第36話「増える役割」
朝。
森拠点。
コウはゆっくり目を開ける。
外は少し冷えていた。
焚火跡。
灰。
火種確認。
その横では、
リリアも起き始めている。
「おはようございます」
「ああ」
まずはいつもの日課だった。
池側。
生簀確認。
魚は問題無し。
そのまま川側へ向かう。
魚罠確認。
2個とも入っていた。
「……入ってるな」
魚2匹。
昨日と同じくらいだった。
「生簀戻しですね」
「ああ」
魚は回収。
そのまま生簀へ戻す。
これで生簀内は4匹。
かなり回り始めていた。
次は動物罠。
こちらは空だった。
「今日は外れか」
「昨日当たりでしたしね」
リリアも頷く。
拠点へ戻る。
干し肉確認。
壺の中では、
漬け魚も少しずつ進んでいた。
その後。
コウは採取へ向かう。
「葉っぱと山椒取ってくる」
「はい。
犬の方見てます」
子犬はまだ寝ていた。
丸くなって、
かなり安心している。
コウは森へ入る。
山椒10。
薬草10。
葉っぱは大量。
最近はかなり場所も分かってきていた。
「この辺ほんと増えたな……」
前よりかなり安定して採れている。
戻る頃には、
背負いカバンもかなり膨らんでいた。
拠点へ戻る。
リリアは子犬の横へ座っていた。
時々撫でている。
「葉っぱ頼む。
薬草も分けといてくれ」
「はい」
葉っぱ洗い。
葉干し。
薬草整理。
かなり慣れた動きだった。
コウは今度はナタを持つ。
「次は竹だな」
「またお出かけですか?」
「ああ。
魚罠と生簀でかなり減る」
最近は消費が早かった。
「そのうちもっと要る」
魚。
加工。
生簀。
今後さらに増える。
竹はいくらあっても足りなかった。
そのまま再び森へ向かう。
竹を切る。
必要な分だけ回収。
太め。
細め。
魚罠用。
生簀補強用。
使う場所で分けていた。
「前より使い分けてますね」
リリアが少し感心したように言う。
「ああ。
太さ違うと結構変わる」
魚罠側は、
しなる方がいい。
逆に生簀側は、
ある程度硬さが欲しい。
最近はその辺も少しずつ分かってきていた。
「こういうのも慣れですね」
「まあな」
戻る頃には、
竹もかなり増えていた。
拠点横へまとめて置く。
「キャン」
子犬が鳴く。
かなり元気になっている。
リリアが少し笑った。
「だいぶ動けるようになりましたね」
「ああ。
昨日より全然いい」
子犬は少し尻尾を振る。
まだ小さい。
だが、
かなり目に力が戻ってきていた。
その後。
昼過ぎ。
コウ達は村へ向かう。
今日は徒歩。
リアカーは置いていく。
荷物もほとんど持たない。
コウが腰に下げているのは、
いつもの鉄ナイフくらいだった。
リリアは子犬を抱えている。
かなり懐いていた。
まず向かったのは、
グレン工房だった。
だが。
リアカーが1台無い。
ルナも居ない。
工房内には、
グレンだけだった。
「おう」
「ルナは?」
「ノイルとエミルが連れてった」
グレンは苦笑する。
「初仕事だ」
「仕事?」
「ああ。
輸送だ輸送」
グレンは木材を削りながら続ける。
「もう最近、
村中あっちこっちで依頼増えてきとる」
「そんな回ってんのか?」
「ああ。
レンタルも増えたし、
輸送依頼も増えた」
かなり忙しそうだった。
「買い取り決まったやつもある」
「最近ほんと回り始めたな」
「ああ。
今かなり馬が町と往復しとる」
以前より、
明らかに移動量が増えていた。
「もうリアカー足りん」
グレンはかなり本気だった。
「木だけありゃ作れる訳でもねぇし、
馬もすぐ増えんからな」
かなり現実的な問題だった。
リリアは少し驚いていた。
「そこまで増えてるんですね……」
「最近は木工より、
そっちの段取りの方が増えた」
グレンは少し苦笑する。
「まあ、
リアカー作るのは変わらんがな」
コウは少し周囲を見る。
「ロイドは?」
「今なら家だな」
グレンは村奥側を指差す。
「広場抜けた先。
木箱積んである家だ」
「ああ、あそこか」
「最近あいつ、
ずっと誰が何運ぶかまとめとる」
「そんな忙しいのか」
「ああ。
詳しい事聞くなら、
あいつのとこ行け」
その後。
グレンは横の木材を指差した。
「あとこれ持ってけ」
細長い木材。
4本。
吊るし用の柱材だった。
「余りだが、
まだ使える」
「助かる」
コウは木材を受け取る。
これで柱材は足りそうだった。
その後。
コウ達はロイドの家へ向かう。
広場を抜ける。
木箱。
袋。
交換予定品。
かなり荷物が積まれていた。
「……多いな」
コウが少し目を細める。
人も多い。
リアカーを借りに来た者。
荷物を預けに来た者。
かなり出入りしていた。
村奥側。
木箱が大量に積まれている家。
そこがロイドの家だった。
「これ次いつ出る!?」
「順番だ順番!」
ロイドが叫んでいる。
かなり忙しそうだった。
少しして、
ようやく人が散る。
「……疲れた」
「大変そうだな」
「お前のせいだ」
「なんでだよ」
「リアカー流行らせたのお前だろ」
ロイドは苦笑する。
「レンタルも増えた。
輸送依頼も増えた。
買い取り決まったやつもおる」
かなり回っていた。
「ああ、
グレンもそんな事言っとったな」
「最近ほんと一気に増えたんだよ」
ロイドは大きく息を吐く。
「最近、
エミルも外ばっかだしな」
「ノイルは?」
「あいつは輸送側だ。
結構向いてる」
ロイドは周囲の荷物を見る。
「今もう、
誰が何運ぶか整理するだけで大変なんだよ」
木箱。
袋。
交換予定品。
家の周囲には、
かなり物が増えていた。
「村ん中だけじゃなくて、
町側まで回り始めてるからな」
以前より、
明らかに規模が大きくなっていた。
「たまにはお前も運べよ」
「俺か?」
「ああ。
どうせ町行くだろ」
コウは少し苦笑する。
「まあ行くな」
「お前の場合、
馬もリアカーも自前だから、
かなり助かるんだわ」
ロイドはかなり本気だった。
その後。
コウはようやく本題を聞く。
「……で、
最近狩り行っとるやつおるか?」
「居るには居る」
ロイドは頷く。
「でも本業じゃねぇな。
最近は運搬側回るやつ増えた」
そっちの方が、
現金になりやすい。
しかも危険が少ない。
以前より、
村全体の動きが変わってきていた。
「やっぱ減ったか」
「ああ。
今は町との往復増えてるからな」
ロイドは腕を組む。
「特に馬持ってるやつは、
そっち優先し始めてる」
かなり現実的だった。
狩りは危険。
運搬は比較的安全。
しかも今は需要が多い。
「3日後また来る」
「おう」
「もし集められそうなら、
声掛けといてくれ」
「値段は?」
「2ルク」
ロイドは少し驚く。
「結構出すな」
「今肉足りねぇ」
「分かった。
一応聞いとく」
その後。
ロイドは子犬を見る。
「……また増えたのか」
「池に落ちとった」
「お前ほんと色々拾うな……」
呆れた顔だった。
だが、
少し笑っていた。
その後。
コウ達はガルドの店へ向かう。
「おう」
ガルドはすぐ子犬へ気付いた。
「なんだその犬」
「池に落ちとった」
「また変なの拾ったなお前」
ほぼロイドと同じ反応だった。
コウは柔らかパン2つを買う。
その時。
ガルドがぼやく。
「俺も今度、
町行かなあかん」
「お前もか」
「小麦減ってきた」
かなり面倒そうだった。
「ロイドに、
どうせ町行くならお前行けって言われた」
リリアが少し笑う。
「嫌そうですね」
「そりゃ嫌だ」
ガルドは即答する。
「俺パン焼きてぇんだよ」
かなり本音だった。
コウは少し笑う。
「まあ分かる」
ガルドはさらに続ける。
「最近ほんと、
村の空気変わってきたな」
「ああ」
「前は村ん中だけで回っとったのに、
今は町側まで動いとる」
パン屋のガルドですら、
それを感じていた。
村全体が、
少しずつ外へ繋がり始めていた。
その後。
コウ達は別の店へ向かう。
野菜6。
紐10本。
普通の布1。
干し草1。
さらにリリア用の革手袋も買う。
「最近ほんと紐減りますね」
リリアが言う。
「魚罠と吊るしで消える」
かなり使っていた。
その後。
コウは革手袋をリリアへ渡す。
「これ、
使っとけ」
「……私にですか?」
「ああ。
ナタ使う時危ねぇだろ」
リリアは少し驚いた後、
小さく頷いた。
「……ありがとうございます」
かなり嬉しそうだった。
そのまま森拠点へ戻る。
帰り道。
子犬はかなり落ち着いていた。
最初ほど震えていない。
時々リリアの腕の中で、
小さく鳴く程度だった。
「もう完全に懐いてますね」
「ああ」
「コウさんより、
私の方来ますけど」
「世話してるからだろ」
かなり自然だった。
その後。
森拠点へ戻る。
まず魚罠確認。
2個とも成功。
魚2匹。
「また入ってますね」
「ああ。
かなり安定してきた」
コウは頷く。
新しい魚罠を設置。
古いやつは魚を入れたまま回収する。
池側。
生簀へ魚を戻す。
これで生簀内は6匹。
かなり増えていた。
その後。
子犬へ干し肉を少し与える。
かなり元気になっている。
食べ方も、
昨日よりしっかりしていた。
「かなり食べるようになりましたね」
「ああ。
だいぶ戻ってきた」
子犬は食べ終わると、
リリアの足元へ寄る。
かなり懐いていた。
その間。
コウは端材を並べる。
「それ作るんですね」
「ああ。
吊るせる君増やす」
最近かなり足りなくなっていた。
魚。
肉。
今後もっと増える。
「ほんと増えましたね」
リリアは少し笑いながら、
余った布を折る。
その中へ干し草を詰める。
「こっちは寝床ですね」
「ああ」
子犬用だった。
火から少し離した位置へ設置する。
その頃には。
コウ側も完成する。
吊るせる君3号。
4号。
増設完了。
以前買った細縄へ交換。
以前の縄は外す。
「これでかなり干せますね」
「ああ。
魚も増えるからな」
4組。
最大40個。
かなり加工量が増える。
子犬は食べ終わると、
そのまま新しい寝床へ入った。
少しくるくる回る。
その後。
ぽすっと丸くなった。
「気に入ったみたいです」
「だな」
かなり落ち着いていた。
その後。
夕食準備。
今日は煮込みだった。
中鍋。
水。
魚2匹。
野菜2つ。
山椒干し肉2つ。
全部まとめて入れる。
ぐつぐつ。
少しずつ匂いが広がる。
「……結構入りますね」
「ああ」
中鍋だった。
以前使っていた古い大鍋よりは小さい。
だが。
2人で使うには十分大きい。
山椒の香りも、
少しずつ広がり始めていた。
コウは粉塩を少し入れる。
2つ分。
味を整える程度だった。
やがて完成。
木皿へ取り分ける。
柔らかパンも1個ずつ。
かなりちゃんとした食事だった。
リリアが煮込みを食べる。
「……美味しいです」
「ああ」
魚。
野菜。
山椒干し肉。
かなり味がまとまっていた。
「魚だけだと、
ちょっと物足りないですけど」
「肉入ると変わるな」
山椒干し肉の脂と塩気が、
かなり合っていた。
リリアはもう一口食べる。
「野菜入ると、
だいぶ違いますね」
「ああ。
汁も増える」
かなり食べやすかった。
横では、
子犬が寝床で丸くなっている。
時々耳だけ動く。
「完全に住み始めましたね」
「まあな」
コウは苦笑する。
しばらく静かな時間が流れる。
火の音。
鍋の匂い。
森の夜の音。
以前より、
かなり賑やかになっていた。
PL(第36話終了時)
通常収支
項目増減
開始77ルク
支出-14ルク
終了63ルク
支出内訳
項目増減
柔らかパン×2-2ルク
野菜×6-6ルク
紐×10-2ルク
普通の布×1-1ルク
干し草×1-1ルク
革手袋×1-2ルク
BL(資産表)
武器
主人公携帯
* 鉄ナイフ×1
リリア携帯
* 鉄ナイフ×1
森拠点保管
* 剣×1
* 木槍×1
道具
主人公携帯
* 革手袋×1
* 水筒×1
* ルク袋×1
リリア携帯
* 革手袋×1
* 薬草×20
* 葉用カバン×1
* 採取袋×1
* 水筒×1
* 革靴×1
森拠点保管
* ナタ×1
* 斧×1
* ショベル×1
* ツルハシ×1
* ロープ×2
* 紐×10
馬用品・運搬
森拠点配置
* リアカー×1
* 一輪車×1
グレン工房預かり
* ルナ×1
リアカー常備
* 木箱(大)×1
* 木箱(小)×1
* 水袋(小)×2
* 水桶(大)×2
* ブラシ×1
* 蹄掃除具×1
* 飼葉枡×1
* ロープ×1
リアカー本体固定
* 縄×2
フリー縄
* 縄×3
吊るし構成
* 吊るせる君×4組
* 柱×8
* 細縄×4
魚関連
魚罠
* 設置中×2
* 回収中×2
* 予備×1
簡易生簀
* 魚×6
食料
完成品
* 山椒干し肉×6(包装済)
* 塩干し肉×1(包装済)
加工中
* 普通干し肉(加工中)×11
* 漬け魚(加工中)×6
素材・薬品
森拠点保管
* 薬草×47
* 山椒×35
* 唐辛子×0
葉管理
* クルム葉 多数
粉類
* 山椒粉×25(山椒壺)
* 唐辛子粉×34(唐辛子壺)
* 粉塩×25(塩壺A)
塩保管
* 塩×40(中壺)
* 塩壺A×1
* 塩壺B×1
* 中壺×1
* 小壺×1(予備)
すり鉢
* 山椒用×1
* 唐辛子用×1
* 塩用×1
* 小型すり鉢×1(予備)
容器・収納
森拠点保管
* 木箱(大)×1
* 木箱(小)×1
木材保管
* 長丸太×9(乾燥中)
* 枝材 多数
* 細枝 多数
* 竹 多数
布・寝具
森拠点保管
* 厚手の布×2
* 干し草×2
* 簡易ベッド×2
* 棚×1
* 鉄板×1
* 中鍋×1
* 古い大鍋×1
* 小鍋×2
* 竹食器2人分
* 犬用竹皿×1
* 子犬用寝床×1
設置・稼働
* 動物罠×3(設置中)
* 簡易生簀×1(稼働中)
通貨
* 63ルク
同行・管理対象
* リリア×1
* ルナ×1(グレン工房預かり)
* 子犬×1(保護中)




