話が進むこともある大事なものなのだ。おそらくお前はそこまで話はいかない、それどころか辛い思いをするかもしれないな」


「辛い事ですか?一体どういうことですか」


「お前の姉エレナは見た目も性格も周りに好かれるものだったからそこまで言われることは無かったと思うが」


「私は見た目も性格も悪いと・・・」


「そうじゃない、お前は強めな目に性格はどちらかといえば普通だ。男連中はそんなお前を見ることは無いだろう」


「では、相手にされないだけでは?」


「そうでもないんだ。わが領土はこの国において一番の辺境の地だ。そんな辺境のものが出るということは周りからすれば田舎者が来るようなものなのだ」


「つまり馬鹿にされると・・・」


「よく分かってるな。馬鹿にされながらのものになると思った方がいい。エレナは男どもが多少は守ってくれてはいたと聞いているがお前はどうなるか分からない」


「味方の居ない社交界になるということですね」


「こればっかりは申し訳ないがそういうことになる。従者一人を連れて行けるのが救いだと思ってくれ」


「分かりました。従者の方は誰になりますか?」


「お前は女だ。だからセバスという選択肢は無い本当はセバスと言いたいがね。お前の近くにいるメイドを連れて行くといい」


アンナの事だろう・・・心配の種が増えたな。


「社交界の事を知ってる人ではダメなのですか?」


「イリーナのメイドを連れて行ってもいいとは思ったが断わられてしまってな」


「そうですか・・・自力で何とかするしかないということですね」


「すまない・・・それとくれぐれも目立つことは避けてくれ。何を言われても堪えてもらうことにはなると思うが」


私はこの場で一番暗い顔をした。


「分かりました。服などの準備はどうしましょうか」


「それはこちらからお金は出すから街へ行き整えるといい。せめてもの事だと思ってくれ」


私はスッと立ちセバスを借りると言うことを伝え会釈しその場を後にした。


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