規律の必要性
覗いていたことを詰められる事もなく静かに食事は進み、私は珍しく王子よりも先に済ませた。
私は口を拭き自分の部屋に戻った。そこにはテリサが待っていた。他の二人はその場には居なかった。
「ニーナ様、お話の続きをお聞かせ願いますか?」
そして、私は昨夜あった事を話していった。
「大体の事には笑顔か真顔で対応してましたが・・・真顔はあまりよろしくありませんでしたか?」
「そうですね・・・一度その顔を見せていただけますか?」
私はあの時の事を思い出して、真顔になった。テリサは笑顔のまま何も言わず途中で目を伏せた。
「結構です。これならば問題ございませんよ。ただ、あなたのそのお顔は少し目が鋭いので怒ったように見えたかもしれませんが・・・」
「そうですか・・・これからは真顔も少し考えた方がいいですね」
「それが普通の顔なのです。考える必要はありませんよ」
テリサと話しているとノック音がして、二人が戻ってきた。
「丁度戻ってきましたね。今日はお話を聞けましたからまた明日から勉強にいたしましょう」
昨夜の事を考えての事かしら・・・テリサには気を遣わせちゃったわね
そして私は兵舎の方へと向かった。私が来ると相変わらず整列をし挨拶をしてきた。
「課題の進捗はどうですか?」
魔法兵達は困ったような顔して見合わせた。
「じゃあ課題1の進捗に自信のある方はいらっしゃいますか?」
私は見渡したが誰も声も手も上がらなかった。
「じゃあ・・・2つ目の課題の方はどうかしら?」
魔法兵達の沈黙は続いていた。
期間も短かったし急ぎすぎたかしら・・・
私は軽い冷や汗をかきながら笑顔で様子を見ていた。そして魔法兵達は困った顔をしながら狼狽えていた。
「だ、大丈夫ですよ。結果を求めてるわけじゃないの」
魔法兵達は少し落ち込んだ様子を見せた。私はどう慰めようかと考えていると私の後ろからブランドがやってきた。
「情けないですな。兵を励ますのも指揮を出すものの役目ですぞ」
「ブランド様いらっしゃったのですか」
「様はいりませんぞ。しかし、この状況はどうしたのですかな?」
軽く説明をするとブランドは笑い出した。
「できなくて当たり前ですぞ。私は魔法には疎いが簡単にできるものではないのであろう?」
「え、ええ・・・アンナくらいですね。すぐにできたのは」
「アンナ?とは誰の事ですかな?」
「あの子です・・・」
私は苦笑いをしながら胸を張っているアンナを指さした。
「う、うむ・・・ニーナ様の侍女ですな?」
「ええ・・・多分そうです」
私とブランドはアンナを見て困惑していた。
「しかし、普通の者は簡単には出来ぬことなのだろ?」
「ええ、ただ1つ目の課題に限っては魔法学校でやることですので、多少は進んでいるかと思ったので・・・」
「皆!聞いたか!!やるべき事は聞いたはずだ!!急ぎ課題を達成できるように奮闘せよ!!」
一斉に返事が返ってきた。それに満足したのかブランドは納得してまた元の場所に戻って行った。
「今日はここに居ますから、分からないことがあれば答えますよ」
その言葉に複数の人達が押し寄せてきた。
規律は必要ね・・・ある程度は・・・
そう思いながら一人ずつ話を聞いていった。




