懐かしの友達
そして部屋の入口にまで私達はやってきた。
「じゃあ、行くよ?」
「あ、その、心の準備が」
その言葉と共にドアは開かれた。中には大勢の人達が居て私達を注目していた。私は笑顔を崩さずに王子と共に歩いて行った。
「皆様お集り頂きありがとうございます!私エリック・テラゴニアはこれよりこの方と婚約します!!」
もう引き返せない・・・私は二度と尊には戻れない
「この度、エリック様と婚約することになりました。エヴァン・クロフォード伯爵の娘、ニーナ・クロフォードと申します」
少しの沈黙が時が流れた。
「私はエリック様にお声を掛けていただき、互いに理解するまで会話を重ねて今に至ります。私はエリック様を愛し、支えて共に歩みたいと思っております」
拍手が起き、私はその場で頭を下げた。周りは笑顔で拍手をするもの、面白くなさそうに拍手するもの、あからさまに睨んできている人などが居た。
拍手が止まると王子が私の手を取り手にキスをした。すると王が近づいて来た。
「皆の者聞いてくれ、このライカール・テラゴニアはここのエリック・テラゴニアとニーナ・クロフォードの婚約を認める!二人が上手くいくように私は願っているぞ」
私への拍手よりも大きな拍手が鳴り部屋には食事や飲み物が運ばれてきた。
みんな飲み物を手に持ちそれぞれが社交界の様に挨拶や会話を始めて行った。私は王子とその様子を見守りながら小声で話した。
「頑張ったね。もう少し語ってくれてもよかったんだよ?」
「意地悪を言わないでください。これでも必死に考えた答えなのですから」
「じゃあ、言葉通り愛してもらおうかな」
二人で話していると続々と他の貴族達がやってきた。
「おめでとうございます。殿下!」
「ありがとう、ラウノ伯爵」
「ニーナ様もおめでとうございます」
「ありがとうございます」
「お二人が幸せになることを祈っております。無粋ではありますが、殿下また我が領地のお話を聞いていただければと思っております」
「分かりました。また伺いますね」
そして他の貴族達も挨拶を済ませて行った。
私だけの時は相手にもしてもらえなかったのに・・・こんなにも違うのね
そして私はとても懐かしい人と再会した。
「シェリー様!」
「ニーナ様!」
「ご婚約おめでとうございます」
「ありがとうございます」
そう初めて社交界で仲良くなった子、シェリー・ゲルマールだった。
「来てくれていたのね」
「驚きました。まさか、王子様と婚約なさるなんて」
「私もこんなことになるなんて夢にも思わなかったわ」
私とシェリーは手を取り合い仲良く話していると王子は興味深そうに見ていた。
「シェリー様はあれからどうしてたの?」
「私は、今学校で忙しくしているわ」
そうか、本来はまだ学生なのよね
「ニーナ様は学校には?」
「ええ、行ってましたわ」
「え、ではもうご卒業を?」
「あ、ええ!魔法学校の方を・・・」
「それでお見掛けしませんでしたのね」
これ・・・言わない方がよかったかしら
「あ!あんまり話しているとお邪魔になりますね。またお会いしましょ」
「ええ、ぜひ!」
そしてシェリーと挨拶を交わすとまた別の貴族達と挨拶を交わしていった。




