古代魔法の使い手2
私は戦争で魔法が使われているという言葉を聞いて怖くなった。
「それは昔から変わらないわね・・・アルゴス、あなたも国に使われたわね?」
校長は少し暗い顔になった。
「うむ・・・わしも何度か出たぞ。戦争は」
「え・・・」
「言いたい話ではないがな」
私は驚いて言葉を失った。
「噂は聞いていたわ。強い魔法使いがテラゴニアを守っていると・・・」
「わしが出た戦争でも幾人か無くなったわい。見かねてわしが前に出て魔法を放ち幾人も葬った、戦争を終わらせるためにな」
「その結果、今の平和なテラゴニアがある訳よ・・・」
二人は暗い声でそれを語った。私はあんまり信じたくなくて思わず聞いた。
「戦争は避けられなかったのですか?」
「そればっかりは・・・無理じゃな。そしてこれからも起きるじゃろ」
「どうしてですか?」
「わしも長くない。もうすぐ隠居するつもりでもある。それを聞きつけ国の土地を取りに来る他国もいるじゃろう・・・じゃから恐らく近いうちにまた起きる。それがどんなに地形に恵まれた国だとしてもじゃ」
「そうなる前に見に来たのよ。私は・・・アルゴスあなたが間違った事をしたと思って自分を責めていないか見に来たの・・・取り越し苦労みたいだけど」
「そうじゃな、今となってはよかったのかもしれんと思えておるよ。お主は逃げたようじゃが」
「私は怖かったのよ・・・それにあの時はもう」
二人は気まずい雰囲気になった。
「それで今は国を挙げて私を戦力にしたいと思っていると・・・」
私の言葉にアンナは反応して震えていた。
「おそらくな・・・」
「アルゴス・・・何とかしてあげられないかしら」
校長は目を閉じて顔を横に振った。
「もう遅いのじゃよ・・・わしに勝ったあの日から目を付けられてしまっておった。わしがやれるのはこの学校に居る間だけでも好きな事をしてもらう事だけじゃよ」
凄く残念そうな顔にアルビーネはなっていた。
「ニーナさん、あなたは貴族ね・・・遅かれ早かれ気づかれてしまってたとは思うわ・・・」
「私が古代魔法を使っていたからですか?」
「いいえ・・・魔法を愛しすぎたからよ。詠唱魔法でも術式魔法でも愛しすぎればアルゴスの様に駆り出されるわ。そして迫られるの・・・生きるか死ぬかを」
私は後悔した・・・リアーネやタリアに教えてしまったことを
「他人に教えたことはあるかしら・・・」
「古代魔法を教えたのはここにいるアンナを含めて3人います・・・」
「あなたが後悔することは無いわ・・・選んだのはその人達だから」
「でも、アンナは!」
私がそう声を上げると冷静にアンナは一言答えた。
「いいえ、私が選びました」
そして続けて私の手を取って話した。
「私はニーナ様と居るために教わりました。後悔はしてません」
私は自分を心の中で責めて涙を流してしまった。
「きっと教えた子がこの話を聞いたとしても同じ反応をすると思うわ。心配しなくていいの、でもね、危険なのは変わりないから気を付けてね。特に古代魔法は今では珍しい魔法、狙われるのは見えてるから」
「そうじゃな、アルビーネが旅をするのはそれが原因じゃからな」
「では、私も旅を・・・」
「あなたは貴族よ?私のようにはいかないわ」
「そういえばお主は結婚からも逃げておったな」
校長が笑い出すとアルビーネは怒った。
「うるさい爺ね。髭を燃やすわよ!」
「おっとすまんすまん」




