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タリアは見た

私はしばらく泥人形とにらめっこをしながら唸っていた。


ん~、動かすには魔力よね。どうしたらいいのかしら。


魔力を単に流してみたが何も起こらない。持ち上げようとしても地面にくっついている。自分にやっていたように魔力を纏わせても意味がない。


作ったのはいいけど困ったわね。


「あなたにも彫刻なんて趣味を持っていたなんて驚きましたわ」


私はその声にすごく嫌そうな顔をして振り返ってしまった。


「な・・・なんですのその顔は」


「あ、いえ・・・なんでもございませんわ」


タリアが珍しく一人で見に来ていた。私は皮肉の様に話した。


「あら、今日はお一人かしら」


「ええ、みなさん先生に見てもらう魔法の研究で忙しいみたいですわ」


「タリア様はよろしいのですか?」


タリアは余裕そうな顔をして高笑いしていた。


「あら、わたくしを誰だと思ってるのかしら?」


「タリア・スレンジャー様ですよね?」


タリアは少しこけた。


「あなた、わたくしを馬鹿にしてるのかしら・・・」


私は愛想笑いをして誤魔化した。


「いやですわ、冗談ですよ」


「まったく、平民みたいなことしますわね・・・あなたは」


「それで、わたくしに何か御用でも?」


「そうね・・・あなたの魔法少し他の人と違う気がして気になっちゃったの」


いつから見てたのかしら・・・


「そんなことありませんわ。みなさまと同じですわ」


「じゃあ見せて頂戴、あなたの魔法」


私はいつも使っていた火の玉を飛ばす魔法を詠唱して見せた。


「これでいいかしら?」


「やっぱりあなた、わたくしを馬鹿にしてるでしょ・・・」


タリアがどんどんと睨みながら近づいて来た。


漫画とかでよくあるやつなら・・・叩かれる!


私は目をつぶった。


「何をしているの・・・」


「え?」


「何をしているのかと聞いているのよ」


目を開けると目の前までタリアは移動していた。


「いや・・・叩かれるかと・・・」


「なんで・・・そんなことしないといけないのよ。あなたの本当の魔法を見たいのよ!」


「これもわたくしの魔法ですよ?」


「隠すつもりかしら・・・詠唱も術式もなく打ち上げていた魔法の事も・・・」


「見ていらしたの!?」


「いや・・・あんなに目立つのにむしろ見てない方がおかしいわよ?」


私は魔法を研究しているときは集中しすぎているようで周りは見えていなかったみたいだわ・・・


「それで、どうしてあなたは詠唱も術式も無く打てたのかしら」


「え~っとそれは~」


「それは~」


「術式を隠し持ってたから~とか・・・」


「やっぱり叩こうかしら・・・」


私はすごく焦った表情をして顔をかばった。


「本当に打ち上げる魔法は術式がありますのよ!」


「はぁ・・・わかったわ。教える気がないのね」


タリアは後ろを向き少し歩いた。


「ねえ・・・そのお人形はどうやって作ったのかしら・・・」


「あ・・・」


私は逃げられそうになかった。



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