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コウの物語  作者: パルス


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12/30

第12話「森の奥」



 朝、目を覚ます。


 火はまだ残っていた。


 コウはしゃがみ込み、枝を少し足す。


 小枝ばかりだ。


 火はつく。


 だが弱い。


 鍋を使うようになってから、余計に感じるようになっていた。


「……薪も欲しいな」


 火を見ながら小さく呟く。



 視線を横へ向ける。


 吊るされた肉。


 かなり量が増えていた。


 先に仕込んだ2匹分は、

もうかなり乾いている。


 後から追加した5匹分は、

まだ少し水気が残っていた。


 吊るした時期が違う。


 だから場所も分けてある。



 さらに横には、

完成済みの干し肉が3個。


 こちらは別に置いていた。


「……増えたな」


 新しく完成した分とは混ぜない。


 今ある3個から先に食う。


 その方がわかりやすい。


「……混ざると面倒だしな」



 立ち上がる。


 今日はまず罠確認。


 鉄ナイフだけ腰へ差す。


 罠を見るだけなら十分だった。


 余計に森を荒らしたくもない。


 木を切れば、

音も匂いも残る。


 動物も警戒する。


 罠場の近くは、

なるべく静かなままがいい。



 外へ出る。


 朝の空気はまだ冷えていた。


 いつもの道を歩く。


 草を踏む音。


 湿った土の感触。


 森は静かだった。



 最初の罠へ近づく。


 少し揺れていた。


「……かかってるな」


 ウサギが1匹。


 暴れた跡が周囲へ残っている。


 コウは周囲を確認してから近づいた。


 縄を押さえ、手早く外す。


 状態を見る。


「……悪くない」


 袋へ入れる。


 次の罠へ向かう。



 2つ目も、途中で違和感があった。


 草が揺れている。


「こっちもか」


 近づく。


 こちらにも1匹かかっていた。


 少し縄が擦れている。


 コウはしゃがみ込み、罠を確認した。


「……後で直すか」


 先にウサギを回収する。



 回収を終えると、

コウはそのまま罠へ手を伸ばした。


 縄を締め直す。


 擦れていた部分を確認する。


 支えの枝も少し歪んでいた。


 差し替える。


 角度を調整する。


 引き具合を確かめる。


「……よし」



 拠点へ戻る。


 ウサギを下ろす。


「……先にやるか」


 放置はしたくなかった。


 気温も上がる。


 傷み始めれば無駄になる。



 血抜きを終え、

皮を剥ぐ。


 新しい鉄ナイフを使う。


「……やっぱ違うな」


 切れ味が安定している。


 細かい作業もやりやすい。



 肉を分ける。


 山椒10粒を使う。


 擦り潰し、肉へまぶす。


 さらに塩1を使う。


 吊るす。


 2匹分。


 干し肉10個分。



 今日吊るした分は、

まだ包まない。


 乾燥中の肉は、

順番がわかるよう場所を分ける。


 先に仕込んだ分。


 後から仕込んだ分。


 そして今日の分。


 少しずつ、

段階が増えていた。



 そこで、

先に吊るしていた2匹分を確認する。


 指で軽く押す。


 水気はかなり抜けていた。


「……もういいか」


 丸1日。


 今のやり方なら、

十分乾いている。



 コウはそれを下ろす。


 5個ずつまとめる。


 葉で包む。


 これで完成だ。


 先に完成した分だとわかるよう、

包み方も少し変える。



 完成した干し肉を移す。


 新しい10個。


 今ある3個。


 置き場所を分ける。


 古い方から食う。


 その方が管理しやすかった。



 吊るし終える。


 かなり場所を使うようになってきた。


「……足りなくなるな」


 ラックも。


 火も。


 薪も。


 全部だった。



 手を洗い、

一度息を吐く。


 今日は探索へ行く。


 塩。


 それと、

使えそうな物も探したい。



 背負いカバンを手に取る。


 簡易袋を3枚。


 紐。


 それからカバン。


 拾った物を分けられるようにしておく。



 木槍を背負いカバンへ引っ掛ける。


 手は空けておきたかった。


 腰にはナタ。


 鉄ナイフも持つ。



「……行くか」


 コウは拠点を出た。



 森の中を進む。


 いつもの罠場周辺とは少し違う。


 踏み慣れた場所を外れるだけで、

空気も変わった。



 コウは急がない。


 周囲を見る。


 地面。


 岩。


 水の流れ。


 塩があるなら、

まず岩場か水辺。


 そんな感覚だった。



 途中で立ち止まる。


 地面へしゃがみ込む。


「……掘れそうだな」


 土質を見る。


 湿り方を覚える。


「次だな」


 今日は場所を見るだけ。



 さらに進む。


 枝をナタで軽く払う。


「……楽だな」


 細木なら十分切れる。



 しばらく歩いた頃、

風景が少し変わる。


 木の間へ、

細長い緑が混ざっていた。


「……ん?」



 近づく。


 細い節。


 真っ直ぐ伸びる幹。


 束になって生えている。


「……竹か?」



 手で触る。


 軽い。


 しなる。


 真っ直ぐ。


「……これ、かなり使えるな」



 周囲を見る。


 かなり生えている。


 全部持って帰るのは無理だ。


「……選ぶか」


 コウはナタを抜いた。



 長さを見ながら切る。


 細い物。


 太い物。


 節が使いやすそうな物。



 だが全部は持てない。


 背負いカバンへ固定できる量だけ選ぶ。


 紐で軽くまとめる。



 コウは周囲を見回す。


 岩場。


 水辺。


 湿った地面。


 塩がありそうな場所は、

まだ先にありそうだった。


 だが今日は竹を見つけてしまった。


「……今回は諦めるか」


 塩探しは、

次の探索へ回す。


 まずは竹を持って帰る。



 コウは背負いカバンを持ち直す。


「……また来るか」



 帰り道、

いつもの場所へ寄る。


 薬草10束。


 山椒10粒。


 さらに山菜も少しだけ回収する。



 拠点へ戻る頃には、

日もまだ高かった。



 コウは背負いカバンを下ろす。


 竹を並べる。


「……これは当たりだな」



 かなり歩いた。


 腹も減っている。


「……先、食うか」



 大鍋へ水を入れる。


 まず山菜を入れる。


 アクを抜く。



 その間、

コウは竹へ手を伸ばした。


 節の少し上へナタを入れる。


 割る。



 内側を軽く削る。


 水ですすぐ。


 椀代わり。


 さらに浅く切る。


 こちらは皿。



 今度は細く割る。


 削る。


 先端を整える。


「……箸もいけるな」



 鍋の湯を捨てる。


 野菜を切って入れる。


 さらに山椒1粒を使う。


 塩1を使う。


 最後に、

食用へ分けていた干し肉から2個取る。


 軽く炙る。



 鍋を火へ掛ける。


 湯気が立つ。


 竹の椀へよそう。


 一口。


「……うまいな」



 食事を終える。


 火へ枝を足す。


 そのまま、

コウは竹を引き寄せた。



 細めの竹を選ぶ。


 長さを揃える。


 ナタで割る。


 さらに細くする。


 紐2本を使う。



 竹を曲げる。


 固定する。


 さらに細い竹を渡す。



 細長い筒型。


 簡易魚罠。


 さらにもう1つ作る。



 出来上がった2つを並べる。


「……よし」



 コウは魚罠を持って小川へ向かった。


 石で固定する。


 流されないよう、

紐も結ぶ。



 もう1つは少し下流。


 位置を調整する。


「……こんなもんか」



 コウはそのまま拠点へ戻った。



 戻る頃には、

日も少し傾き始めていた。



 コウは再び竹を並べる。


 細めの物を取る。


 長さを揃える。



 簡単な枠を組む。


 横へ竹を渡す。


 固定。


 補強。



 持ち上げる。


「……悪くないな」


 小さい棚だった。



 さらにもう1つ。


 こちらは少し広めに作る。


 風が通るよう隙間を空ける。


 薬草を並べる。


「……こっちの方が乾きやすいか」



 拠点の中を見回す。


 鍋。


 塩。


 工具。


 袋。


 干し肉。


 そして竹細工。


 前とは違う。


 食うだけじゃない。


 作るための物が増えていた。



「……やっぱ木欲しいな」


 竹は便利だ。


 だが強度はそこまで高くない。


 薪にも向かない。



 火を見る。


 小枝が崩れる。


「……明日だな」


 まず木。


 その後――


「塩だ」


 岩塩探索。


 今日は竹を優先しただけだった。



 コウは火を見ながら、

小さく息を吐いた。


 やることは、

また増えていた。



PL(第12話終了時点)


■開始


* 干し肉3

* 乾燥中干し肉2匹分

* 乾燥中干し肉5匹分

* 薬草9

* 山椒53

* 野菜2

* 塩20

* 紐5本



■採取


* ウサギ2匹

* 薬草10束

* 山椒10粒

* 山菜少量

* 竹複数



■加工


* 乾燥中干し肉2匹分

→ 完成干し肉10個

* 乾燥中干し肉5匹分

→ 引き続き乾燥中

* ウサギ2匹

→ 干し肉10個分加工開始



■消費


* 干し肉2

* 山椒11粒使用

* 塩2使用

* 野菜1

* 紐2本使用



■作成


* 竹椀1

* 竹皿1

* 竹箸1組

* 竹製魚罠2

* 竹製簡易棚1

* 竹製薬草乾燥台1



■終了


* 干し肉11

* 乾燥中干し肉5匹分

* 乾燥中干し肉2匹分

* 薬草19

* 山椒52

* 野菜1

* 塩18

* 紐3本



■負債


* エミル立替分 干し肉8相当



BL(第12話終了時点)


■武器


* 木槍1

* 石ナイフ2

* 鉄ナイフ2

* ナタ1



■作業用品


* 石斧1

* ショベル1

* ツルハシ1

* 大鍋1

* 網1



■衣類・装備


* 革靴1

* カバン1

* 普通のカバン1

* 背負いカバン1



■食料(完成品)


* 干し肉11

* 野菜1



■食料(乾燥中)


* 乾燥中干し肉5匹分

* 乾燥中干し肉2匹分



■素材


* 薬草19

* 山椒52

* 塩18

* 山菜少量

* 竹複数

* 植物繊維少量

* ツル類

* 紐3本



■運搬用品


* 簡易袋6



■固定資産


* 簡易拠点1

* 石組み簡易かまど2

* 干し肉ラック1

* 薬草乾燥場所1

* 簡易魚囲い1

* 動物避け用焚火複数

* リアカー(制作中)

* 棚1(受取待ち)



■新規設備


* 竹製簡易棚1

* 竹製薬草乾燥台1

* 竹製魚罠2設置中



■負債


* エミル立替分:干し肉8相当


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