兵士達の衝突
またあの普通の兵士達が魔法兵達の元へ移動しているのが分かった。こっそりと覗いていると普通の兵士は何かを言っているように見えていた。ラギシンがそれを宥めようとしていたが兵士達はまだ突っかかっていた。後ろから、マカオンもやってきて兵士達の会話はどんどん白熱していった。
私は危険と判断して入口から訓練場へと歩いて行った。その姿に兵士達はすぐこちらに向かって一礼した。
「何があったの」
普通の兵達は顔を見合わせていた。
「ラギシン、話して」
ラギシンは普通の兵士達を一瞥すると私の方に頭を下げ話し始めた。
「私達魔法兵が訓練もせず怠惰な事ばかりしていると言われそれについて説明をしていました」
「本当ですか?」
普通の兵士達はこちらに目線を変え堂々と言い出した。
「ええ、本当です」
「続けて」
「私達が見ていた所、訓練もせず紙に何かを書いていたり本を読んだりしているだけの者も多くその姿はとても兵士とは思えません!」
「これについての説明は受けましたか?」
「受けましたが納得がいきません。我々は汗をかき、日々鍛錬してきたのです!それを横で見てたら座って子供の遊びのような事をしているのです」
「子供の・・・遊びねえ・・・」
後ろからマカオンが怒声を上げた。
「遊びじゃねえだろ!魔法には必要だって言ってんだろ!!」
「落ち着きなさいマカオン」
「規律も何もないそんな遊びのような訓練なら俺達も受けたいもんだ」
「なにを!!」
私は動き出そうとしたマカオンの足を凍らせた。
「動けば全身にいきます・・・」
マカオンは冷や汗をかいて黙った。
「あなた方の規律とやらは知りませんけど、こんな所で油を売れる程度の規律なのは分かりました。ブランド様にお会いしたらこの事についてはお話しさせていただきますね」
普通の兵達はその言葉を聞いて私を睨みつけた。
「それに汗をかかなくても魔法兵達は頭は悩ませているかと思いますし・・・あなた達の訓練よりも」
「我々が頭を使ってないと!?」
「ええ、言いがかりをつけに来る時間を訓練に当てればもっと有意義な時間になったでしょうね」
一人の兵が顔を赤くしていた。
「別に喧嘩がしたくてこんな話をしているつもりはないのですよ。あなた達は人一倍努力していらっしゃいますから、新しくできた魔法兵達の事はよく分からないと思いますが、魔法兵達は訓練も必要ですが研究も大事な訓練の一つなのです」
「そんなに大事なのですか?」
「そうですね~あなた達で言えば・・・剣を振る型も知らずに振るのと同じようなものかしら」
兵士達は首をかしげて顔を見合わせた。
「指揮を執る人が兵の動かし方も知らないのと同じくらいと言えば分かりますか?」
「それはあなたでしょ」
そう言って兵士達が笑い出した。
「まあ、否定はしませんがそれすら分からない人達だとは思いませんでしたけどね・・・所でそろそろ戻った方がよろしいのではなくて?後ろに・・・」
笑っていた兵士達は笑いながら後ろを見て固まった。




