とある侯爵の社交
城での生活には慣れてきた頃、ある侯爵の社交界へと行くことになった。
私は城で魔法を作ったりしていたかったのだけど・・・
「殿下よく来てくださりました。ささ、中へお入りください」
侯爵は媚びを売るように話しかけてきたが王子は笑顔で答えて、私をエスコートしながら部屋へと移動した。城での社交界に出ていたのもあって私は色んな人から声を掛けられていた。
私と王子は離れることなく基本的に一緒に行動していたが、珍しく私は男の人に沢山声を掛けられていた。
「王子とはどこまでいきましたかな?」
「こら、失礼であろう!」
「気になりませんかな?」
「失礼しました。所でニーナ様は魔法がお得意だとか・・・」
「ほう、魔法が」
「それもアルゴス様を超えるとかなんとか」
王子は複雑そうな顔をして割って入った。
「おっとこれは失礼いたしました・・・殿下の前でしたな」
「しかし、お綺麗でいらっしゃる」
「どこで見つけて来られたのですかな?」
あまりいい会話に思えない言葉が飛び交っていた。私は笑顔で固まりながら王子にくっついていた。
王子はとある女性を見かけて少しだけ私の元を離れて行った。
それを見た貴族達はここぞとばかりに近づいて来た。その勢いは凄まじく悍ましくもあった。
「王子とはどうやって知り合ったのだ・・・いや取り入ったのだ!」
「ニーナ様はどのようなお力があるのか教えていただきたい」
「いや、そんなことより王子との事をもっとお話しください!」
「田舎娘のくせによく出て来れたもんだ」
「アルゴス様より強いというのは真か!」
私は質問攻めに遭いながらも笑顔で対応していった。それを見かねて一人の男性が私の手を取り貴族達の中から引っ張り出してくれた。
「あ、あの・・・ありがとうございます」
「いえ、お困りの様子だったので、大丈夫でしたか?」
「ええ、助かりました」
その人は髪の長い凄く大人っぽい男の人だった。そしてその人は丁寧に一礼した。
「ああ、名乗らずに失礼しました。私はバリナス・ローレナーというものです」
「私は・・・」
「ニーナ・クロフォード様ですね」
私は微笑みを返しながら礼を返した。
「知っていていただき光栄でございます」
「有名ですからね、色々と」
「色々ですか?」
「少しお話をしませんか?」
「それは構いませんが、エリック殿下が心配しますので・・・」
私は軽く遠慮するとその男の人はさらにエスコートするように私を誘い断りづらくさせてきていた。
「あの、お話ならここで・・・」
さっきの貴族達が私の居場所に気づき近づいて来ているのが分かった。
「お話できそうにありませんね」
そう言ってバリナスは私を引っ張り部屋を出た。




