不安だらけ
とある日、私は本を書いていると兄が部屋にやってきた。
「ニーナ、おはよう」
「おはようございます。お兄様」
「今日も本を作ってるのかい?」
「ええ、結構進みましたよ」
「そういえばお城からまた手紙が来てたよ」
兄は手紙を私の前に出した。
「準備が整ったのかしら」
「そうかもしれないね、さっそく読んでみたら?」
私は手紙を開けて読んでいった。中には準備はもう少しで終わる事やいつ頃婚約を発表するなど色々書かれていた。
「その顔は、とうとう行っちゃうんだね」
「もう少しで準備が終わるそうですのでそうなりますね。お父様とお母様に伝えないといけませんね」
「なあニーナ、王様に爵位の件無しにしてもらえないか聞いてくれないか?」
「いきなりどうしたんですか?」
兄は不安そうな顔をしていた。
「僕じゃあ、その、手が回らなくなりそうで・・・」
「大丈夫ですわ。お兄様ならやれます!」
「今でも手一杯なんだ」
「お父様もいらっしゃいますし、不安にならなくてもいいのではないでしょうか」
「ああ、その父上もいつまでやってくれるか分からないからね。それに爵位を上げる話は一度断ったって聞いているし僕にはやっぱり荷が重いよ」
「私だって、王族になるのです。頑張ってください!」
私は笑顔で兄の手を握って励ました。
本当は私は今でも不安・・・尊として、貴族として、そして女の子として、本を書いていたら少しは紛れると思っていたのに不意に不安が襲ってくる・・・
「公爵なんて・・・やっぱり」
「今までがおかしかったのです。この広い領地で爵位を上げずにいた事が・・・」
「それは父上の考えで」
「次はお兄様が決めて動く番です!」
兄は不安で潰れそうになっていた。
「お兄様・・・どうしても嫌ですか?」
「厳しいね」
「私お城に行ってやっていけると思いますか?」
「ニーナなら・・・あ・・・」
「私もお兄様に言いましたからおあいこですね」
私は笑顔のまま後ろに震える手をまわして兄を見ていた。
「私も頑張ります。お兄様も乗り越えてください」
「わ、分かったよ」
そして私は父と母に手紙を持って会いに行った。まずは父に手紙を見せた。
「そうか、もうすぐ居なくなるのだな。あの時は他人だと思ったが今では私達の娘だと実感するよ」
「色々ご迷惑をおかけしました」
「まったくだぞ!」
「そこは感動して泣く所ですよ!!」
そして次に母の元へと移動した。
「お母様・・・」
「来ちゃったわね、このままニーナの居る毎日を過ごせたらよかったのに」
「私もずっと居たかったです」
「ニーナ・・・もう少し、もう少しだけ一緒に居て?」
「ええ、すぐには行きませんわ」
母に抱き寄せられて額をくっつけ私はしばらく母と一緒に居た。




