時間がかなり過ぎた
あれから数年経っていた。私は自分で言うのもなんだけどそれなりには貴族としての知識や動きというのを勉強できていると思う。体は大人っぽくなってきており体つきも結構変わっていた。
今でも周りの事はアンナがしてくれていて勉強はセバスがやってくれていた。
しかし、いまだにニーナさんについての手がかりや戻る方法などは見つかっていなかった。その代わり魔法の扱いだけは異常に上手くなっており、色んな魔法をすぐ出せて数も威力も昔と比べようがなかった。肉体強化の魔力操作に至っては扱いがなぜか上手くなっており細かい調整や周辺を探知しながらも使えるようになっていた。
そして周りの人達もかなり様子が変わっていた。
廊下を歩いていると一人の使用人と顔を合わせた。
「ニーナ様おはようございます。今日は何をしでかすのか楽しみですよ」
私は笑いながらその挨拶を返した。
「しでかすだなんて、言わないでください」
また一人歩いてきた。
「ニーナ様、おはようございます。その服お気に入りですか?この前も見ましたけど」
「えぇ、楽に着られて動きやすい服で気に入ってますよ」
こんな感じでかなり打ち解けていた。時間はかかってはいたけどうまく溝が埋まってよかったと今は思っている。
モーリーが歩いてきたのが見えた。
「モーリーさん、おはようございます」
「あぁ、ニーナ様、おはようございます。元気そうでなによりですな」
「はい!今からお仕事ですか?」
「そうですよ、今日は草むしりをしてこないと伸びてきましたからな。」
「そうですか、頑張ってくださいね。無理はしない程度に」
「ありがとうございます。それでは」
二人はにこやかに挨拶を終えた。
今日はどうしようかな~セバスが部屋で待ち構えていそうですけど。
部屋の前まで行って一呼吸置いて入った。しかし、誰も居なかった。机の上にメモが置いてあった。
今日の勉強はお休みになりますのでどうぞゆっくりなさってください。セバスより
今日は忙しいのね・・・勉強が無いのはうれしいですけど寂しいわね。
魔法の本を一冊浮かせて机に持ってきて読み始めた。少しすると走ってくる足音が聞こえてきた。アンナだとすぐに分かった。
「ニーナ様!おはようございます」
私は少し困ったような笑顔をして
「アンナ・・・走ると危ないですよ」
「だって今日はお勉強が無いとセバスさんから聞いて部屋に来たら居なかったんですもの・・・」
「のんびり宿舎を歩いて来ただけよ?」
「それでも・・・またどこかで何かするんじゃないかと思って」
「大丈夫よ。私ももうそんな歳じゃないもの」
「それでもです!」
アンナの元気っぷりは何年経っても変わらなくてとても可愛く思えた。




