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コウの物語  作者: パルス


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16/30

第16話「様子を見に」



 朝、目を覚ます。


 火はまだ残っていた。


 薄暗い拠点の中で、コウはゆっくり体を起こす。


 外へ出る。


 朝の空気は少し冷えていた。


 空は白み始めている。


「……今日も行くか」


 小さく呟く。


 今日は村へ行く。


 診療所。


 奴隷少女の様子確認。


 それに、リアカーの改造相談。


 やることは多い。


 だが、その前に。


 まずはいつもの仕事からだった。



 森へ入る。


 朝露で草が濡れていた。


 コウは慣れた足取りで罠を確認して回る。


 1つ目。


 空。


 2つ目。


 これも空。


「……まあ、そんなもんか」


 小さく呟きながら進む。


 そして3つ目。


 草が揺れていた。


 近づく。


 ウサギが1匹、罠にかかっていた。


「お、いたか」


 コウは少しだけ表情を緩める。


 暴れてはいるが、まだ肉は傷んでいない。


 十分使える。


「今日は1匹か」


 大漁ではない。


 だが、ゼロよりは遥かにいい。


 コウはウサギを回収し、そのまま拠点へ戻った。



 ナイフを取り出す。


 血抜き。


 解体。


 肉を分ける。


 皮を剥ぐ。


 最近はかなり手慣れてきていた。


 作業に迷いがない。


 処理を終えると、次は干し肉作りに入る。


 肉を薄く切る。


 砕いた山椒を擦り込む。


 肉の匂いに混ざって、刺激のある香りが広がった。


 それを紐に吊るしていく。


 干し肉作りも、もう日課だった。



 処理を終えると、次は森を軽く回る。


 今日は深くは入らない。


 村へ行く予定がある。


 だから必要な分だけ、手早く集めるつもりだった。


 コウは慣れた場所へ向かう。


 足元の草をかき分け、薬草を探す。


「……あった」


 見つけた薬草を丁寧に摘み取る。


 一つ。


 また一つ。


 場所を変えながら集めていく。


 最終的に、薬草を十本ほど確保した。



 次は山椒だった。


 細い枝に実が残っている。


 コウはそれを手早く摘み取っていく。


 指に刺激臭が移る。


「……この匂い、だいぶ慣れたな」


 山椒も少しずつ回収していく。


 一つ。


 また一つ。


 必要な分だけ集め続ける。


 最終的に、山椒も十ほど回収できた。


 ついでに周囲の大きめの葉も回収する。


 乾燥肉を包む時に使う。


 最近は、見つけた時に集めておくようになっていた。


「まあ、今日はこんなもんだな」



 リアカーを引っ張り、村へ向かう。


 木の車輪が土を転がった。


 以前より荷運びはかなり楽になっている。



 診療所の中は静かだった。


 薬草の匂いが漂っている。


 棚には乾燥させた薬草が並び、奥では鍋から湯気が立っていた。


 コウはリアカーを外へ置き、中へ入る。


 医者がこちらを見る。


「来たか」


「ああ。様子を見に」


 コウはそう言いながら周囲を見る。


 奥の簡易ベッド。


 そこに、奴隷少女は横になっていた。


 前より顔色は少しだけ良く見える。


 呼吸も昨日より落ち着いていた。


 コウが近づく。


 その気配に反応したのか。


 奴隷少女の目がゆっくり開いた。


「……」


 視線だけが動く。


 だが、体を起こそうとはしない。


 いや、起こせないのだろう。


 まだかなり弱っている。


「目は覚めてるんだな」


「熱はだいぶ下がった」


 医者は腕を組みながら言う。


「峠は越えた。だが、まだ動かせる状態じゃない」


 コウは奴隷少女を見る。


 町へ連れて行かなければならない。


 それは医者も分かっている。


「……いつなら行けそうだ」


 医者は少し考える。


「今日は無理だ」


「明日も厳しいな」


 奴隷少女の様子を見ながら続ける。


「明後日……なんとか、ってところか」


 かなり慎重な言い方だった。


「ただし、ちゃんと運べるならだ」


「歩かせるのは論外。揺らし過ぎても駄目だ」


 コウは小さく頷く。


 だからこそ、リアカーを改造しようとしている。


 今のままでは無理だ。


「……分かった」


 コウは持ってきた袋から干し肉を取り出す。


「今日の分」


 医者へ渡す。


 医者は受け取り、小さく頷いた。


「助かる」


「まだしばらく頼む」


「こっちも商売だからな。金か食い物があるなら面倒は見る」


 ぶっきらぼうな言い方だった。


 だが、追い出す気はないらしい。


 コウは少しだけ肩の力を抜く。


「……また来る」


 短くそう言って、診療所を後にした。



(以下本文同じ)



BL(第16話終了時点)


武器


* 木槍×1

* 石ナイフ×2

* 鉄ナイフ×2

* ナタ×1

* 剣×1



衣類・装備


* 革靴×1

* 背負いカバン×1

* カバン×1

* 普通のカバン×1

* 水筒×2

* 紐×5



生活用品


* 簡易ベッド×2

* 干し草×2

* 厚手の布×2

* 普通の布×1

* 棚×1

* リアカー×1(グレン工房改造中)

* 鉄板×1

* 鍋×1

* 古い大鍋×1

* 小鍋×2

* ショベル×1

* ツルハシ×1



食料


* 干し肉×69

* 干し肉(乾燥中)×5

* 柔らかパン×1



素材


* 薬草×57

* 山椒×50

* 塩×14

* 葉っぱ 多数



設置中


* 罠

* 魚罠×2



預け


* 馬×1(グレン工房預かり)

* リアカー×1(グレン工房改造中)

* 奴隷少女×1(診療所療養中)



本日の拠点変化


* 木3本伐採

* 切り株1除去

* 切り株残り2

* 拠点空間拡張

* 木材追加


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