模擬戦闘?
その日は何事もなく終わり、しばらく静かな日が続いていた。
テリサと作法の事も勉強するようになり、どんどんと私は作り笑顔がうまくなっていった。
兵舎の方にも少し変化があった。研究室ができ、本を移してそれぞれが研究に打ち込むようになっていた。そのため魔法兵が使っていた訓練場には少し兵がいるくらいになっていた。それでも、私が行くと少ない人数で整列をして挨拶が行われていた。
「おや、ニーナ様今日はいらしてましたか」
「ブランド様ごきげんよう」
私は後ろからブランドが歩いてきているのは分かっていたため驚かずに対応していた。
「研究室ができてからあまり兵の姿を見なくなりましたな・・・」
「あら、寂しいかしら?」
「そうですな・・・寂しくないと言えば噓になりますな」
「じゃあ、たまには私、張り切っちゃおうかしら」
「へ?」
私は今居る兵に研究室にいる兵を呼ぶように指示を出した。
「な、何をなさるおつもりですかな?」
「きっとあなたが気にいる事ですよ」
魔法兵全員が外へ整列した。
「なんでありましょうか!」
「模擬戦闘でも行いましょうか」
にこやかに言うと兵達はざわつき始めた。
「ニーナ様・・・一体どうするおつもりですかな?」
ブランドの一言に全員が沈黙し息をのんだ。
「私に魔法で一撃でも与えられればあなた達の勝利よ!」
魔法兵全員が固まり目を丸くした。
「ニーナ様お止めください・・・お怪我をなされればエリック殿下が悲しみますぞ」
「兵のためですもの!」
私は広場の真ん中に移動すると見えないように障壁を張った。
「いつでもいいわよ~」
魔法兵達は顔を見合わせて戸惑っていた。
「どうしたの~?」
すると、一人のガタイのいいおじさんが前に出て魔法を撃ちだした。
「ニーナ様!どうなっても知らねえぜ!」
「いらっしゃいマカオン!」
飛んできた火の玉はどこかへ跳ね返って飛んで行った。
「うお!なんだ?跳ね返ったぞ!!」
「さあ、みんなも頑張って~!」
それでも他の人たちは遠慮していた。
「ニーナ様!いきますよ!!」
勢いよくナグアは出てきた。
前に見た魔法を改良できたのかしら・・・
詠唱は短くなり蛇のようにうねった炎を作り出し飛ばしてきた。しかし、見事にはじき返されて飛んで行った。
「もう!なんでよ~!!」
感情的になるのはいつもの事ね・・・
その後、少しずつ魔法兵達は魔法を使い始めた。それを全部はじき返すと私は泥人形を目の前に作り出した。
「私からも攻めますので頑張って攻撃してみてくださいね~」
魔法兵達は嫌な顔をして魔法の準備をしていた。術式の魔法を使う人は悠々と魔法を撃ち続けていた。
術式さえあれば撃ち続けられますものね、でも・・・
しばらくしていると術式の魔法を使ってる人の魔法がピタリと止まってしまった。
紙に書いた術式なんかだとすぐに限界が来ちゃうのが弱点よね・・・
そして術式を使っていた人達は泥人形に軽く叩かれて降参した。




