七
朝日が降り注ぎ、清浄な冷気が肌を刺す。
狩衣に板金の鎧姿のスメロキが、参道に立つ。黒地に金の装飾の入った
軽装の鎧は美しく厳かなかたちで、その若く強靭な身体をぴったりと包む。
背後には同様の配色の装備で身を固めたイハノビトの若者達。
やがてその一団と道を分ける様にして、灰色の毛皮と黒と紺の革鎧に身を包んだ戦士団が現れる。先頭はマカミが率い、様々な武具の者で構成され、足音すら立てない佇まいとその眼差しは歴戦の集団であることがわかる。
精鋭、十名のタケオビトであった。
配下の人々は膝を着き、頭を下げる。スメロキとマカミは互いに礼を交わした。
最後に参道に現れたのは銀の骨格の鎧に身を包んだスバルと、その背後に影のように付き従う三名、さらに弥者の兵団であった。みな濃緑の胴丸に太刀を佩き、短槍を用いている。
三名の将軍と五十五名の弥者達は一糸乱れぬ様子で歩みだす。
タカマノミヤの丁度山腹を挟んで裏手に、石柱で囲まれた石舞台がある。
戦姿の弥者達はそこに一同に参集した。
漆黒の影が凝縮したような狩衣姿のキリヒトと、銀の美しい文様の衣を纏ったアシタノトラが並び立つ。
「ゆめゆめ、アメノミカドの刻を見誤らぬようにしてください。」
キリヒトの言葉にミコト達は頷く。
「スメロキ、連絡は密にな。」
アシタノトラの厳しい表情に、スメロキは微笑んだ。
「大丈夫です。御師さま。」
スメロキの手を握る大きな掌が気持ち震えている。
「決して激昂せず、いついかなる時も我主を待つ者を心に置きなさい。」
「はい、御師さま。」
スメロキの真直ぐな瞳を見つめ、アシタノトラは頷いて背を向けた。
キリヒトは黒漆に金の装飾の雅な手鏡を持っている。
最後の言葉をマカミと交わし終えると、それを頭上に差しあげた。
陽の差す石舞台と弥者達のまわりに、光の結集した粒子が発生しはじめる。
膨れ上がる戦意が燃えたつような弥者の戦士を、鮮烈な光が包む。
やがて結集した光はある物をゆっくりと形作っていった。
諸王 了




