薄い覚悟
私も王妃が来たことに驚いてすぐに立ち上がり固まると王妃は呆れた顔をして部屋へと入ってきた。
「お、王妃様直々に来ていただきありがとうございます。お声をかけていただけたらこちらから・・・」
「急に壊れた顔をしたと思えば元に戻って今はそんな顔して、あなた情緒不安定にも程があるんじゃありません?」
私は軽く頭を下げた。
「おっしゃる通りでございます。お恥ずかしい所をお見せいたしまして申し訳ございません!」
王妃は椅子に座り王妃の従者を外へと移動させた。それを見て私もアンナを外へと移動させた。私は感じたことの無い圧を受けながら王妃の前移動し頭を下げた。
「今後はこのようなことが無いよう気を付けますのでご容赦いただけないでしょうか」
「別に今回の事を責めに来た訳ではないわ。あなたも座りなさい」
私は恐る恐る対面の椅子に座った。
「本当にあなた、アルゴス様を負かした女なのかしら・・・ただの小娘にしか見えないけど」
私はそっと王妃の顔を見ると王妃はまだ品定めをするように顔を見ていた。
「顔は~姉の方がいいわね。性格もあなたの負けね。となると・・・本当にあなたの取柄は魔法だけかしら」
「はい・・・魔法に関しては自信があります」
「体は・・・姉と変わらないようね。悪くないわ」
「恐縮です」
「後は・・・頭の方ね。あなたのメイドの様子を見たらすぐ分かったけど。対して良くは無いわね」
私はいいの・・・でも、アンナは悪くないよね。
私は薄っすらと憤りを覚えた。
「王はあなたの事を評価していたわ。でも、私はあなたの事をよく知らない。少し会っただけだから」
王妃は私を睨んだ。
「あなたは、この国のために何ができるのかしら」
私は冷や汗をかき唾を飲んだ。
「わ・・・わたしは」
「魔法部隊を作るでしたっけ。それはもう聞きました。他にあなたは何ができるのかしら」
「私は、エリック王子を支えます・・・」
「やはり頭の方は悪いようね」
「はい、私は頭はいい方ではございません。なので、お国ではなくエリック王子を支えます。もし間違った方へエリック王子が向かってしまったら私は正しい方へと導きます」
「頭を捻ってその程度の事しか言えないの?」
「はい、ですが偽りの気持ちではございません」
「・・・あなた本当にエリックを愛しているの?」
私は答えることができなかった。それを見透かすように王妃は見ていた。
「あなたは誰を愛しているのか分からないけど・・・生半可な気持ちで居るならお家へ帰りなさい。ここは甘い所ではないのです」
私は答えに迷ってしまっていた。
「心配しなくていいわ。もし、婚約前に逃げたとしても誰も咎めはしないはもちろんあなたの家もね。でも、正式な婚約後はそうもいかないわ。色んな所へ話が流れて国中へ広がるわ。その後、逃げたなんて事になればあなたでも分かりますね」
私は口が震え始めて声を出せなかった。
「覚悟もなく王家になると言うのでしたら考え直しなさい」
その言葉を出すと王妃は立ち上がり部屋を出て行った。
私は甘かったと痛感しながら唇を噛んだ。




