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コウの物語  作者: パルス


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33/67

第34話「回り始める」



 朝。


 森拠点。


 コウはゆっくり目を開ける。


 少し身体が重い。


「……昨日動き過ぎたな」


 フェルド往復。


 販売。


 積み直し。


 帰還。


 流石に疲れていた。


 隣では、

 リリアもゆっくり起き上がる。


「おはようございます」


「ああ」


 外はまだ少し冷えていた。


 コウは焚火跡を見る。


 灰。


 残り火。


 火種。


 軽く整える。


 リリア側は水確認。


 水袋。


 水桶。


 減り確認。


 もうかなり自然に動いていた。


「池見に行くか」


「はい」


 2人はそのまま池側へ向かう。


 簡易生簀。


 木組み。


 縄。


 その中を魚がゆっくり泳いでいた。


「……10匹いますね」


「ああ」


 逃げ無し。


 弱り無し。


 かなり安定してきている。


 コウも少し頷く。


「思ったより回るな」


 そのまま川側へ向かう。


 今日は魚罠設置だった。


 昨日回収していた魚罠を持っていく。


 川音。


 朝霧。


 少し冷たい風。


 コウは魚罠を置いていく。


 流れ。


 深さ。


 石位置。


 少しずつ調整。


「ここ前より流れてますね」


「ああ。

 少し上流側変わったな」


 2個設置。


 これで川側終了。


 次は森側だった。


 動物罠。


 1つ目。


 空。


 2つ目。


「……いた」


 ウサギ。


 3つ目。


 こちらも成功。


「今日は当たりですね」


「ああ」


 コウは頷く。


 かなり安定してきていた。


 2匹回収。


 そのまま拠点へ戻る。


 戻る頃には、

 空もかなり明るくなっていた。


 まずは肉処理だった。


 血抜き。


 皮剥ぎ。


 切り分け。


 ここはもうかなり慣れている。


 リリアも普通に補助していた。


「今回はどうします?」


「普通で行く」


「普通?」


「何も付けない」


 山椒無し。


 唐辛子無し。


 塩無し。


 完全な普通干し肉。


 コウは肉を細く切りながら言う。


「柔らかいなら、

 これでもいけるかもしれん」


 昨日売れたのは、

 加工途中側だった。


 なら。


 最初から味を固定しない方が、

 後掛けしやすい。


 切り終える。


 そのまま、

 吊るせる君へ吊っていく。


 縄。


 柱。


 朝風で、

 肉が少し揺れた。


 煙位置確認。


 乾燥位置確認。


 これももう、

 かなり慣れてきていた。


 その横では、

 昨日残った山椒干し肉を包んでいく。


「こっちは売切予定ですね」


「ああ」


 一旦通常側からは外す。


 ただ。


 また欲しいって言われたら、

 作るかもしれない。


 コウは少し周囲を見る。


 吊るされた普通干し肉。


 包まれる山椒干し肉。


 少し前とは、

 かなり景色が変わっていた。


 作業が一段落する。


 リリアが軽く息を吐く。


「だいぶ回るようになってきましたね」


「ああ」


 コウも頷く。


「今後、

 水側は任せるかもな」


「水側?」


「池。

 魚罠。

 生簀側」


 リリアは少し驚いた後、

 頷く。


「分かりました」


「俺は森側見る」


 動物罠。


 肉側。


 そっち担当。


 少しずつ、

 役割も分かれ始めていた。


 コウはその後、

 残っていた紐を取り出す。


「魚罠増やすか」


「またですか?」


「回したい」


 今は2個しかない。


 乾燥。


 交換。


 補修。


 考えると足りなかった。


 コウは手を動かす。


 枝。


 紐。


 編み込み。


 少しずつ形になる。


 新しい魚罠3個。


 これで合計5個。


「かなり増えましたね」


「ああ」


 コウは頷く。


「2個設置。

 2個交換。

 1個予備」


 これでかなり回しやすくなる。


 リリアはその間、

 採取準備を始めていた。


「今日はいつものですか?」


「ああ。

 葉っぱ。

 薬草。

 山椒」


 ナタを持つ。


 2人で森側へ向かう。


 山椒位置。


 薬草位置。


 少しずつ共有。


「今後、

 1人でも行けるようにな」


「はい」


 逆にリリア側も、

 葉っぱ位置を教えていく。


「これ、

 包みやすいです」


「こっちは?」


「すぐ破れます」


 コウも頷く。


 少しずつ、

 互いの知識が増えていく。


 葉っぱ大量回収。


 薬草10。


 山椒10。


 戻る頃には、

 もう昼前だった。


 戻った後。


 リリアは葉っぱ洗浄。


 薬草干し。


 葉干し。


 コウは粉加工。


 山椒。


 唐辛子。


 塩。


 すり鉢で砕いていく。


 ゴリ、ゴリ、と音が響く。


 山椒5。


 唐辛子5。


 そこまでは予定通りだった。


 だが。


 コウは途中で止まる。


「……足りねぇな」


 リリアが振り向く。


「足りませんか?」


「ああ」


 魚側。


 かなり塩を使う。


 コウは少し考えた後、

 追加塩を取り出した。


「塩10追加する」


「そんなにですか?」


「ああ。

 魚かなり食う」


 追加で砕く。


 粉塩。


 どんどん増える。


 だが。


 それでもかなり使う予定だった。


 コウは少し息を吐く。


「塩、

 一気に減ったな……」


 かなり節約した。


 それでも減る。


 リリアも古い大鍋を見る。


「魚、

 塩使いますね」


「ああ」


 前までは、

 ただの調味料だった。


 だが今は違う。


 保存。


 販売。


 加工。


 全部塩が絡んでいる。


 その後。


 コウは生簀側を見る。


「……魚やるか」


 2人で池側へ向かう。


 簡易生簀。


 中を魚が泳いでいた。


 今回は全部使う予定だった。


「全部回収するんですか?」


「ああ。

 試す」


 今回は3種類。


 干し魚。


 塩干し魚。


 漬け魚。


 分けていく。


 2匹。


 2匹。


 残り6匹。


 古い大鍋を置く。


 まず粉塩。


 その上へ魚。


 また粉塩。


 また魚。


 かなりしっかり使う。


 リリアも少し驚いた顔になる。


「これ、

 かなり持ちそうですね」


「持たんと困る」


 漬け魚は、

 長期保存側だった。


 コウは少し考える。


「……魚処理、

 今後は朝回した方がいいな」


「朝ですか?」


「ああ。

 昼まで食う」


 今回は試験だった。


 だが。


 今後は朝に回した方が、

 かなり良さそうだった。


 その後。


 夕方前。


 コウは新しい魚罠2個を持つ。


「交換行くか」


「はい」


 2人で再び川側へ向かった。


 川音。


 少し傾き始めた日差し。


 朝設置した魚罠を見る。


「……入ってますね」


「ああ」


 2匹。


 小さめだが、

 ちゃんと入っていた。


 コウは魚ごと回収する。


「これ、

 そのまま食べないんですか?」


「生簀戻す」


「増やすんですね」


「ああ」


 魚はそのまま持ち帰り。


 代わりに。


 朝使っていた古い魚罠2個を回収する。


 泥。


 葉。


 少し傷んでいる部分もあった。


 そこへ、

 新しい魚罠2個を設置。


 これで交換運用開始だった。


「かなり回しやすくなりましたね」


「ああ」


 設置。


 回収。


 乾燥。


 補修。


 順番に回せる。


 かなり楽になる。


 持ち帰った魚は、

 そのまま生簀へ戻した。


 魚が水へ消えていく。


 コウは少し池を見る。


「……思ったより回るな」


「はい」


 最初はただの思いつきだった。


 だが今は違う。


 魚罠。


 生簀。


 漬け魚。


 干し魚。


 全部少しずつ繋がり始めていた。


 そのまま、

 2人は拠点へ戻る。


 空はもう、

 かなり赤くなり始めていた。


 リリアは生簀を見る。


「魚、

 今日は食べないんですね」


「ああ」


 コウは頷く。


「今日は干し肉の試食やる」


 普通干し肉。


 後掛け。


 柔らかさ。


 まずはそっちを確認したかった。


 魚はまだ加工途中だった。


 干し魚。


 塩干し魚。


 漬け魚。


 どれも、

 まだ時間が必要。


「魚の試食は明日以降だな」


「はい」


 リリアも頷く。


 2人はそのまま焚火側へ戻る。


 火を整える。


 鉄板を置く。


 今日の普通干し肉を、

 軽く炙り始めた。


 ジュ、と音が鳴る。


 肉の脂が少し落ちる。


 煙。


 香り。


 昼より、

 かなりいい匂いになっていた。


 コウは肉を裏返す。


「完全に乾く前の方が、

 香り強いな」


「柔らかいですしね」


 リリアも頷く。


 コウは3枚並べる。


「今日は後掛け試すか」


 山椒粉。


 唐辛子粉。


 粉塩。


 それぞれ少しずつ振っていく。


 リリアはその横で、

 昨日の山椒干し肉を取り出した。


「私は比べてみます」


「山椒同士か?」


「はい」


 昨日の山椒干し肉。


 今日の普通干し肉+山椒粉。


 どれくらい違うか。


 リリアはまず、

 普通干し肉側を食べる。


 少し噛む。


 山椒の香りが広がる。


「……柔らかいですね」


「ああ」


 昨日売れた理由も、

 多分それだった。


 この世界の干し肉は、

 もっと硬い。


 削るように食う。


 だがこれは違う。


 普通に噛める。


 食べやすい。


 リリアはそのまま、

 昨日の山椒干し肉も食べる。


 少し止まる。


「……あんまり変わらないですね」


「やっぱりか」


 コウも普通干し肉側を食べる。


 山椒。


 唐辛子。


 粉塩。


 順番に確認。


 どれもかなり変わる。


 しかも。


「後から掛けた方が、

 香り強いな」


「はい」


 リリアも頷く。


 最初から混ぜ込む必要が、

 かなり薄くなっていた。


 コウは少し考える。


「……なら、

 普通干し肉だけでいいかもな」


 そこへ後掛け。


 山椒。


 唐辛子。


 粉塩。


 食う時に変える。


 その方が管理も楽だった。


 リリアも少し笑う。


「種類増やし過ぎると、

 大変ですしね」


「ああ」


 干し肉。


 魚。


 粉。


 葉っぱ。


 もう増え始めている。


 コウは粉塩側を少し食べる。


 塩気。


 煙。


 肉。


 かなり相性が良かった。


「……普通の方、

 思ったより強いな」


 火が揺れる。


 吊るされた普通干し肉も、

 夜風で小さく揺れていた。


 食事が終わる頃には、

 火も少し落ち着いていた。


 コウは立ち上がる。


「薪割るか」


「はい。

 私は葉っぱ折りやってます」


 リリアは横へ積んでいた乾燥葉を持ってくる。


 昼に干していた分だった。


 コウは斧を持つ。


 薪。


 切り株。


 夜の軽作業。


 カン、と音が響く。


 リリア側は、

 葉を折り始めていた。


 肉用。


 魚用。


 少し形が違う。


 肉側は細長い。


 魚側は少し広い。


 差し込みやすいように、

 軽く折って形を作る。


 コウは薪を割りながら見る。


「それ、

 便利そうだな」


「包むの楽になります」


 リリアは葉を折る。


「前は毎回包み直してましたし」


「ああ」


 今は半分形が出来ている。


 差し込むだけ。


 かなり楽だった。


 コウはまた薪を割る。


 カン。


 乾いた音。


 その横では、

 吊るされた普通干し肉が揺れている。


 今日仕込んだ分。


 まだ柔らかい。


 だが。


 多分これでいい。


 コウは少し考える。


「……硬くする必要、

 あんま無いのかもな」


 保存だけ考えるなら、

 もっと乾かす。


 だが。


 売れたのは柔らかい方。


 食いやすい方。


 香りが強い方。


 リリアも頷く。


「私はこっちの方が好きです」


「ああ」


 しかも。


 後掛けで味を変えられる。


 山椒。


 唐辛子。


 粉塩。


 食う時に決めればいい。


 コウは少し笑う。


「なんか、

 普通の干し肉が一番便利だな」


「はい」


 山椒干し肉。


 塩干し肉。


 色々作った。


 だが今、

 一番強いのは、

 何も付いていない普通干し肉だった。


 風が吹く。


 葉っぱが揺れる。


 薪の匂い。


 煙の匂い。


 山椒の残り香。


 森拠点は、

 少しずつ変わり始めていた。


 コウは割った薪を見る。


「……木も減ってきたな」


 使う量が増えている。


 燻製。


 焚火。


 乾燥。


 前よりかなり木を食う。


 コウは斧を見る。


「せっかく斧買ったし、

 明日切ってくるか」


 リリアも頷く。


「かなり使ってますしね」


「ああ」


 コウは少し考える。


「明日、

 朝の日課終わったら、

 一緒に木切り行くか」


「はい」


「あと池側も、

 もう少し何とかしたい」


「生簀ですか?」


「ああ」


 コウは川側を見る。


「魚が自然と集まる感じにしたい」


 今はまだ、

 捕った魚を入れているだけ。


 だが。


 流れ。


 石。


 網。


 置き方を変えれば、

 もっと回る気がしていた。


 リリアも小さく頷く。


「やる事、

 また増えましたね」


「だな」


 コウは少し苦笑する。


「……あと、

 また漁もやるか」


 リリアもすぐ頷く。


「魚、

 かなり減りましたし」


「ああ」


 前みたいに、

 川へ入って追う形になるかもしれない。


 まだちゃんとは決まっていない。


 だが。


 魚側も、

 少しずつ広がり始めていた。


 リリアは小さく笑う。


「やる事、

 増えてきましたね」


「だな」


 コウは少し苦笑する。


「お前、

 馴染むの早いな」


 リリアは少し目を伏せる。


「……元々、

 森側の仕事はしてましたから」


「あー……

 そういやそうか」


 葉っぱ。


 薬草。


 水。


 森。


 リリアは最初から、

 かなり自然に動いていた。


 リリアは少し困ったように笑う。


「コウさんのやる事が、

 増え続けてるだけな気もします」


「否定出来んな」


 コウは苦笑した。


 薪が割れる。


 葉っぱが折られる。


 吊るされた普通干し肉が、

 夜風で小さく揺れていた。


 今日はもう休みだった。


PL(収支表)


通常収支


項目増減

開始77ルク

終了77ルク


食料・素材変動


項目増減

ウサギ+2匹回収

普通干し肉(加工中)+10 → -3(夕食試食)

山椒干し肉-1(夕食比較試食)

山椒-5(粉加工)

唐辛子-5(粉加工)

塩-17(粉加工)

山椒粉+10

唐辛子粉+15

粉塩+34 → -27

薬草+10採取

山椒+10採取

魚生簀10→加工開始

干し魚(加工中)+2

塩干し魚(加工中)+2

漬け魚(加工中)+6

魚+2(魚罠成功→生簀戻し)

紐-3(魚罠作成)


運用・状況


内容状況

普通干し肉運用開始

後掛け販売有効確認

山椒干し肉通常生産停止予定

魚加工試験開始

漬け魚保存開始

魚罠増設+3

魚罠交換運用開始

水側担当リリア側へ分担開始

森側担当コウ側へ分担開始

葉っぱ折り運用開始

翌日予定木切り・池改良・漁検討


BL(資産表)


武器


主人公携帯


* 鉄ナイフ×1


リリア携帯(外出時)


* 鉄ナイフ×1


森拠点保管


* 剣×1

* 木槍×1


道具


主人公携帯


* 革手袋×1

* 背負いカバン×1

* 肩掛けカバン×1

* 水筒×1

* ルク袋×1


リリア用(必要時持ち出し)


* 葉用カバン×1

* 採取袋×1

* 水筒×1

* 革靴×1


道具(森拠点保管)


* ナタ×1

* 斧×1

* ショベル×1

* ツルハシ×1

* 一輪車×1

* ロープ×2


馬用品・運搬


森拠点配置


* リアカー×1


グレン工房預かり


* ルナ×1


リアカー常備


* 木箱(大)×1

* 木箱(小)×1

* 水袋(小)×2

* 水桶(大)×2

* ブラシ×1

* 蹄掃除具×1

* 飼葉枡×1

* ロープ×1

* 縄×7


吊るし構成


* 吊るせる君×2組

* 柱×4

* 縄×2


魚関連


魚罠


* 設置中×2

* 交換用×2

* 予備×1


簡易生簀


* 魚×2


食料


完成品


* 山椒干し肉×8(包装済)

* 塩干し肉×1(包装済)

* 固形パン×1


加工中


* 普通干し肉(加工中)×7

* 干し魚(加工中)×2

* 塩干し魚(加工中)×2

* 漬け魚(加工中)×6


素材・薬品


森拠点保管


* 薬草×47

* 山椒×15

* 唐辛子×0

* クルム葉 多数


粉類


* 山椒粉×25

* 唐辛子粉×34

* 粉塩×7


塩保管


* 塩×50

* 塩壺A×1

* 塩壺B×1

* 中壺×1(予備)

* 塩袋(保管中)


小壺類


* 山椒壺×1

* 唐辛子壺×1

* 小壺×1(予備)


すり鉢


* 山椒用×1

* 唐辛子用×1

* 小型すり鉢×2(予備)


容器・収納


森拠点保管


* 木箱(大)×1

* 木箱(小)×1


布・寝具


森拠点保管


* 普通の布×1

* 厚手の布×2

* 干し草×2

* 簡易ベッド×2

* 棚×1

* 鉄板×1

* 中鍋×1

* 古い大鍋×1

* 小鍋×2

* 竹食器2人分


設置・稼働


* 動物罠×3(設置中)

* 簡易生簀×1(稼働中)


通貨


* 77ルク


同行・管理対象


* リリア×1

* ルナ×1(グレン工房預かり)


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