背負うもの
アルゴス先生は国に協力しなかったのかしら・・・
「そのアルゴス先生は、なぜ国の魔法兵育成を手伝わなかったのでしょうか」
「それは、本人に聞くことだ。その当時の事は私も覚えてはおらんのでな」
静かだった王子が口を開き疑問をぶつけた。
「父上、なぜニーナなのですか?今からでもアルゴス校長に頼んで兵達を見てもらっては?」
「エリック、今まで国を守ってきてくれたアルゴスにその言葉を言えると思うのか?」
「では、魔法学校の教員でもいいではありませんか!!」
「そんなにニーナを関わらせたくないのか」
王は穏やかにそう言うと王子は感情的になってきていた。
「父上は母上をそのようなことに関わらせたいとお思いですか!」
「エリック、落ち着いて!」
私はそう言ってエリックの手を握り返した。
「確かに私はマリアノにそのような事はさせなかった。私が言ってることがどれだけ都合がよいのかはよく分かってるつもりだ」
「その都合のためにニーナは強制的にやらされてるというのか!」
「エリック!!」
立ち上がった王子を私は止めた。
「ああ、そうだな・・・私の都合だ。ただ国を守りたいという都合でしかない」
「今からでも、魔法学校から誰か来てもらいましょう!」
私は王子を軽く引っ張ると微笑みながら話した。
「いいの、エリック・・・誰かを守るために私が教えていることだから」
「しかし、ニーナ!」
「もし、別の人がやることになったら別の人がその業を背負うのよ?それなら私が背負うわ、だからエリック、一緒に背負ってくれないかしら」
「本当にいいの?ニーナ」
「あなたと一緒なら」
王はその様子をにやけながら見ていた。
「仲が良さそうで何よりだ!」
私と王子は顔を見合わせて赤面し手を離した。
「ニーナよ、本当にすまない事をしたと思ってはおる。背負わせることになるからな・・・」
「私の婚約者は国を背負いますからそれくらいは私も背負いたいです」
「いい子を見つけてきたなエリックよ」
なぜか複雑そうな顔を王子はして王と私は心配そうな目で見た。
「そうだ、設備に関しては何が足りないのかね?」
「はい、部屋と本が足りません。今後、兵を増やすにしても全くと言っていいほど足りておりません」
「そうか・・・」
「あ、それについては僕が手配をしているところです」
「おお、そうだったか先に動いてくれているとは流石だな」
王は満足そうに笑顔になった。
「城の兵舎側にある一室を使おうとは思っているのですが、本棚の搬入などに時間が掛かりそうなのです」
「本についてはアルゴスにでも頼むつもりであろう」
「えっと・・・」
「エリック・・・他に頼れるところはありませんよ」
私は笑顔でそう言うと王子は愛想笑いをして王は呆れていた。




