厄介者
ブランドは魔法兵達の前に立つと号令を出した。
「全員姿勢を正せ!」
その言葉に魔法兵達は戸惑っていた。
「何をしている!そんな事ではやっていけぬぞ!!」
戸惑いながらも魔法兵達は姿勢を正した。
「あ、あの・・・」
私は止めようとしたが聞く耳を持たなかった。
「全員遅かった罰として腕立て50回!」
魔法兵達は顔を見合わせると渋々やり始めた。
「あの~・・・魔法の訓練する前に疲れさせては・・・」
「甘いですぞ!そんなことでは規律は保てませんぞ!」
私は心配しながら魔法兵達を見ていた。そして半分くらいの人が腕立てを10回して限界を迎えていた。
「これしきの事も出来ないとは情けない・・・こんなことでは国は守れんぞ!」
「これくらいにしておきませんか?こういうのは初めてですし・・・」
「甘すぎますぞ!ニーナ様」
「これから慣れて行けば良いではありませんか?」
「そんな甘やかすとつけあがりますぞ!」
「それもこれから見定めればよいかと・・・」
「いけませんぞ!規律が乱れますからな!他の兵達も様子を見ていて思うところがあるようでしたしな」
あの視線の事ね。厄介な人を押し付けたのか・・・本当に規律のために送ってきたのか・・・
「では、魔法の訓練に移る!前2名我の前に並べ!」
そういうと2人がブランドの前に移動した。
「よし、では上空へ魔法を撃て!」
2人は困ったような顔をしていたので私は軽く指示を出した。
「じゃあ、いつもの簡単な火の玉を飛ばす魔法を撃ってください!」
その言葉に2人は頷き上空へ撃った。
「ん?なぜすぐに撃たんのだ?」
「ブランド様・・・魔法には色々ありますのでどの魔法を撃つかまで言ってあげないと分かりませんよ」
「そ、そうなのか」
戸惑いながらブランドは次々と交代で撃たせていった。
「あの・・・ブランド様?」
「なんだ!」
「これでは効率が悪いかと・・・」
「いいのだ!規律の大切さを教えるのには必須なのだ!」
私がブランドと話していると間が悪いことに読書組が戻ってきた。
「まだ居るではないか!貴様ら何をしていた!」
読書組の一人が慌てて答えた。
「魔法の勉強をしてました」
「勉強だ~?そんなことはいい!貴様らも並べ!!」
「ブランド様?魔法は知識が無いと使えませんよ?」
「そんなことは知らん!」
私は頭を片手で押さえながら空を仰いだ。
駄目だ。この人話を聞いてくれない・・・
「では、並びなおせ!」
読書組は困惑しながら並んでいる所へ一緒の様に並んだ。
「戻ってきた奴らはちゃんと並んだではないか」
この雰囲気で並ばない方がおかしいわよ・・・
「では、3人我の前に!」
そしてまた「魔法を上空に撃て」とブランドは号令を出し、みんなを困惑させていた。
「ふむ、魔法を撃てでは通じぬのか・・・まったく融通の聞かん奴らだ」
「もうそろそろよろしいですか?」
私が静かに横に立ちそう聞くとブランドはまた鼻を鳴らした。
「まだまだこんなものでは・・・」
「そろそろ私が指揮を出します。みなさん規律は乱さない程度に動いてください!次の読書組は読書に行ってください!他はいつものように訓練を開始してください!」
「き・・・貴様!勝手に!!」
アンナが怒って走ってきそうになっていたが、それ以上に早くユミナがブランドの前に来ていた。




