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母の勘

俺は部屋で一人待っていると、ノックが聞こえたので返事をして扉の方に歩いて行った。ゆっくりとドアが開いた。そこには目つきの鋭い男の人がセバスと立っていた。


「おはよう、よく眠れたかね!私はこの領地を任されているエヴァン・クロフォードという者だ。」


愛想よく挨拶を済ませると部屋に入り話の本題に入っていく。


「それで君は尊君と呼べばいいかね?どうやらこの近くで倒れているのを見つけてこの部屋で休ませていたのだが体の方は大丈夫かね?」


「はい、体の方は問題ありません。エヴァンさんここは一体どこですか?」


「テラゴニア王国のクロフォード領だ。君はどこから来たのかね?」


「俺は日本という国に居たのは覚えてるのですが・・・この子の事は分かりません」


エヴァンは不思議そうに首を傾げセバスと顔を合わせた。


「セバス・・・ニホンという国の話は聞いて事あるかね」


「いえ・・・まったく存じておりません」


二人は唸りながら考えていた。そしてエヴァンはそのまま不思議そうにしながら話し始めた


「君とその子は別の人間ということかね?私はそのような状態の人を聞いたことがないのだが・・・なにか心当たりなど無いのかな?」


「まったく俺には分かりません。起きたらこの子になっていてこの場所に寝ていました」


「そうか・・・しかし、ずっとここに置いとく訳にもいかないし街へ行ってみて情報探すというのはどうだろうかしばらくの宿代はこちらで用意しよう」


セバスがそっとエヴァンに寄って話し始めた。


「よろしいのですか?そのような・・・」


エヴァンはセバスの発言を止め


「困ってるようだしそのくらいなら問題ないだろう、しかし、その恰好では街には行けないな・・・服も用意しよう」


寝巻のような恰好ではあるか・・・色々世話を掛けちゃったのかな?


俺はそう思いながら感謝することにした


「そんなに良くしてもらいありがとうございます。なにかお礼できればよかったのですが何も持ってなくて」


エヴァンは笑いながら


「それくらいここの領主なのだから当然のことですよ何か困ったことがあれば相談に乗りますよ。セバス、馬車の用意も忘れずにな」


そういうとエヴァンは部屋を去って行った。俺は頭を下げた。その後セバスも準備がありますのでと一言話して部屋の外へと歩いて行った。


俺はここまでしてもらえるとは思っておらず、少し怖く思えてしまった。


少し待っているとアンナが服を持ってやってきた。


「失礼します~服をお持ちしました、お着替えの方はお手伝いしましょうか?」


俺は女物がどんなものかも分からないましてや、スカートなんて履いたことは無かった。


「着方だけ教えてくれれば自分で着てみます・・・」


俺はアンナに教わりながら着た。多少着方が雑な以外は問題なく着ることができたと思う・・・アンナが少し苦笑いしてるのが気になるが・・・


アンナに少し雑な所を直してもらい髪を軽く直してもらった後二人で宿舎を出た。


外へ出ると大きな庭の中にある建物の一つだったんだなと分かった。隣には大きな屋敷がありこっちがエヴァンさん達が住んでる所なのかな・・・庭は広く門まではそれなりに時間が掛かった。


アンナと二人で門まで着くと馬車が止まっておりセバスも待っていた。


「では、参りますか尊さま」


アンナにお礼を言って馬車に乗ろうとした時に声が聞こえてきた。


「そこの馬車待ちなさい!」


女の人の声が聞こえてきた。セバスはどことなく厳しい顔に変わっていた。


「その子を連れてどこに行くつもりですか?外に出るなど話は聞いておりませんが」


早足で寄ってきてそういうとセバスに問い詰めた。


「奥様落ち着いてください・・・私は旦那様に言われてこの方を街へと」


女の人は俺に手を伸ばし馬車から降ろし顔を見てきた。


「この方ってうちの子じゃないの!街にとはどういうことですか!」


すごい剣幕で迫ってるな・・・でも、うちの子ってこの子もしかしてこの家の子だったのか?


優しい顔をした女の人がこちらを見て心配そうに話しだした


「どこに行くところだったのかな?教えてくれる?」


俺はとりあえず冷や汗を流しながら元に戻る方法を探しに街へ行くことを伝えた。


少し間があったが女の人が笑い始めた


「面白い物語を考えたのね!そんなに街に行きたかったの?」


物語じゃないんだけどなぁ・・・信じてないなこの人・・・普通ではあるんだけど、どう説明するかな~セバスさんも説明してくれるつもりは無いだろうなぁ。あ、凄い汗出てるなセバスさん・・・


「じゃあ私も一緒に街に行こうかしら、い・い・わ・よ・ね!セバス」


もう止まらないとわかったようでセバスも諦めた表情で返事をしていた。


馬車に乗り俺はこの女の人と二人きりになった。


「ねぇ・・・さっきの話はどこまでが本当の事なの?」


女の人がニコニコしながら話してきた。


「嘘は言っていませんよ?この子の事は本当に知らないし俺はこの子じゃないですよ」


女の人は俺をジーっと眺めてきたので、俺はすごく緊張し固まっていた。女の人は少し笑いながら


「そうね、いつものニーナならこんな反応はしないものね」


どうやら信じてもらえた?って今サラッと名前のようなものでなかった?この子の名前ってニーナっていうのか?人違いとかじゃないよね・・・


恐々と俺は女の人に聞いてみた。


「この子の名前はニーナというのですか?人違いとかじゃないですか?」


女の人はこちらを見て笑いながら


「自分の娘が分からなくなる程薄情じゃないわ、あなたは正真正銘私の子供よ」


そういって俺は抱き寄せられた。


根拠も何もないのになんで言い切れるだろ・・・でもすごく温かいなこんなのいつ以来だろうな。


「あの・・・あなたの名前はなんて言うのですか?」


女の人は笑いながら


「私はイリーナよ、街に付いたら病院で診てもらいましょうか」


そんな話を続けながら街に着いた。

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