顔から湯気が出そう
私と王子は城の中を並んで歩いていた。
「私は婚約披露の時に何を話せばいいのか分からなくて教えていただけたらと思いまして」
「そうだね」
王子は顎に手を当て少し考えた。そして笑顔で答えた。
「自己紹介でどうだい?」
「自己・・・紹介ですか?」
「君の事を話すだけでいいよ。後は僕が話すから」
私も顎に手を当てた。
自己紹介って私が誰なのかと、どこからきたのか・・・くらいかしら。でも、貴族の自己紹介よね。私そんなこと習った覚えがないわ。一体何を話せばいいのかしら
私は真剣な顔をして真っすぐと歩いていたつもりだった。気が付くと私は廊下の端の方に居てぶつかりかけていた。それを王子は笑いながら受け止めてくれていた。
「エリック王子!?す、すいません」
「まさか、自己紹介でこんなに悩むなんて思わなかったよ」
「私・・・貴族の勉強をしてきたつもりなのですが、どうすればいいのか分からなくて」
目を回しながら私は王子の腕の中に居た。それを見て王子は微笑んだ
「やっぱり作った顔より今の顔がいいね」
は、恥ずかしすぎる・・・死にたい・・・
「ご、ご、ご冗談を!」
私は急いで離れた。そして咳払いをして笑顔に戻った。
「では、自己紹介の言葉を考えればいいのですね」
何事も無かったかのように取り繕ったが後ろの二人も王子も笑いを堪えていた。
「わ、笑わないでくださいまし!!」
「やっぱり今の君が一番かわいいよ」
「もう、知りません!」
私は顔を反らして拗ねたように歩き始めた。周りはそれを見て笑いながらついてきた。
「そんなに怒らないでくれ。ぷ、可愛すぎて捕まえたくなる」
「そんなこと笑いながら言わないで欲しいわ!」
「すまない」
そして少し落ち着くまで歩き庭に着いた。
「それで、自己紹介とは何をお話すればよろしいのかしら。名前と出生くらいでいいのかしら」
「そうだね。名前と僕への気持ちを一言ってところかな」
「気持ちですか・・・」
王子は私が少し歯切れの悪い返事をしたので心配そうになっていた。
「まだ、気持ちは固まらないかい?」
「いえ・・・そうですね、やっぱり私なんかでいいのか考えてしまいますね」
複雑そうな顔をして答えると王子は残念そうな顔をして私の手を取った。
「心配しなくていい。僕の気持ちは本物だから後は君が僕の事を見てくれればそれでいい」
「失礼ですけどエリック王子言ってて恥ずかしくないですか?」
「ん~君に対してそういった感情は湧かないかな?」
「そ、そうですか」
私のいた世界ではこんな言葉恥ずかしくて言わないわよ・・・この世界じゃ普通なのかしら
「僕は君の事を見ているつもりだからね」
「とても嬉しいです」
色々と恥ずかしいわ、やっぱり・・・




