聞かなくてよかった
無理に飲み込もうとして時々咳き込みながら食事を進めていた。
「ニーナさん無理はしなくていいんだ」
王子は気遣ってくれていたが王と王妃はそうではなかった。
「王族が物を残すのは問題だ。食べなさい」
「クロフォード家では許されていたのかもしれないけどここでは許されませんよ」
私は息を整えた。
「はい、残さずにいただきます」
王子の心配を他所に私は出されたものをほとんど食べて行った。その後王と王子の話が始まった。
「さて、ニーナには全部伝えたのか?」
「はい、やってもらいたい事は全部」
「やってもらいたい事ではない。やらなければならない事だ」
「しかし、父上!」
「ならば、嫌ならば断わってもよいのか?その言葉の意味が分からない歳でもないだろ」
悔しそうな顔で王子は静かになった。
「して、ニーナよどれくらいで魔法部隊は完成されるか分かるかね」
私はゆっくりと手を膝に置き答えた。
「はい、まだ分からないです。今日の顔合わせで分かったことはすぐ魔法部隊として使える人はほぼ居ないということです」
「そうか、ならばエリックと結婚する歳になるまでに数人は作ってくれ」
「分かりました。しかし、私はいつ結婚する事になるのですか?」
「なんだ?そんな事も話してなかったのか!」
王はエリックを睨んだ。
「ニーナが18歳になった時に時期を見て結婚式を挙げる予定だ。それまでには1人でも作ってもらうぞ」
「分かりました」
善処しますなんて言えばきっと怒られるのは見えてるわね・・・
静かに王妃は私を見ていた。その視線に私は少しだけ恐怖を覚えた。
「後は礼儀作法については王子に任せる誰かを付けるなりして覚えさせよ」
「分かりました」
「ニーナ、聞いてはいるとは思うがもう少ししたら婚約の披露会をする。その会には出てもらうことになるがドレスなど準備はできておるのか?」
「家から持参いたしましたドレスなどはすぐに用意できます」
「エリック、それもしっかりと確認しておけ。あまりに相応しくないドレスの場合はすぐに用意させよ」
「はい、分かりました」
ある程度の問答が終わったのか王はワインを飲みほした。
「さて、私は自室へ戻る。エリックよ、しっかりせんとニーナ共々恥をかくことになるぞ」
王はそのまま部屋を出ていき、その後を王妃は付いていくように出て行った。なぜか最後まで私の方を見ていた。
「ニーナさん、僕達も食べ終わったら準備しにいこうか」
「分かりました」
残った食べ物を流し込んで私は王子と部屋に戻った。
「そういえば肝心なことを聞くのを忘れていましたね」
私がそういうと王子は首を傾げて横に立った。
「王様と王妃様の名前聞いてなかったわ・・・」
「聞かなくてよかったよ。ニーナさん」
「えっと、王様がライカール様で、王妃様がマリアノ様でしたっけ」
王子は少し安堵した。
「よかったよ・・・むしろ聞いてたら首飛んでてもおかしくないよ」
ここまで意識しなかったのが怖いくらいね・・・




