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コウの物語  作者: パルス


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第27話「塩の気配」



 広場。


 リアカーの横には、まだ人が集まっていた。


 木箱の上。


 山椒干し肉は残り1。


 その横では、吊るされた干し肉が風に揺れている。


 特に視線を集めているのは塩側だった。


「かなり乾いてきてるな」


「もう食えそうじゃね?」


「塩の方気になるなぁ」


 村人達が口々に言う。


 コウはリアカー上を見る。


 確かにかなり水分は抜けていた。


 風通しも悪くない。


 吊るして正解だったかもしれない。


 エミルはリアカーを眺めながら笑っていた。


「これ、町でも絶対目立つぞ」


「まぁな」


 コウは軽く返す。


 エミルはさらに続ける。


「吊るしながら運べるんじゃね?」


 グレンもリアカーを見る。


「上、もう少し使えそうだな」


 荷台上部。


 追加した柱。


 横縄。


 まだ余裕はある。


 コウも少し考える。


 確かに、増やそうと思えば増やせる。


 その時。


 ロイドが空を見上げた。


「……もう昼近いな」


 周囲も少し空を見る。


 陽はかなり上がっていた。


 ロイドはそのまま続ける。


「今日はさすがに狩り無理だろ」


 コウは少し考える。


 今から森へ戻る。


 そこから森へ入る。


 罠確認。


 狩り。


 解体。


 かなり中途半端になる。


 ロイドがこちらを見る。


「お前、今から森戻る気なのか?」


「……どうするかな」


 コウは曖昧に返した。


 その横で、リリアも吊るされた干し肉を見ている。


「乾燥確認もしたいです」


「ああ」


 コウは軽く頷いた。


 塩側は特に気になる。


 保存性も変わる。


 味も変わる。


 どこまで持つかも見たい。


 村人達はまだ木箱の前を見ていた。


 その時。


 一人の男が前へ出る。


「まだ残ってるか?」


 コウは木箱を見る。


 山椒干し肉、最後の1つ。


「最後の1つだ」


「じゃあくれ」


 男は2ルクを置く。


 コウは干し肉を渡した。


 販売成立。


 これで最初に並べていた分は完売だった。


「おー、もう無いのか」


「早ぇな」


「塩の方まだか?」


 村人達の視線が、さらに吊るされた塩干し肉へ向く。


 エミルが笑った。


「だったら今日も泊まってけば?」


 コウはそちらを見る。


 エミルは吊るされた干し肉を指差した。


「それ、もう少ししたら売れるんだろ?」


「まぁな」


「今から戻っても中途半端じゃね?」


 ロイドも頷く。


「朝から森入った方が動けるだろ」


「今戻っても今日は半端だぞ」


 リリアも小さく口を開く。


「葉も探したいですし」


 葉。


 保存用。


 包み用。


 今後を考えるなら必要になる。


 コウは少し考える。


 確かに、朝から動いた方が効率はいい。


 今日は販売もある。


 塩側確認もある。


「……まぁ、朝からの方が動けるか」


 グレンが鼻を鳴らした。


「慌てて戻る必要もねぇだろ」


 周囲もなんとなく納得した空気になる。


 今日はこのまま販売。


 そして明日、朝から森へ戻る。


 そんな流れが自然に固まり始めていた。


 コウはリアカーへ近付く。


 吊るされた塩干し肉を1つ軽く触る。


 表面。


 弾力。


 乾燥具合。


 香り。


 かなり良い。


 リリアにも確認させる。


「どうだ?」


 リリアは少し触った後、小さく頷いた。


「かなり良いです」


 コウも頷く。


「……これならいけるな」


 その瞬間。


 周囲の村人達が一気に反応した。


「売るのか?」


「塩のやつか?」


「もう食えるのか?」


 コウは塩干し肉を1つ外した。


 軽く確認する。


 表面。


 弾力。


 香り。


 問題無い。


 コウは周囲を見る。


「今日は試しだ」


 村人達が静かになる。


「今日は2ルクで売る」


「おっ」


「山椒と同じか」


 周囲が少しざわつく。


 だがコウは続けた。


「ただ、本来は3ルクで売るつもりだ」


 今度は反応が変わる。


「3ルク?」


「結構するな」


 コウは塩干し肉を見る。


「塩使ってるからな」


「量やるならかなり使う」


 村人達も納得した顔になる。


「まぁ塩だしな」


「保存考えりゃ安くはねぇか」


「今日は試しか」


 コウは軽く頷いた。


「ああ」


 その瞬間だった。


「塩1つ!」


「俺も!」


「まだあるか!?」


 一気に人が動く。


 コウは少し目を見開いた。


「……お、おう」


 想像以上だった。


 次々とルクが出る。


 コウは塩干し肉を渡していく。


 エミルが吹き出した。


「すげぇ勢いだな」


「思ったよりだな……」


 ロイドも少し驚いている。


「塩ってだけで反応違うな」


 村人達は次々と塩干し肉を手に取る。


「これなら山仕事でも持っていけるな」


「町行く時もいいかもな」


 保存食。


 塩。


 その2つだけで、反応がかなり違った。


 コウは次の塩干し肉を渡す。


 その横で、別の村人が木箱を見る。


「……いや、俺は山椒の方が好きだな」


 コウは少しそちらを見る。


「そうか?」


「あっちの刺激結構好きだ」


 別の男も頷いた。


「酒あったらあっち合いそうだよな」


 エミルが笑う。


「好み分かれてんな」


 コウは少し考える。


 塩。


 山椒。


 どちらかだけではないらしい。


 それぞれ違う。


 その間にも塩側はどんどん減っていく。


「おい、もう残り少ねぇぞ!」


「早ぇな!」


 村人達が少し焦り始める。


 コウは塩干し肉を渡し続けた。


 そして。


 最後の1つが売れる。


「これで終わりだ」


「もう無ぇのか……」


「10個あったんだろ?」


「売れるの早過ぎるだろ」


 周囲がざわつく。


 だが塩が無くなると、今度は視線が山椒側へ向いた。


「じゃあ山椒買うか」


「あれも普通にうまかったしな」


 ぽつぽつと山椒干し肉も売れ始める。


 コウは山椒干し肉を並べ直す。


 そのまま販売を続ける。


 しばらくして。


 ようやく人の流れが少し落ち着いた。


 塩干し肉は完売。


 山椒干し肉もかなり減っていた。


「……思ったより売れるな」


 コウが小さく呟く。


 エミルが笑った。


「だから言っただろ?」


 その時だった。


 人混みの外側から声が飛ぶ。


「さっきから塩塩言っとるけど、なんの話だ?」


 振り返る。


 ガルドだった。


 パン屋帰りらしく、袋を抱えている。


 ガルドは人混みを抜けながらリアカーを見る。


「なんだこれ」


 吊るされた干し肉。


 追加された柱。


 木箱販売。


 かなり異様だった。


 エミルがすぐ笑う。


「聞いて驚け」


「塩干し肉だ」


「……は?」


 ガルドが止まる。


 エミルは楽しそうに続けた。


「しかも吊るしながら売ってる」


「町でも売れそうなんだよ」


「運びながら乾かせるかもしれねぇしな」


 ガルドはリアカーを見る。


「なんだそりゃ……」


 その横で、村人がまた木箱を見る。


「山椒1つくれ」


「ああ」


 コウは2ルクを受け取り、干し肉を渡した。


 販売成立。


 エミルはまだ止まらない。


「しかも町で3ルクで売れたんだぞ?」


「行きで売って、帰りで荷物積めるかもしれねぇ」


「塩とか小麦とか運べたらかなり変わるだろ?」


 ガルドの顔が少し変わる。


「……小麦?」


 その時。


 別の村人が前へ出る。


「俺も山椒」


 コウはまた2ルクを受け取り、干し肉を渡した。


 ガルドはそのやり取りを見る。


 金。


 商品。


 人だかり。


 本当に売れている。


 ガルドはもう一度リアカーを見る。


 吊るされた干し肉が風に揺れていた。


「……また塩出るか?」


 村人の1人が聞く。


 コウは軽く頷いた。


「ああ」


「今度からは基本塩になると思う」


「山椒はやめるのか?」


 別の男が聞く。


 コウは少し考える。


「……いや」


「あっちはまた別で使う」


 山椒。


 唐辛子。


 まだ全部は出していない。


 コウはリアカーを見る。


 まだ試せる事は多かった。


 ガルドはその横で少し考える。


 そして口を開いた。


「……じゃあ小麦粉頼めるか?」



BL(第27話終了時点)


武器


主人公携帯


* 鉄ナイフ×1


リリア携帯(外出時)


* 鉄ナイフ×1


森拠点保管予定


* 木槍×1

* 剣×1

* 石ナイフ×2(処分予定)

* 石斧×1(処分予定)



衣類・装備


主人公携帯


* 革靴×1

* 革手袋×1

* 背負いカバン×1

* 肩掛けカバン×1

* 普通のカバン×1

* 水筒×1

* ルク袋×1


リリア携帯(外出時)


* 革靴×1

* 水筒×1



馬用品・運搬


現在使用中


* リアカー×1(吊るし用簡易柱追加)


グレン工房預かり


* 馬×1


グレン工房(予約中)


* 一輪車×1(完成済・未払い・受取前)


馬用品


* ロープ×1

* 縄×5

* 固定用×2

* 予備×3

* 水袋(小)×2(馬用)

* 水桶(大)×2

* ブラシ×1

* 蹄掃除具×1

* 飼葉枡×1



森拠点保管予定


* ロープ×2

* 紐×3(罠用)



食料


販売用


* 山椒干し肉×8



新規依頼


* 小麦粉購入依頼ガルド



素材・薬品


リアカー積載


* 薬草×27

* 山椒×1

* 唐辛子×5

* 塩×24



容器・収納


主人公携帯


* 干し肉袋×5

* 薬草袋×1

* 山椒袋×1

* 塩袋×1



リアカー積載


木箱(大)×2


収納内容:


* ロープ

* 縄

* 布

* 馬用品


木箱(小)×2


用途:


* 売却用商品収納


小壺×5


使用中


* 塩壺A×1

* 塩壺B×1

* 山椒粉壺×1

* 唐辛子粉壺×1


予備


* 小壺×1


すり鉢×5


使用中


* 山椒用すり鉢×1

* 唐辛子用すり鉢×1

* 薬用すり鉢×1


予備


* すり鉢×2



布・寝具


リアカー積載


* 普通の布×1

* 厚手の布×2

* 干し草×2

* 簡易ベッド×1

* 中鍋×1



森拠点保管


* 簡易ベッド×1

* 棚×1

* 鉄板×1

* 古い大鍋×1(陶器製)

* 小鍋×2

* ショベル×1

* ナタ×1

* ツルハシ×1



通貨


* 98ルク



同行・管理対象


* リリア×1



現在状況


* リース村広場販売継続中

* 塩干し肉10完売

* 山椒干し肉累計17販売

* 山椒干し肉残8

* 山椒・唐辛子系は今後別用途展開予定

* 吊るし販売方式への関心上昇中

* ガルドから小麦粉購入依頼発生

* 行商・輸送話へ発展開始



PL(第27話終了時点)


項目増減

開始54ルク

塩干し肉販売+20

山椒干し肉販売+24

終了98ルク



食料・素材変動


項目増減

塩干し肉-10

山椒干し肉-13



加工・状況


内容状況

塩干し肉完売

山椒干し肉販売継続中

リアカー吊るし販売継続使用

行商構想村内で話題化


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