第12話「森の奥」
朝、目を覚ます。
火はまだ残っていた。
コウはしゃがみ込み、枝を少し足す。
小枝ばかりだ。
火はつく。
だが弱い。
鍋を使うようになってから、余計に感じるようになっていた。
「……薪も欲しいな」
火を見ながら小さく呟く。
◇
視線を横へ向ける。
吊るされた肉。
かなり量が増えていた。
先に仕込んだ2匹分は、
もうかなり乾いている。
後から追加した5匹分は、
まだ少し水気が残っていた。
吊るした時期が違う。
だから場所も分けてある。
◇
さらに横には、
完成済みの干し肉が3個。
こちらは別に置いていた。
「……増えたな」
新しく完成した分とは混ぜない。
今ある3個から先に食う。
その方がわかりやすい。
「……混ざると面倒だしな」
◇
立ち上がる。
今日はまず罠確認。
鉄ナイフだけ腰へ差す。
罠を見るだけなら十分だった。
余計に森を荒らしたくもない。
木を切れば、
音も匂いも残る。
動物も警戒する。
罠場の近くは、
なるべく静かなままがいい。
◇
外へ出る。
朝の空気はまだ冷えていた。
いつもの道を歩く。
草を踏む音。
湿った土の感触。
森は静かだった。
◇
最初の罠へ近づく。
少し揺れていた。
「……かかってるな」
ウサギが1匹。
暴れた跡が周囲へ残っている。
コウは周囲を確認してから近づいた。
縄を押さえ、手早く外す。
状態を見る。
「……悪くない」
袋へ入れる。
次の罠へ向かう。
◇
2つ目も、途中で違和感があった。
草が揺れている。
「こっちもか」
近づく。
こちらにも1匹かかっていた。
少し縄が擦れている。
コウはしゃがみ込み、罠を確認した。
「……後で直すか」
先にウサギを回収する。
◇
回収を終えると、
コウはそのまま罠へ手を伸ばした。
縄を締め直す。
擦れていた部分を確認する。
支えの枝も少し歪んでいた。
差し替える。
角度を調整する。
引き具合を確かめる。
「……よし」
◇
拠点へ戻る。
ウサギを下ろす。
「……先にやるか」
放置はしたくなかった。
気温も上がる。
傷み始めれば無駄になる。
◇
血抜きを終え、
皮を剥ぐ。
新しい鉄ナイフを使う。
「……やっぱ違うな」
切れ味が安定している。
細かい作業もやりやすい。
◇
肉を分ける。
山椒10粒を使う。
擦り潰し、肉へまぶす。
さらに塩1を使う。
吊るす。
2匹分。
干し肉10個分。
◇
今日吊るした分は、
まだ包まない。
乾燥中の肉は、
順番がわかるよう場所を分ける。
先に仕込んだ分。
後から仕込んだ分。
そして今日の分。
少しずつ、
段階が増えていた。
◇
そこで、
先に吊るしていた2匹分を確認する。
指で軽く押す。
水気はかなり抜けていた。
「……もういいか」
丸1日。
今のやり方なら、
十分乾いている。
◇
コウはそれを下ろす。
5個ずつまとめる。
葉で包む。
これで完成だ。
先に完成した分だとわかるよう、
包み方も少し変える。
◇
完成した干し肉を移す。
新しい10個。
今ある3個。
置き場所を分ける。
古い方から食う。
その方が管理しやすかった。
◇
吊るし終える。
かなり場所を使うようになってきた。
「……足りなくなるな」
ラックも。
火も。
薪も。
全部だった。
◇
手を洗い、
一度息を吐く。
今日は探索へ行く。
塩。
それと、
使えそうな物も探したい。
◇
背負いカバンを手に取る。
簡易袋を3枚。
紐。
それからカバン。
拾った物を分けられるようにしておく。
◇
木槍を背負いカバンへ引っ掛ける。
手は空けておきたかった。
腰にはナタ。
鉄ナイフも持つ。
◇
「……行くか」
コウは拠点を出た。
◇
森の中を進む。
いつもの罠場周辺とは少し違う。
踏み慣れた場所を外れるだけで、
空気も変わった。
◇
コウは急がない。
周囲を見る。
地面。
岩。
水の流れ。
塩があるなら、
まず岩場か水辺。
そんな感覚だった。
◇
途中で立ち止まる。
地面へしゃがみ込む。
「……掘れそうだな」
土質を見る。
湿り方を覚える。
「次だな」
今日は場所を見るだけ。
◇
さらに進む。
枝をナタで軽く払う。
「……楽だな」
細木なら十分切れる。
◇
しばらく歩いた頃、
風景が少し変わる。
木の間へ、
細長い緑が混ざっていた。
「……ん?」
◇
近づく。
細い節。
真っ直ぐ伸びる幹。
束になって生えている。
「……竹か?」
◇
手で触る。
軽い。
しなる。
真っ直ぐ。
「……これ、かなり使えるな」
◇
周囲を見る。
かなり生えている。
全部持って帰るのは無理だ。
「……選ぶか」
コウはナタを抜いた。
◇
長さを見ながら切る。
細い物。
太い物。
節が使いやすそうな物。
◇
だが全部は持てない。
背負いカバンへ固定できる量だけ選ぶ。
紐で軽くまとめる。
◇
コウは周囲を見回す。
岩場。
水辺。
湿った地面。
塩がありそうな場所は、
まだ先にありそうだった。
だが今日は竹を見つけてしまった。
「……今回は諦めるか」
塩探しは、
次の探索へ回す。
まずは竹を持って帰る。
◇
コウは背負いカバンを持ち直す。
「……また来るか」
◇
帰り道、
いつもの場所へ寄る。
薬草10束。
山椒10粒。
さらに山菜も少しだけ回収する。
◇
拠点へ戻る頃には、
日もまだ高かった。
◇
コウは背負いカバンを下ろす。
竹を並べる。
「……これは当たりだな」
◇
かなり歩いた。
腹も減っている。
「……先、食うか」
◇
大鍋へ水を入れる。
まず山菜を入れる。
アクを抜く。
◇
その間、
コウは竹へ手を伸ばした。
節の少し上へナタを入れる。
割る。
◇
内側を軽く削る。
水ですすぐ。
椀代わり。
さらに浅く切る。
こちらは皿。
◇
今度は細く割る。
削る。
先端を整える。
「……箸もいけるな」
◇
鍋の湯を捨てる。
野菜を切って入れる。
さらに山椒1粒を使う。
塩1を使う。
最後に、
食用へ分けていた干し肉から2個取る。
軽く炙る。
◇
鍋を火へ掛ける。
湯気が立つ。
竹の椀へよそう。
一口。
「……うまいな」
◇
食事を終える。
火へ枝を足す。
そのまま、
コウは竹を引き寄せた。
◇
細めの竹を選ぶ。
長さを揃える。
ナタで割る。
さらに細くする。
紐2本を使う。
◇
竹を曲げる。
固定する。
さらに細い竹を渡す。
◇
細長い筒型。
簡易魚罠。
さらにもう1つ作る。
◇
出来上がった2つを並べる。
「……よし」
◇
コウは魚罠を持って小川へ向かった。
石で固定する。
流されないよう、
紐も結ぶ。
◇
もう1つは少し下流。
位置を調整する。
「……こんなもんか」
◇
コウはそのまま拠点へ戻った。
◇
戻る頃には、
日も少し傾き始めていた。
◇
コウは再び竹を並べる。
細めの物を取る。
長さを揃える。
◇
簡単な枠を組む。
横へ竹を渡す。
固定。
補強。
◇
持ち上げる。
「……悪くないな」
小さい棚だった。
◇
さらにもう1つ。
こちらは少し広めに作る。
風が通るよう隙間を空ける。
薬草を並べる。
「……こっちの方が乾きやすいか」
◇
拠点の中を見回す。
鍋。
塩。
工具。
袋。
干し肉。
そして竹細工。
前とは違う。
食うだけじゃない。
作るための物が増えていた。
◇
「……やっぱ木欲しいな」
竹は便利だ。
だが強度はそこまで高くない。
薪にも向かない。
◇
火を見る。
小枝が崩れる。
「……明日だな」
まず木。
その後――
「塩だ」
岩塩探索。
今日は竹を優先しただけだった。
◇
コウは火を見ながら、
小さく息を吐いた。
やることは、
また増えていた。
⸻
PL(第12話終了時点)
■開始
* 干し肉3
* 乾燥中干し肉2匹分
* 乾燥中干し肉5匹分
* 薬草9
* 山椒53
* 野菜2
* 塩20
* 紐5本
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■採取
* ウサギ2匹
* 薬草10束
* 山椒10粒
* 山菜少量
* 竹複数
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■加工
* 乾燥中干し肉2匹分
→ 完成干し肉10個
* 乾燥中干し肉5匹分
→ 引き続き乾燥中
* ウサギ2匹
→ 干し肉10個分加工開始
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■消費
* 干し肉2
* 山椒11粒使用
* 塩2使用
* 野菜1
* 紐2本使用
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■作成
* 竹椀1
* 竹皿1
* 竹箸1組
* 竹製魚罠2
* 竹製簡易棚1
* 竹製薬草乾燥台1
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■終了
* 干し肉11
* 乾燥中干し肉5匹分
* 乾燥中干し肉2匹分
* 薬草19
* 山椒52
* 野菜1
* 塩18
* 紐3本
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■負債
* エミル立替分 干し肉8相当
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BL(第12話終了時点)
■武器
* 木槍1
* 石ナイフ2
* 鉄ナイフ2
* ナタ1
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■作業用品
* 石斧1
* ショベル1
* ツルハシ1
* 大鍋1
* 網1
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■衣類・装備
* 革靴1
* カバン1
* 普通のカバン1
* 背負いカバン1
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■食料(完成品)
* 干し肉11
* 野菜1
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■食料(乾燥中)
* 乾燥中干し肉5匹分
* 乾燥中干し肉2匹分
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■素材
* 薬草19
* 山椒52
* 塩18
* 山菜少量
* 竹複数
* 植物繊維少量
* ツル類
* 紐3本
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■運搬用品
* 簡易袋6
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■固定資産
* 簡易拠点1
* 石組み簡易かまど2
* 干し肉ラック1
* 薬草乾燥場所1
* 簡易魚囲い1
* 動物避け用焚火複数
* リアカー(制作中)
* 棚1(受取待ち)
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■新規設備
* 竹製簡易棚1
* 竹製薬草乾燥台1
* 竹製魚罠2設置中
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■負債
* エミル立替分:干し肉8相当




