おじさんの憧れ
兵舎で魔法兵達の様子をユミナと見守っているとガタイのいいおじさんがやってきた。
「なあ、ニーナ様、どうやったらあんなに火の玉を大きく出来るんだ?」
少し困ったような顔をしたおじさんはアンナの方を指さしながら聞いてきた。
「そうですね~貯めて撃つだけですけど、難しいですよね」
「魔法を貯めれるなんて聞いたことも無いぞ」
「でも、あなた詠唱無しでこの前、魔法撃ってなかったかしら?」
おじさんは少し首を傾げて考えるような状態になると何かを閃いたような顔をした。
「あ~あの時か~!」
そんなに日は経ってないと思うのですが・・・
「アンナちゃんが凄くってよ真似できないかなと思ってやってみたらよ!出ちまった」
そういうと豪快に笑いだした。その様子にちょっと私は引きながら笑った。
「しかしな、全然大きくならないし魔力も分からねえ。それに他の奴らみたいに使いたい魔法ってのも分からねえんだ」
「何か興味をそそられるものはありませんか?」
「さっぱりだな・・・」
おじさんは両手を肩まで上げて首を横に振った。
「例えば、広範囲に撃つ魔法とか一点集中で撃つ魔法とか・・・凍らせたり風で吹っ飛ばしたり、炎で焼いたりとかも無いのですか?」
「ん~・・・あんまりピンとこねえな・・・」
「難しいですね。そういえばなぜ魔法兵に?普通の兵士でもやれそうですのに」
「それは最初に言われたな!」
また豪快に笑うとその先を話さずにまた戻って行こうとしていた。
「理由・・・話せないですか?」
「大した理由じゃない、ただの憧れってやつだ」
私に背を向けながらそう言ってアンナが居る方へ行った。
憧れだけかしらね・・・
アンナの横に立つとまた同じように魔法を撃ちだし何かを話していた。
これも起爆剤になればいいんだけど・・・
その後も見ていると研究をし続けている人が多く、本を外に持ってきている人まで居た。
研究のできる部屋があるといいんだけど・・・
後ろからまた王子がやってきた。
「また訓練を見ていたんだね」
「成果が知りたいですもの」
「みんな何をしてるんだい?」
「研究をしてる人が多いですね」
「じゃあ、あれは?」
王子はアンナの方を指を指した。
「あれは・・・訓練ですね」
「君の侍女じゃ?」
「私の侍女も誰に似たのかお転婆で・・・」
「ほんとだねーだれににたんだろう~」
王子にしては珍しい棒読みが飛んできた。
「何か言いたいことでもございますか?王太子殿下」
王子は顔を反らし冷や汗をかいた。私はそれを笑顔で見ていた。
「し、しかし、こうなってくると部屋があった方が良さそうなのは確かだね~」
「ええ、魔法兵が増えれば猶更です」
「準備はさせているけど本の準備がね~」
「アルゴス先生に手伝ってもらっては?」
「そうだね。手紙でも出してみようか!」
そう言いながら王子はしばらく私の傍で様子を見ていた。




