魔法の本の完成
私の本作りは最後の仕上げに入っていた。セバスの添削はどんどん減っていった。
「セバス、最近添削が減った気がするのだけど」
「お嬢様の文がかなり分かりやすくなってきてますから」
「私にも文才が!」
「魔法の事だけでしょう」
私は少し扱けながら本を作っていった。アンナも私の準備を進めてくれていた。
「ニーナ様~制服はどうします~?」
「そうね・・・もう着ることは無くなると思うし荷物になるなら捨てちゃおうかしら」
「お嬢様、学校に寄付なさったらいかがでしょうか?」
「私が着たのよ?誰が欲しがるというの」
「誰かよく似た背丈の子が着るかもしれません」
「分かったわ、本を持っていくついでに渡しておくわ」
セバスは一礼するとまた添削をし始めた。
そして、私は書きたい事を全て書き出して添削されたものを書き写し紙をまとめた。
「終わったわ・・・」
「おつかれさまです。お嬢様」
そして残りの日数は家族と話しながら過ごしていった。そして出発の時はやってきた。
「ニーナ、お城に行ったらもっと酷い目に合うかもしれないけど、簡単に負けちゃ駄目よ。後アンナ、任せたわよ」
母は笑顔で手を握ってくれた。父は隣で笑いながら一言言った。
「ニーナ、またお転婆な事をして返されないようにな!」
「お父様ったら・・・」
兄も姉も笑顔で来てくれていた。
「じゃあ、僕もやるだけやってみるからニーナも頑張ってね」
「私は、頑張って人と接するようにするわ。そしてニーナの様にいい人を見つけるわ」
「ええ、お兄様もお姉様もお元気で」
珍しくセバスは目に涙を溜めていた。
「セバス・・・」
「ええ、私からはもう何も言うことはありません。心残りはもっと教えられる事があったんじゃないかと思うくらいです」
「苦手だと言って逃げてしまってごめんね」
私とアンナは馬車に乗った。そして最後まで家族は私を見送ってくれていた。
私は、先ず学校へ向かってもらった。
「アルゴス先生、お久しぶりです」
「おお、ニーナか」
「これ、言われていた本です。後着なくなった服も誰かに上げてください」
「お主が来た服なんて言ったら取り合いになるわい」
そうして校長は私が持ってきた紙の束をパラパラと読んでいった。
「これ、本当にお主が書いたのか?」
「使用人に添削はしてもらいましたけど、あくまで文の手直しくらいですよ?」
「うむ、読みやすくできておる。これなら教材にも使えるじゃろ」
「でも、どうやって複製するんですか?」
「先ずは本にしてそこからとっておきの魔法で複製するんじゃよ」
「そんな魔法が!?」
「お主もできそうなもんじゃが、これは一部の人間にしか伝わらず使えない魔法じゃよ」
誰でも使えちゃったら、お金を複製されたり、もっと大事なものを複製されるかもしれないものね・・・国が滅茶苦茶になりますものね・・・
「魔法があることは内緒じゃよ」
校長はウィンクした後、紙の束をまとめて私に「ありがとう」と言って頭を下げた。
「おやめください。私の課題なのですから」
「きっとこれでこの国の魔法のレベルは上がるはずじゃ」
「私は少し怖いですけどね」
「どうしてじゃ」
「戦争に使われたりするんじゃないかと思うと」
「おそらくそうなるじゃろ・・・じゃがこれも守るためなのじゃ」
校長はその後「さっそく本にしてこよう」と言って私を置いてどこかへ行ってしまった。




