兵の目標
それから次の日私は兵舎に行き魔法兵を集めた。
「これから皆さんにはもっと研究を進めて成長していってもらいたいと思っています」
魔法兵達は一斉に声を上げた。
「砦の一つを落とせるくらいにはなってもらいたいと思っています」
魔法兵達は少し不安そうな顔になった。
「ということはもうすぐ戦争が・・・」
「可能性は無いわけではありません。ですが、今は何とも言えません」
「しかし、私達魔法兵だけで砦を落とすのは難しいかと・・・」
「ええ、門を壊し砦の一部も壊していく、そこが目標です。誰かを狙うよりも建物を狙って動けなくするのを私は狙ってほしいと思っています」
「それでは私達は他の兵に狙われながら砦だけを狙うことになりますよね・・・難しいのでは?」
「ええ、他の隊も居ますから・・・それに人を狙うなとは言いません」
その後も少し話をしていき、それぞれ研究と訓練に戻すと、最後にナグアだけを呼んだ。
「戦争・・・近いのですね」
「はい、私は社交界で別の国の者に襲われました」
「え!?」
「声を抑えてください」
「すいません。しかし、隣国がもう手を出してきたということではありませんか?」
「ツラバスでは無いのです。ヘレテ帝国の者と言っていました」
「ヘレテ・・・ってどこでしたっけ?」
ナグアは誤魔化すように笑い、私は少し引き攣った笑顔で答えた。
「山を隔てた先にはいくつか国がありますよね」
分かっているような反応をしているナグアを横目に続けた。
「いくつかの国の中の中央に位置するのがヘレテ帝国、テラゴニアよりも大きい国ですよ」
「あれ?じゃあなんでテラゴニアを狙うんだろ・・・」
「私達にも分かりません。狙う意味も何も」
「変ですね。テラゴニアを襲っても食糧くらいしか取れるものありませんが」
「そうですね。他の子達には内緒ですよ」
「はい!」
そうしてナグアは訓練と研究に戻って行った。
戦争も現実味を帯びて来たということかしら・・・できれば起こさないで欲しいけど
私達は研究室へと移動して様子を見ていた。しかし、変わり映えの無い様子に私は少し焦りを感じた。
ちゃんと伝えるべきかしら・・・それとも何か課題を言い渡した方がよかったかしら
その後私は研究室で氷の壁を沢山魔力を込めて作れるように術式を組んで作り上げ外で使った。
「そこの人ちょっと魔法であの壁を壊してみて~」
座っていた兵に言うと魔法を撃ち出した。その魔法は簡単に弾かれて消えて行った。それを見た兵はどんどん魔法を撃ち込んでいくが壁は傷もつかずに立っていた。
当面の間はこれが目標でいいかしらね・・・
遠くの方で普通の兵達が馬鹿にするように笑っているのが見えたので薄くした氷の壁をプレゼントした。そしてその壁は誰も割ることが出来なかった。




