怖い視線
その後数日が経ち、私は王子と共に社交界へと出ていた。
この社交界は貴族達が望んできたらしくお城で行われていた。
【どこかの令嬢】
ようやく引っ張り出せたわ・・・あの雌、どうやって誑し込んだのか知らないけど、王子と一緒になるなんて許されるわけないんだわ!なんとしてもあの田舎娘を式を挙げる前に失脚してもらわないと・・・
「何かいい方法はないかしら・・・」
従者に聞きながら不敵な笑みを浮かべていた。
【ニーナ】
「ついに来てしまったわね・・・」
「今日は王子様も付いてますよ!きっと大丈夫です~」
私はアンナに着替えを手伝ってもらっていた。
「でも、迷惑をかけちゃうかもしれないし・・・」
「もうニーナ様は心配性なんですから~」
「今までいい思い出がないのよ」
「あ~いつも虐められてましたもんね~」
「今回もそんなことにならないといいのだけど・・・」
ユミナはそっと部屋に入ってくると一礼した。
「ニーナ様、エリック殿下がいらしております」
「ええ、分かったわ」
私はアンナに合図してその場に立ち部屋の入口へと移動した。
「おまたせ!エリック!」
ドアを開けながらそういうと王様も一緒に立っていた。
「へ、陛下!し、失礼いたしました!!」
「よいよい、仲が良さそうでなによりだ」
私は顔を赤くして顔を抑え、王子はクスっと笑っていた。
その後、社交界の部屋へと移動すると一斉に視線がこちらを向いた。そして王が私と王子の前に立ち歩いて行った。堂々と歩いていく姿は貫禄があり見惚れてしまいそうになるくらいだった。
私と王子は少し遅れて一緒に歩きだした。王子に向けた拍手はとても大きかったがそれと同時に私への憎みともとれる視線が突き刺さっていた。ただ、私は王子といる限り安心して歩けた。
王と王子はそれぞれ挨拶に来る人に対応していた。私は王子の傍らで挨拶をしていった。大体の言葉はお祝いの言葉が多くあまり政治の話は飛んでは来なかった。
ずっと刺さる視線が私へと向かってきている気がする。あまり歓迎されてないのかしらね
私は自然と身震いした。その様子は王子も気づいていた。私が少し移動しようとすると王子はすぐに私の傍へと移動するくらい警戒を強めていた。
「エリック・・・私」
「大丈夫、離れないで」
その様子をすごい顔をして睨む女性が居た。そしてその姿を後ろで見て呆れた顔をした女性もいた。
貴族達の挨拶は途切れずに続いていた。私の様子を見てなのか王子は私を連れて少し休めそうなところへと移動した。
「王族の社交界って大変なのですね」
「彼らにとっては挨拶一つでも大事なことだからね」
「そんなに大事なのですね・・・私、挨拶ができていなかったのかすごく恨まれてる気がするわ」
「視線は感じるけどこの視線は多分違うものだと思う。だから、離れないで」
王子は周りを一瞥し、警戒をし続けていた。




