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遅咲き王子のお隣に  作者: 白澤 五月
第二章 溺愛陛下と仮王妃
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64/77

07 夢と純粋

― ― ― ― ― ― ― ― ―

どこか頭がほわほわする。

それに視界は白くて優しい感じ。

心が温かくなるような声が聞こえる。


(……ここどこだろ)


「クレア!」


「!ルイス王子!」


目の前に現れたのは小さな瞳の大きなルイス王子。

青いうるうるとした瞳がなんとも言えず、可愛らしい。

こんなに可愛い感じだったっけと疑問も生じるが気にしない。

確か王子はこんな感じだ。


「どうしたんですか?」


「クレア、僕ずっと寂しかったんだ」


上目遣いでこちらを見上げる王子が可愛くて

仕方がない。それにクールで無愛想だし、いつもは素直じゃ

ないことが多い王子がそんなことを言うなんて。

感動に思わず目が潤むが、軽く拭う。


「……そうなんですか、私もですよ」


懐かしい雰囲気に思わずぎゅっと抱きしめる。

この5年間寂しかったのはこっちである。

そんな思いを込めてぎゅーっと抱きしめると

ぼわんっと音がなり、煙がルイスを包んだ。


「わっ!?大丈夫ですか、ルイス王子……!」


すると美しくも大きな手がクレアの滑らか頬を包んだ。

煙から現れたのは小さくて可愛いルイスではなくて、

大きくなってかっこよくなったルイスで。

クレアは声にならない悲鳴をあげると共に

頬が熱くなっていく。


「……クレア、近くにおいで。ほら……」


耳元で呟いたその言葉に頭が沸騰すると、

や、や、や、……と同じ言葉を繰り返す。

その様子にくすっと笑う彼の顔はやはり麗しい。

そして微かに香る甘い香りがまたもや

クレアの意識を遠ざけて……。


― ― ― ― ― ― ― ― ―


「やーー!!もう無理ですって!!」


ガバッと起き上がると視界がぼやける。

しかし、身体中はほてっている。

はぁはぁと荒く息をすると視線を感じる。


「……クレア、大丈夫?」


ぼやけていた視界が定まってくるとそこには

呆気にとられたような顔をしたアンナがいた。

あきらかにさっきの言葉を聞いていただろう、

罰の悪そうな雰囲気にクレアは穴に入りたくなった。


「だっ!大丈夫じゃない……」


かあっと耳も顔も熱くなるのがわかるとさらに

恥ずかしくなる。

まさか夢であんなことが起きるなんて、と顔をおおう。


(……もう、私ルイス王子のこと意識しすぎでしょ……!!

恥ずかしい!

穴でも箱でもいいからどこかに入りたいぃ……!!)


恥ずかしさに顔を下に向けていると

2人は何かを悟ったのか背中をさすってくれる。

それがまたいたたまれないのだが。


「……クレア、脳内では何をしても大丈夫よ。

例え誰の寝込みを襲おうとも、ね」


「いや、ちょ、ちょっと待って。

アンナの思うようなことにはなってない!絶対!!」


「……というのは冗談よ。

少しからかいたくなっちゃって、てへ」


それに冗談にしては悪質すぎるため、クレアは睨んだ。

アンナの後ろから差し込む光が眩しくて

さらに凶悪な目付きである。


「って私なんでこんなとこで寝てるの……?

それにもう朝?」


「あぁ、それはね広間で倒れたクレアを

ルイス陛下がここまで運んできてくれたのよ」


「…………え」


「広間で妃として名前を呼ばれて

パニックになったクレアが途中で倒れたのを運んできてもらって

私が介抱したのよ」


⭐ ★ ⭐


説明される昨夜の状況にまたもやぼっと顔が赤くなる。

……とてつもなく恥ずかしい。ここ20年以上生きてきて

一番恥ずかしいかもしれない。


「……そ、それはすみません」


「いいわよ。それにしても

何とも言えないほど麗しいわね!あんたのだ・ん・な・さ・ま!聞いたわよ、あそこでプロポーズしたんだってねぇ……?」


ぐっと親指をたてたアンナはうきうきとした様子で

こちらを見つめる。やはりルイスの容姿は誰がみても

そう思えるもののようだ。


「ルイス王子の成長ぶりにはほんと目が飛びでるかと思ったわ!

あんなに素敵になると絶句するわよねぇ」


意外にも好評価のアンナの意見に少し驚きつつも、

素敵というワードに心が沈む。


「……そうなの。私の知ってる王子じゃなくて困ってるの」


「あら、そう?

クレアが一緒に過ごしたルイス王子でしょ?」


「そうなんだけど……」


「だけど……?」


「なんか、大人っぽくなったっていうか、

急に男の人になっちゃって対応できないっていうか……」


うろうろと床に視線をさまよわせる。


「あーそっか、クレアは男慣れしてないもんね」


「なっ!アンナも似たかよったりでしょ!」


「まぁね、でもそれじゃあ頑張って5年も旅にでて、

帰って来たルイス王子には可愛そうよ。

仲良くしてたのに冷たくされたりするのは、ね」


「……うん」


「だったら仮の妃っていうのを活用して

いつも通りに対応してやればいいのよ」


「そっか……そうしてみる!」


(まぁ、うまくいくとは思ってないけどね)


アンナの心の声などクレアに届くことはなく、

純粋な彼女はどこか自信満々である。

そんな簡単でポジティブな彼女にアンナは微笑んだ。


「あー、それとシェフのジェームスさんが

置き手紙してたわね。……ほらこれ」


手渡された手紙はフリルやリボンがごてごてについた

お姫様をイメージしたであろう甘々デザインである。

ピンクをメインにキラキラのラインストーンまでついていて

数枚の手紙さえ、そこそこ重さがある。


(うげぇ……)


ぎぎぎ……顔を上げてとアンナの方を見るも、私は知らないとでも

言うようにそっぽを向いている。

こんな手紙は恐ろしくて開こうにも勇気がいるのだが。

クレアはデコデコな手紙の無意味なリボンをほどくと、

恐る恐る手紙に目を通した。


⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐


どうも、作者の白澤五月です!

不定期更新申し訳ないです!


続きがうまく書けないので今週は更新お休みします……!

来週から引き継ぎよろしくお願いいたします!


今週別の作品を投稿するかもしれませんがそれも

どうぞよろしくお願いいたします!


応援してくれている方々ありがとうございます!!

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