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無貌の衆  作者: 彼岸花虚実
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16/201

空 UPSIDE DOWN

これは、詩と言うより、詞です。

「愛が恐い」と言った君は、本当は愛が恐いんじゃなくて。

憎しみへと変わってしまうのを、心から恐れたんだろう。

「恋が恐い」と言った君は、本当は恋が恐いんじゃなくて。

悲しみを生んでしまうのを、心から恐れたんだろう。


何となく一緒にいる二人は、いつまで続くのだろう。

愛は恋から、恋は友情から生まれるなんて。

その先も、他の分岐も無いと、言えはしないのに。


万物流動。

心だってそうだろ。

強く感じるものは、いつか感じなくなって。

その温もりすら、忘れていく。

でも僕らは、繰り返してしまうんだろう。

失う痛みすら、忘れてしまうから。


「いつまでも一緒にいるよ」なんて、どうして言えるのだろう。

「何があっても、君を独りにはしない」なんて。

失うと知っていれば、悲しみは小さいのに。


諸行無常。

気持ちだってそうだろ。

強く欲したものは、いつか要らなくなって。

その優しさすら、忘れていく。

でも僕らは、繰り返してしまうんだろう。

心にあいた穴は、心でしか埋まらないから。


こんな紛いもの、本当の姿じゃないって。

そう信じてた君は、もう変わってしまったのか?

誰も、何も教えてはくれない。

何も掴めないほど、心が凍える前に、手を伸べて。


万物流動。

本当にそうか?

「愛が恐い」と言った、君は知ってるはず。

その偽物の中には、本物もあるって。

だから君は、繰り返すのだろう。

いつか必ず、真実の愛に、手が届くから。


自分の心まで、疑い、変えてしまわないで。

いつか必ず、手は届くから。

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