恐れ多い事を・・・
王妃は不敵に笑い私を見ていた。
「表情で誤魔化せるようになったのなら後はその中途半端な覚悟をどうにかしなさい」
「わ、分かりました」
私はそう返事すると軽く頭を下げお礼を述べた。そして私は気になることを聞くことにした。
「あの王妃様お一つお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「なんですか?」
「なぜ、エリック殿下は今まで婚約をしてこなかったのですか?王族ならもっと早くにも出来たはずですが・・・」
王妃の顔から笑顔が消えた。私は変な汗をかきながら真顔に戻っていた。
「私の方針ではないので王にでも聞いてちょうだい」
「王妃様・・・」
「それに今まで殿下なんて呼んでいなかったのに急に気持ち悪いのよ!」
王妃は急に感情的になってきた。私はそれを宥めようと焦っていた。
「なんでこんな訳の分からないのを拾ってくるのよ!エリックもライカールも!だから私は言ったのよ!先に決めてしまえばいいと!!」
その言葉と共に部屋は静まり返った。そして私は王妃には望まれていないと知り無力感に苛まれた。
「・・・なんとか言いなさいよ、あなたの事なのよ!」
「申し訳ございません」
「謝って済むわけないでしょ!!」
王妃はどんどん怒りを強め立ち上がった。
「お、お許しください!!」
「このまま、あなたはここに居るつもりなの?」
「置いていただけませんか?エリック王子の元へ」
「それはあなたの本心なの・・・?」
私は震えながらゆっくりと顔を上げ王妃の顔を見た。
「私はあの方以外考えられません」
王妃は何事も無かったかのように普段通りに戻った。
「そう、ならば居なさい。エリックの傍に離れずに」
「ありがとうございます」
私は笑顔でそう答えた。王妃はそれを見て少し満足したのか部屋の入口へ移動した。
「多少は躾をしておくものよ?」
王妃はおもむろにドアを開けるとアンナが扱けて部屋に入ってきた。
「あ・・・申し訳ございません!!!」
王妃はアンナを無視してユミナの方へと歩いて行った。
「あなた放置してたわね」
「はい、王妃様」
王妃はユミナにビンタをすると歩いて行ってしまった。ユミナは頭を下げそれを見送った。
「アンナ・・・あなた命知らずにも程があるわよ」
「だってぇ~」
アンナは涙目になりながら私に縋り付いてきた。
「ごめんなさい、ユミナ、アンナの所為で叩かれてしまって」
「お気になさらないでください。私も止めなかったのが悪かったので」
ユミナは軽く頭を下げそう言ったが、アンナは私に縋りながら首を振った。
「ユミナさんは止めてくださいましたよ!私はそれを無視して聞いていたんです!」
「それは本当の事なの?」
「事実でございます。ですが、止められなかったことも事実ですので」
私はユミナの赤くなった頬を見てからアンナを見た
「本来ならあなたがこうなっていたのね・・・アンナ」
「ニーナ様~」
私はため息をつきながらアンナの頭に手を置いて今後の事を考えた。




