覚悟のための・・・
私はユミナに連れられて王子の部屋にやってきた。
本当に近かったのね。ユミナも口で言ってくれればいいくらいなのに付いて来てくれて・・・
私はドアをノックした。中からは王子の返事が聞こえたので私はユミナをチラッと見た。ユミナが頷いたのを見て私はゆっくりとドアを開けた。王子の部屋も広く、私の部屋より本棚が多く並んでいた。机に長椅子と一人掛けの椅子と置いてあって王子はその一人掛けの椅子の方に座っていた。
「君から会いたいなんて何かあったのかい?」
王子は笑顔で長椅子の方へ手を向け私に座るように促してくれた。
「ええ、私・・・気持ちの整理がうまくできなくって」
私は椅子に座ると王子の従者はそっと出て行った。
「初日でいきなり気持ちの整理ができる人なんてなかなか居ないよ。あんまり焦らなくて大丈夫だよ」
「そう言ってもらえるのは私も助かるのですが、あまり甘えてばかりはいられませんから・・・」
「誰かに何か言われたのかい?」
「そう言うわけではありません。ただ、エリック王子の気持ちが知りたくて・・・」
「僕のかい?」
不思議そうに王子は首を傾げた。
「僕の気持ちは伝えたつもりだけど・・・」
「ええ、でも・・・私なんかのどこがよかったのかとかなんで私を選んだのかまでは聞いておりませんでしたから」
「それは・・・」
少し恥ずかしそうに王子はしていた。
「言いづらいですよね。私でも言いづらいですもの。やっぱりお忘れください」
私がそう言って立とうとすると王子はそれを止めた。
「待って、僕は・・・君が父上に呼ばれてお城に来た日に君は足を痛めながらも僕の散歩に付き合ってくれたよね」
「気づいていらしたのですか!?」
「誰だって分かるさ。父上も気づいていたんだし。僕は君が色んな姿を見せてくれていたように思えたんだ」
えっとそれは気のせいな気がするけど・・・
そんなことを思いながら私は固まっていた。
「僕はそれからか君の表情や態度を見るようになったんだ」
「他にもきっといい人は居たのではありませんか?」
王子は首を横に振った。
「他の人は僕を王子としか見てくれていなかった。まるで、仮面を着けてるかのように見えていたんだ」
「仮面・・・」
「でも、君は仮面を着けているようには見えなかった。本当に素直な姿を見せてくれていた気がするんだ」
私は思い当たる節があった。
「・・・ご無礼をおかけいたしました」
「いや、謝らないでくれ・・・」
王子は困った笑顔をしながら顔を少し搔いた。
「あんな表情をしてくれる人はなかなか居ないからね。色んな表情を見れたよ」
「それくらいなら誰でも・・・」
「僕に嫌そうな顔をするのは君くらいだと思うよ」
「し、失礼いたしました!!」
「ふふふ、でも嬉しかったんだ。楽しそうに笑ったり、怖くて泣いたり、必死に誰かを救おうとしたり、花を見て微笑んだり、嫌そうな顔まで・・・こんなに色んな姿を見せてくれた人は君が初めてだよ」
「それで私の唇を?」
「あの時は思いつかなかったからね・・・他の方法」
「私の初めてよ?」
私はジト目で王子を見ると王子は微笑んだ




