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ばぁばと孫の転生日記  作者: うらか
コクルト国へ

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パン屋での仕事もだいぶ慣れてきた。

「パン焼けたよ〜持って行って〜」

パンを作っている作業場からエコピットさんの声が聞こえてくる。

「は〜い」

パン屋は本当に猫の手も借りたいくらい忙しいが充実している。

「ネリアちゃん、もうそろそろ行かないと配達遅れるんじゃないの?」

「あっそうでした。ありがとうございます」

「これ、配達のパンね」

「行ってきます」

この店ではパンの配達もやっていて実は最近、騎士団にも配達している。

今日は配達先が多く大変な日だ。1つ1つをテンポ良くこなしていかなければならない。

「ありがとうございました。またよろしくお願いします」

数カ所、配達を終え次の配達先が書かれているメモを開くと騎士団と書かれていた。

時間と残りの配達先を見るにあまり時間はかけていられないと思い騎士団の廊下を走っていると

「おっと…」

「あっごめんなさい!」

前をよく見ておらず人とぶつかってしまった。

「こっちこそ悪い。怪我はないか?」 

手を差し伸べてきたのは男性で騎士の制服を着ていた。

「大丈夫です。ごめんなさい。急いでいるのでこれで」

と素早く頭を下げて立ち去った。

時間がなかったためお嬢様の作業場にも顔を出せずパン屋に戻った。

「ただいま帰りました」

「おかえり。配達ありがとう」

その後も焼きたてのパンを商品棚に並べたり閉店後の片付け作業までしていると外はあっという間に暗くなっていた。

お嬢様と別々で働くようになってから夜、遅い日はお嬢様の専属護衛のどちらかが迎えに来てくれるようになった。

なんでもお嬢様が心配だからと2人に頼んだらしい。

私は侍女なのにお嬢様にそこまでしてもらうのは申し訳ないと言ったのに。

専属護衛の2人はあまり喋らないけど優しい。

「今日も待って頂いてすみません」

「いえ。行きましょう」

「はい」

屋敷に帰ってからお嬢様の身の回りの世話をする。

あれから毎日、お嬢様の髪の毛でマモッコの練習をさせてもらっていてだいぶ上手くなったと思う。

「こんな感じでどうですか?」

今日もナビナさんに見守ってもらいながらセットしていく。

「うん。良い感じですね。カトリナ様も痛くはありませんか?」

「ええ。大丈夫よ」

「良かったです」

最近ではすっかりマモッコで寝るのが定番だ。

「ありがとう。ナビナはもう下がって。ネリアはもう少し残ってくれる?」

「承知しました」

そうしてナビナさんは下がって行った。

私達は別々に働くようになってから時間が合わない時も多いので夜に今日あった出来事などを話す。

「明日は?早いの?」

「うん」

「それなら早く寝なきゃね」

私が働いているパン屋には早番と遅番がある。 

基本的に早番は開店準備をし遅番は閉店後の片付けをする。

「お嬢様も針子の仕事、忙しい?」

「忙しいけどやりがいがあるわ」

「あっそういえば今日、騎士団に行った。時間がなくて行けなかったけど」

「そうなのね」

そんなある日、騎士団から大量のパンの配達注文があった。

この日は出勤している人も少なくて配達先も騎士団だけだったから私が1人で行く事になった。

なんとか騎士団に到着しパンが入っているトレイを持っていつもの廊下を歩く。

でも今日はパンの量が多くて重たいし何段か重なっているので前も見えづらい。

「持つよ」

ふと声が聞こえ、見えづらかった視界がパッと開けた。

「あっこの前の…」

声の方を見ると以前ぶつかってしまった騎士だった。

「いえ。お忙しいのに申し訳ないです。これは私が持ちますから」

「いいから」

「ありがとうございます…」

結局、その騎士にトレイを持ってもらった。

「この間はごめんね」

「こちらこそまともにお礼も言わずにすみません」

「急いでたんだろ?」

「はい」

「このパン屋人気だよなぁ。ここで働いてるの?」

「はい」

「あっそういえば名乗ってなかったな。俺は第一騎士隊隊長のフランだ。よろしく」

名前を聞いてお嬢様が思い出した。

よく破れた制服を持って来る騎士がいると聞いていたのだ。その名前は確かフランだった。

「お嬢様の侍女をしているネリアと申します。お嬢様がお世話になっております」

「お嬢様ってもしかしてカトリナちゃん?」

「はい」

「やっぱり〜俺って勘いいの。それにしてもカトリナちゃんの侍女なんだ。初めて知った」

それからよく話すようになり仲良くなった。

ここまでお読み頂きありがとうございます。

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