不穏な状況
社交界で私は王子の傍から離れずにいると女性達が王子を引っ張っていった。
「あ、ニーナ!」
王子はたじたじになりそのまま少し離れた位置へと移動させられてしまった。私は嫌な予感がしてすぐに移動しようとすると私は男性に囲まれていた。
「ニーナ様お噂はかねがね伺っております。できれば魔法を見せていただける機会をいただきたいです」
「麗しいお姿に見惚れてしまいました」
「殿下とはどのようにお知り合いになられましたのですかな?」
私は質問攻めになり苦笑いをしながら相手をしていると少しずつ距離が縮まっているのに気が付いた。
なんでこんなに近づいてくるの?
そして一人が私の手を取り手の甲にキスをしようとしてきた。思わず私は手をひっこめた。
「な、なにをするんですか!」
「いえ、お近づきのしるしにと思い。これも私なりの挨拶ですよ」
私は近づいてくる男性達に警戒をした。周りを見渡しているとふと目に映った。
エリックが・・・キスを!?
私からは唇にキスをされているように見える位置から王子は頬にキスをされていた。その姿に私は固まった。そして周りの男性にされるがまま手の甲にはキスをされ色んな事を吹き込まれていた。しかし、私の耳には何も入らなかった。
う、嘘よね・・・今見えたのは何かの間違いで・・・
その瞬間、キスをした女性が私の方を見て嫌な笑顔を見せた。
あの人が・・・エリックの事を!!
私は胸が苦しくなっていくのが分かった。そして胸を押さえた。
私が何をしたっていうのよ・・・いつも社交の場に出ればこんな目に合う・・・もう嫌
私は動悸が激しくなり目の前が少しぼやけて見えた。
苦しい・・・こんな気持ちになるんだ。人を好きになるって難しいわね
周りがぼやけて見えながらも私は笑顔を作りその場で立っていた。その様子にキスをした女性は何かを企んだような顔をしていた。すると、一人の男性が私の体を支えるように寄ってきた。
「いかがなされましたか?私に何かお手伝いできることはありませんか?」
「ええ、大丈夫です。お構いなく」
私は手で軽く遠慮して離れようとしたがその男性はまた寄ってきた。
「お顔の色が悪いようですよ?私がお部屋にお連れしましょう」
「大丈夫ですので・・・」
拒否しても寄ってくる男性に私は恐怖しながらも笑顔で柔らかく拒否し続けていた。そしてしばらくすると私の周りから男性達はいなくなっていた。そして周りを見渡すと王子の姿まで居なくなっていた。
どこへ行ったの?エリック・・・大丈夫よね?
私は心配しながら会場で笑顔で立っていた。
【見覚えのある女性】
本当にあの子は、学生の時から少しも成長していませんわね。危なっかしくて見ていられませんわ
とはいえ、あの女性・・・嫌らしい女ね。近寄りたくもないわ・・・でも、気になるわね。王子を連れて行って何をする気かしら・・・あの子が不幸になるのはどうでもいいですけど、潰れられては面白くありませんわね。




