頑張ったおじさん
私は勉強の事もあったので王子と共に部屋へ戻って行った。
部屋に戻ると本を読み静かに過ごしていた。しかし、アンナはどこか落ち着きがなく動き回っていた。
いつもの事だけど・・・今日は特に落ち着きがないわね
「アンナ?どうしたの?」
「な、何でもないですよ~」
無理をしているような笑顔でアンナは言葉を返すがその後も落ち着きなく動いていた。
「おじさん・・・マカオンが気になる?」
「え、っと気になりません!!」
歯切れの悪い返事をアンナはしたので私はため息をついた。
「本を読んだらまた行くから落ち着きなさい」
「はい!」
「ユミナ、アンナが落ち着かなさそうなら縛っておいて」
「かしこまりました」
「ニーナ様!?」
ユミナはどこからか紐を持ってきてアンナを見張っていた。アンナはそれを警戒するようにユミナを睨んでいた。
逃げる動物を追い込んだみたいになってるわよ・・・
気を散らしながら私は本を読み進めていった。そして読み終わったのはお昼過ぎくらいだった。
落ち着きのないアンナに引っ張られながら私は兵舎に戻ってきた。
「マカオンさんの所にいってらっしゃい」
アンナはマカオンの元へと走って行った。マカオンは汗をかきながらも魔法を撃ち続けていた。
あの後もずっと一人で撃ってたのかしら
アンナは何かを必死に伝えているように見えたがマカオンは首をかしげていた。
感覚派同士の会話ね・・・気になるわ
そう思いながら見守っているとあのリアーネに似た女性がやってきた。
「書けた」
私は紙に目を通した。そしてすぐに間違っているところが分かった。
「ここが変ね、これならこの詠唱を取り入れれば問題ないはずよ」
そうして私はその紙を手直しして渡した。その子は喜んで離れて詠唱を始めた。
目の前に竜巻が起こり風を巻き上げた。その子は嬉しそうにこちらへ戻ってきた。
「できた!ありがとう!」
「よかったわね。あなた名前は?」
「リア」
名前まで似てるなんて・・・偶然かしらね
「リア、後は一人でできる?」
「がんばる!」
そうしてまたリアは走って行った。そして、私はマカオンの元へと歩いて行った。
アンナは相変わらず身振り手振りでなんとか伝えようとしていた。
「アンナ・・・もう少し分かりやすく教えてあげないと・・・」
「でも、私・・・よく分からないのに出来ちゃったので」
本当にこの子なんで出来たのかしら・・・
「マカオンさん溜めるイメージですよ。留めることは出来てますから溜めて撃つんです!」
「いや、あんまり分からねえんだが・・・」
「マカオンさんは感覚で魔法放ってましたよね?」
「ん?ああ、あれか」
「あれと一緒で感覚的に溜める事を意識するんです。火の玉に何かを入れていく感じで!」
「何かか・・・」
マカオンは手を翳すと詠唱をして火の玉を出した。汗を出しながら踏ん張り始めた。
「ふんぬ~~~!」
「いけ~~!!」
アンナがマカオンを声を出して応援していた。
1発目は不発に終わった。しかし、マカオンはアンナに背中を押されるように魔法を打ち続けていた。私はそれを見守っていると拳くらいの大きさの火の玉が少し大きくなったように見えた。
マカオンはその瞬間気が抜けたのか空に火の玉を放ってしまった。
しかし、どこかマカオンは満足そうな顔をしていた。




