第24話「出発前夜」
朝。
コウとリリアは宿を出る。
フェルドの朝は既に動いていた。
荷車。
商人。
職人。
人の声が通りを流れていく。
コウは薬師の店へ向かった。
扉を開ける。
乾いた薬草の匂いが鼻に入った。
薬師が顔を上げる。
「おう」
「前に言ってた子はその嬢ちゃんか」
「ああ」
リリアは軽く頭を下げる。
薬師は少し目を細めた。
「思ったより顔色いいな」
「熱は下がったか」
「だいぶ」
コウは肩掛けカバンから薬草を取り出す。
「薬草10だ」
薬師は受け取る。
乾燥具合を確認する。
「悪くねぇな」
「まとめて持って来るようになったな」
薬草10で15ルク。
コウはルクを受け取った。
その後、コウは口を開く。
「この前の薬、もう一回もらえるか」
「解熱剤2」
「あと栄養剤2」
薬師は棚から小包を取り出す。
「ほらよ」
コウは受け取る。
その後、少しだけ迷う。
「……解熱剤って作れるのか」
薬師は笑った。
「お前、作る気か」
「森なら熱下げる草くらいあるだろ」
「すり鉢あるなら潰して試してみろ」
「ただ量間違えるなよ」
「効き過ぎても駄目だ」
コウは頷く。
「栄養剤は?」
薬師は鼻を鳴らした。
「飯食わせろ」
「薬に頼るもんじゃねぇ」
「どうしても食えねぇ時だけだ」
「消化しやすくして食わせた方がいい」
「……なるほど」
その時。
隣のリリアが小声で呟く。
「……その薬草、多分知ってます」
「作った事もあります」
薬師には聞こえない程度の声。
コウは少しだけ目を細める。
聞かなくても良かったかもしれない。
だが、まぁいいかと思った。
今後、薬草関係はリリアに任せる事になるかもしれない。
「また何か知ってる事あったら教えてくれ」
「はい」
薬師は包みを渡しながら言う。
「まぁ失敗しながら覚えろ」
「森暮らしならその辺出来た方がいい」
「ああ」
店を出る。
フェルドの空気は少し暖かかった。
歩きながら、コウは小声で聞く。
「やれそうか」
リリアは静かに頷く。
「……はい」
「多分、大丈夫です」
コウは少し考える。
薬草。
乾燥。
加工。
粉。
山菜。
魚。
自分より、リリアの方が向いているかもしれなかった。
その後、2人は陶器屋へ向かう。
小壺2。
すり鉢2。
薬用と香辛料用を分けるためだった。
今後の加工を考えると、混ぜない方がいい。
さらにパン屋で柔らかパンを2つ買う。
明日は早朝出発になる。
店が開いていない可能性があった。
買い物を終えた後、コウはリリアを馬のところへ連れて行く。
馬は鼻を鳴らした。
リリアは少しだけ近付き、静かに首筋を撫でる。
馬は嫌がらない。
「……慣れてるな」
「昔、少しだけ」
コウは少し驚く。
下手をすると、自分より扱いが上手いかもしれない。
旅の間、馬の世話を任せてもいいかもしれなかった。
その後、コウは馬へ水を入れる。
大桶を持ち上げ、井戸から水を汲む。
馬はすぐ水を飲み始めた。
「……よく飲みますね」
「ああ」
コウは桶を戻す。
「飲まなくなったら体調悪い時あるらしい」
ドランから聞いた話だった。
その後、コウは飼葉袋を見る。
今使っているのは宿の飼葉だ。
だが、森へ戻れば自分達で管理しなければならない。
特に明日はリースまで移動する。
朝は宿の飼葉を使える。
だが、途中の休憩では自分達の飼葉を使わなければならない。
どれくらい食うのか。
どれくらい減るのか。
まだ完全には分かっていない。
だからこそ、ちゃんと見て覚える必要がある。
馬を持つというのは、思った以上に手間と金が掛かる。
コウは飼葉袋の重さを少し確かめた。
旅の日数。
移動距離。
考える事は少しずつ増えていた。
夕方。
ドランが口を開く。
「明日出るんだったな」
「ああ」
「一旦リースで1泊する」
ドランは頷いた。
「それがいい」
「嬢ちゃん、まだ戻り切ってねぇ」
コウも同意だった。
いきなり森へ戻すにはまだ早い。
ドランはさらに続ける。
「森道は揺れるぞ」
「荷物固定しっかりやっとけ」
「ああ」
コウはリアカーを見る。
塩。
木箱。
鍋。
壺。
荷物はかなり増えていた。
ロープは強い。
だが硬い。
結び方も、少しずつ慣れていくしかない。
その後、3人は食堂へ戻る。
煮込みの匂いが広がっていた。
ドランが皿を置く。
「今日は肉多めだ」
「明日出るんだろ」
「そのくらい食っとけ」
リリアは少し戸惑ったように皿を見る。
だが昨日より食べる速度はかなり早かった。
ちゃんと食えている。
それだけで十分だった。
食事を終えた後、コウは立ち上がる。
「薪割りやる」
ドランは笑った。
「律儀な奴だな」
宿裏へ向かう。
乾いた音が夜へ響く。
木目。
刃の入り方。
力の流し方。
少しずつ分かってきていた。
「森戻ったら小屋でも建てるのか」
「そのうち」
「今はまだ穴だ」
ドランは少し笑った。
「まぁ最初はそんなもんだ」
作業を終え、部屋へ戻る。
リリアは少し眠そうだった。
「先寝てろ」
「……でも」
「準備は俺がやる」
リリアは少し迷った後、小さく頷く。
「……はい」
コウはランタンを少し明るくする。
明日は出発だ。
リアカーの荷物を確認する。
木箱。
塩壺。
鍋。
小壺。
すり鉢。
割れ物は布で包み直す。
縄も確認する。
固定用。
予備。
用途を少し分けた方が良さそうだった。
荷物はかなり増えた。
町へ来る前とは比べ物にならない。
馬。
リアカー。
鍋。
壺。
飼葉。
増えた分だけ、管理するものも増えていく。
ふと後ろを見る。
リリアはもう眠っていた。
少し前まで高熱で苦しんでいたとは思えない程、静かな寝息だった。
コウはランタンの火を少し落とす。
明日はフェルドを出る。
窓の外では、まだ町の音が続いていた。
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BL(第24話終了時点/フェルド3日目終了)
武器
主人公携帯
* 鉄ナイフ×1
リリア携帯(外出時)
* 鉄ナイフ×1
森拠点保管
* 木槍×1
* 剣×1
* 石ナイフ×2(処分予定)
* 石斧×1(処分予定)
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衣類・装備
主人公携帯
* 革靴×1
* 革手袋×1
* 背負いカバン×1
* 肩掛けカバン×1
* 普通のカバン×1
* 水筒×1
* ルク袋×1
リリア携帯(外出時)
* 革靴×1
* 水筒×1
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馬用品・運搬
リアカー積載
* リアカー×1
* 馬×1
* ロープ×1
* 縄×5
* 固定用×2
* 予備×3
* 水袋(小)×2(馬用)
* 水桶(大)×2
* ブラシ×1
* 蹄掃除具×1
* 飼葉枡×1
飼葉袋
* 飼葉袋A×1(中身5)
* 飼葉袋B×1(中身5)
森拠点保管
* ロープ×2
* 紐×3(罠用)
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食料
主人公携帯
* 干し肉×11
* 柔らかパン×2
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素材・薬品
主人公携帯
* 解熱剤×2
* 栄養剤×2
リアカー積載
* 薬草×27
* 山椒×21
* 唐辛子×5
* 塩×34
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容器・収納
主人公携帯
* 干し肉袋×5
* 1袋=干し肉10収納
* 薬草袋×1
* 山椒袋×1
* 塩袋×1
リアカー積載
木箱(大)×2
収納内容:
* ロープ
* 縄
* 布
* 馬用品
木箱(小)×2
用途:
* 売却用商品収納
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小壺×5
使用中
* 塩壺A×1(塩30収納)
* 塩壺B×1(塩30収納)
* 山椒粉壺×1
* 唐辛子粉壺×1
予備
* 小壺×1
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すり鉢×5
使用中
* 山椒用すり鉢×1
* 唐辛子用すり鉢×1
* 薬用すり鉢×1
予備
* すり鉢×2
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布・寝具
リアカー積載
* 普通の布×1
* 厚手の布×2
* 干し草×2
* 簡易ベッド×1
森拠点保管
* 簡易ベッド×1
* 棚×1
* 鉄板×1
* 鍋×1
* 古い大鍋×1(陶器製)
* 小鍋×2
* 中鍋×1
* ショベル×1
* ナタ×1
* ツルハシ×1
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通貨
* 42ルク
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同行・管理対象
* リリア×1
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現在状況
* ドランの宿宿泊中
* 馬預かり中
* リアカー預かり中
* 翌朝フェルド出発予定
* リース村で1泊予定
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PL(第24話終了時点)
項目増減
開始39ルク
薬草10売却+15
解熱剤2購入-2
栄養剤2購入-4
小壺2購入-4
すり鉢2購入-4
柔らかパン2購入-2
終了42ルク




