第37話「増える保存」
朝。
森拠点。
コウはゆっくり目を開ける。
焚火跡。
まだ少し熱が残っていた。
横では、
リリアも起き始めている。
「おはようございます」
「ああ」
外は少し冷えていた。
朝靄。
森の湿った空気。
以前より、
かなり物が増えた拠点を見回す。
吊るせる君。
竹束。
木箱。
干し中の薬草。
葉干し。
少し前とは、
かなり景色が変わっていた。
その横。
子犬が小さく丸くなって寝ている。
耳だけ少し動いた。
「……起きてますね」
「ああ」
コウは壺を確認する。
普通干し肉。
山椒干し肉。
塩干し肉。
漬け魚。
かなり保存量も増えていた。
「……今日は魚全部漬けるか」
最近は魚がかなり安定している。
保存へ回した方がいい。
コウはリリアを見る。
「今日は魚全部漬ける。
入ってたら全部持ってこい」
「あ、はい」
「あと朝は、
今後も基本これで行く」
リリアが少し首を傾げる。
「これ、ですか?」
「魚側はお前。
俺は肉側やる」
最近はもう、
一緒に回るより効率が良かった。
魚。
生簀。
漬け魚。
葉洗い。
薬草。
リリア側の仕事がかなり増えている。
一方で。
コウ側も、
動物罠。
解体。
干し肉。
竹加工。
薪。
やる事が増えていた。
「その方が早い」
「……分かりました」
リリアは頷く。
そのまま水桶を持つ。
最近は葉洗いにも魚にも、
色々使っていた。
「じゃあ行ってきます」
「ああ」
リリアが歩き始める。
すると。
子犬もふらふら付いていこうとした。
「あ、だめですよ」
リリアがしゃがむ。
子犬は小さく鳴く。
「キャン」
「今日は危ないので留守番です」
頭を軽く撫でる。
子犬は少し不満そうだったが、
その場へ座った。
一方。
コウは森側へ向かった。
葉を掻き分ける。
朝露。
少し湿った地面。
動物罠確認。
「……お」
動いていた。
ウサギ2匹。
しっかり掛かっている。
「今日は当たりか」
そのまま回収。
一方。
リリア側。
魚罠確認。
2個とも入っていた。
「また入ってますね……」
魚2匹。
かなり安定している。
リリアは魚を回収。
水桶へ入れる。
古い魚罠を外す。
予備と交換。
最近はこの流れもかなり慣れていた。
その後。
池側へ向かう。
簡易生簀。
竹で囲った水場。
中では魚がゆっくり動いていた。
「……結構増えましたね」
リリアは生簀魚6を回収。
水桶へ入れる。
魚罠2。
生簀魚6。
合計8匹。
かなり多い。
以前なら、
数日分だった。
だが今は違う。
保存へ回せる。
それが出来るようになっていた。
その頃。
コウも拠点へ戻る。
ウサギ2匹を地面へ置く。
少しして、
リリアも水桶を抱えて戻ってきた。
「8匹です」
「ああ。
今日は一気にやる」
その時。
子犬がリリアの足元へ走ってくる。
かなり嬉しそうだった。
「キャン」
「はいはい」
リリアが少し笑う。
自然に頭を撫でる。
その様子を見ながら、
コウはすぐ解体へ入った。
毛皮。
肉。
骨。
慣れた手順だった。
以前よりかなり速い。
2匹分。
全部解体。
その後。
肉を細く切る。
普通干し肉用だった。
吊るせる君へ掛けていく。
1本。
2本。
3本。
かなり量が増えていた。
「……増えましたね」
「ああ」
普通干し肉(加工中)10。
以前より、
かなり加工量が増えている。
コウは端へ置いてあった竹皿を取る。
普通干し肉を少し切る。
0.5。
子犬用だった。
竹皿へ置く。
さらに別の竹皿へもう0.5。
その匂いに反応して、
子犬が近付いてくる。
「まだだ」
コウが軽く押し戻す。
子犬は少しだけ不満そうに座った。
リリアが少し笑う。
「ちゃんと分かってますね」
「ああ。
最近かなり覚えてきた」
その間。
リリア側も作業を始める。
壺を開く。
漬け魚。
昨日まで漬けていた魚6匹分。
「これ一回出しますね」
「ああ」
リリアは古い漬け魚を一旦取り出す。
葉を敷いた木皿へ並べる。
その横へ、
子犬が近付いてくる。
匂いを嗅ぐ。
「だめですよ。
これはまだです」
リリアが軽く押し戻す。
子犬は少しだけ不満そうに座った。
その後。
新しい魚8匹を下へ入れる。
粉塩を擦り込む。
1匹ずつ。
かなり慣れた手付きだった。
その上へ、
古い漬け魚を戻す。
保存順管理。
最近は自然にやるようになっていた。
「……結構増えますね」
「ああ」
漬け魚(加工中)14。
壺の中もかなり埋まり始めていた。
リリアはそこで少し止まる。
「……あ」
「どうした」
「粉塩、
かなり使います」
魚8匹。
頭の中で必要量を計算する。
「32ですね」
「ああ。
減るな」
粉塩壺。
かなり軽くなっていた。
リリアは中壺を見る。
「塩、
粉にしますね」
「ああ」
リリアは塩を取り出す。
20。
塩用すり鉢へ入れる。
ごり、ごり。
乾いた音。
最近はこの作業もかなり増えていた。
その間。
子犬はその横へ座っていた。
時々、
すり鉢の動きを見上げている。
「気になりますか?」
リリアが少し笑う。
子犬は小さく尻尾を振った。
少しして。
粉塩完成。
壺へ移す。
「これで大丈夫です」
「ああ」
魚保存を始めてから、
塩消費がかなり増えていた。
だが。
その分、
保存量も増えている。
以前とは違った。
その後。
リリアは採取袋を持つ。
「採ってきます」
「ああ。
葉っぱも頼む」
「はい」
そのまま森へ向かう。
すると。
また子犬が付いてこようとした。
「あ、今日は留守番です」
リリアがしゃがむ。
子犬はその場で止まる。
「結構動きますからね」
頭を軽く撫でる。
子犬はそのまま座り込む。
まだ完全には分かっていないが、
少しずつ覚え始めていた。
コウはその様子を見ながら、
竹を割る。
「完全にお前側だな」
「最近かなり来ますね」
「ああ」
もう完全に懐いていた。
一方。
リリアは森へ入る。
山椒10。
薬草10。
クルム葉多数。
最近はかなり場所も分かってきていた。
「……この辺ほんと増えましたね」
以前より、
かなり安定して採れている。
戻る頃には、
葉用カバンもかなり膨らんでいた。
一方。
その間。
コウ側。
竹を割る。
細く。
均等に。
最近はかなり慣れていた。
横には新しい動物罠。
既に1個完成している。
「あと1個だな」
竹を曲げる。
紐で固定。
引っ掛け部分確認。
以前よりかなり速い。
少しして。
動物罠5個目も完成する。
「……これでだいぶ回るか」
その後。
今度は薪作り。
枝材を割る。
長丸太も割る。
乾いた音が森へ響く。
さらに細竹を削る。
網用だった。
魚。
生簀。
漬け魚。
最近は魚側がかなり増えている。
「必要になるな……」
以前より、
明らかに加工側へ寄り始めていた。
しばらくして。
リリアが戻ってくる。
葉用カバン。
採取袋。
かなり膨らんでいた。
「結構採れました」
「ああ」
山椒10。
薬草10。
クルム葉多数。
最近はかなり安定している。
リリアはまず水桶へ水を入れる。
その後。
クルム葉を洗い始めた。
ぱしゃ、ぱしゃ。
葉を丁寧に洗う。
泥。
細かい汚れ。
最近はかなり慣れていた。
その横では、
子犬が後ろを付いて回っている。
「……今日は結構動きますね」
リリアが少し笑う。
子犬は小さく尻尾を振る。
まだ足取りは少し危なっかしい。
だが。
昨日よりかなり動けるようになっていた。
洗い終えた葉を広げる。
干し場所。
吊るし縄。
最近は葉を干す量もかなり増えている。
その時。
子犬が葉っぱへ前足を乗せようとした。
「あ、だめです」
リリアが軽く抱き上げる。
子犬は小さく鳴いた。
「キャン」
「これは干すやつです」
そのまま少し離れた場所へ下ろす。
子犬はしばらく葉っぱを見ていたが、
その後は大人しく座った。
その様子を見ながら、
コウが少し笑う。
「ちゃんと邪魔するな」
「結構来ますね」
「ああ。
元気になってきた」
かなり動くようになっている。
その後。
薬草10も分ける。
束にする。
紐で軽く縛る。
吊るす。
「……これも増えましたね」
「ああ」
薬草。
葉。
魚。
干し肉。
最近は干す物自体がかなり増えていた。
一方。
コウ側。
細竹を並べる。
長さ確認。
しなり確認。
魚用網の骨組みだった。
「それ、
竹網のやつですか?」
「ああ」
コウは頷く。
「魚増えてきたからな」
今までは、
魚罠と生簀だけでも回っていた。
だが。
量が増えてきた。
今後は加工側も強化しないと回らない。
「最近ほんと増えてますもんね」
「ああ。
今でも結構入ってる」
魚罠2。
生簀。
漬け魚。
既にかなり増え始めていた。
コウはさらに竹を削る。
細く。
均等に。
最近はかなり慣れてきている。
その頃。
子犬がコウ側へ近付く。
竹の匂いを嗅ぐ。
「キャン」
「危ねぇぞ」
コウは苦笑しながら、
軽く押し戻す。
子犬は少し首を傾げる。
その様子を見て、
リリアが少し笑う。
「だいぶ元気ですね」
「ああ。
かなり戻った」
以前みたいな弱々しさは、
かなり減ってきていた。
その後。
夕方前。
リリアは残していた竹皿を取る。
普通干し肉0.5。
朝に分けておいた分だった。
「はい」
子犬の前へ置く。
子犬はすぐ食べ始める。
かなり勢いがあった。
「ほんと食べますね」
「ああ」
食べる力がある。
それだけでもかなり違った。
食べ終わると、
子犬はそのまま火の近くへ移動する。
最近は暖かい場所も覚え始めていた。
「そこ好きですね」
「ああ。
よく居る」
そのまま丸くなる。
だが。
少しするとまた起きる。
今度はリリア側へ歩いていった。
「……忙しいですね」
リリアが少し笑う。
子犬はそのまま足元へ座る。
かなり落ち着いていた。
その後。
リリアは夕食準備へ入る。
今日は簡単だった。
普通干し肉。
粉塩。
山椒粉。
唐辛子粉。
最近は加工品もかなり安定している。
火を起こす。
鍋は使わない。
今日は軽めだった。
その横。
子犬は火の近くで丸くなっている。
時々耳だけ動く。
少しして。
夕食。
コウは普通干し肉2。
粉塩1。
唐辛子粉1。
リリアは普通干し肉2。
粉塩1。
山椒粉1。
最近はこういう食事もかなり増えていた。
「……塩だけでも結構違いますね」
「ああ」
粉化してから、
かなり使いやすくなっている。
量も減らしやすい。
その後。
食事終了。
コウは壺を見る。
粉塩。
かなり減っていた。
「……魚始めると、
一気に減るな」
リリアも壺を見る。
「でも保存かなり増えました」
「ああ」
漬け魚14。
かなり量が増えていた。
以前なら、
ここまで保存は出来なかった。
コウはしばらく壺を見る。
その後。
「塩漬け魚は一旦ここまでだな」
「はい」
「明日は魚そのまま生簀に残しといてくれ」
リリアが頷く。
「また貯める」
「あ、はい」
最近は、
保存量自体を調整するようになっていた。
以前みたいに、
獲れたらすぐ食べる訳ではない。
かなり変わってきている。
その後。
コウは昼に切っておいた竹を見る。
「葉っぱ干した後は、
竹細工の続きやっといてくれ」
「竹網のやつですね」
「ああ」
魚。
生簀。
加工。
全部少しずつ増えている。
「魚増えてきたから必要になる」
リリアも竹を見る。
「……かなり増えそうですね」
「ああ」
火の音。
森の夜。
以前より、
かなり物が増えた拠点。
その横では、
子犬が火の近くで小さく丸くなっていた。
時々尻尾だけ少し動く。
明日の作業予定を確認しながら、
静かに夜が更けていった。
PL(第37話終了時)
通常収支
項目増減
開始63ルク
支出0ルク
終了63ルク
BL(資産表)
武器
主人公携帯
* 鉄ナイフ×1
リリア携帯
* 鉄ナイフ×1
森拠点保管
* 剣×1
* 木槍×1
道具
主人公携帯
* 革手袋×1
* 水筒×1
* ルク袋×1
リリア携帯
* 革手袋×1
* 葉用カバン×1
* 採取袋×1
* 水筒×1
* 革靴×1
森拠点保管
* ナタ×1
* 斧×1
* ショベル×1
* ツルハシ×1
* ロープ×2
* 紐×10
馬用品・運搬
森拠点配置
* リアカー×1
* 一輪車×1
グレン工房預かり
* ルナ×1
リアカー常備
* 木箱(大)×1
* 木箱(小)×1
* 水袋(小)×2
* 水桶(大)×2
* ブラシ×1
* 蹄掃除具×1
* 飼葉枡×1
* ロープ×1
リアカー本体固定
* 縄×2
フリー縄
* 縄×3
吊るし構成
* 吊るせる君×4組
* 柱×8
* 細縄×4
魚関連
魚罠
* 設置中×2
* 回収中×2
* 予備×1
簡易生簀
* 魚×0
食料
完成品
* 普通干し肉×6
* 山椒干し肉×6(包装済)
* 塩干し肉×1(包装済)
加工中
* 普通干し肉(加工中)×10
* 漬け魚(加工中)×14
素材・薬品
森拠点保管
* 薬草×57
* 山椒×45
* 唐辛子×0
葉管理
* クルム葉 多数
粉類
* 山椒粉×24(山椒壺)
* 唐辛子粉×33(唐辛子壺)
* 粉塩×31(塩壺A)
塩保管
* 塩×20(中壺)
* 塩壺A×1
* 塩壺B×1
* 中壺×1
* 小壺×1(予備)
すり鉢
* 山椒用×1
* 唐辛子用×1
* 塩用×1
* 小型すり鉢×1(予備)
容器・収納
森拠点保管
* 木箱(大)×1
* 木箱(小)×1
木材保管
* 長丸太×6(乾燥中)
* 薪 多数
* 枝材 多数
* 細枝 多数
* 竹 多数
* 網用細竹 作成中
布・寝具
森拠点保管
* 厚手の布×2
* 干し草×2
* 簡易ベッド×2
* 棚×1
* 鉄板×1
* 中鍋×1
* 古い大鍋×1
* 小鍋×2
* 竹食器2人分
* 犬用竹皿×1
* 子犬用寝床×1
設置・稼働
* 動物罠×5(設置中)
* 簡易生簀×1(稼働中)
通貨
* 63ルク
同行・管理対象
* リリア×1
* ルナ×1(グレン工房預かり)
* 子犬×1(保護中)




