96(カトリナ視点)
翌日、執事のマールさんに屋敷を案内してもらい午後からは街をナビナさんに案内してもらう。
「カトリナ様、こちらが厨房です」
美しい庭園などを案内してもらい最後に案内されたのが厨房。
見ると片付けを終えたばかりのようでネリアは屋敷付きのコックと顔見知りのようだった。
「昨日からこちらにお世話になっているミール・カトリナと申します。これから厨房も時々使わせて頂くことになると思います。よろしくお願いいたします。それと昨日私の侍女のネリアがお世話になったようで。ありがとうございます」
「初めまして。お話しは聞いております。コック長のスコッピーと申します」
「コックのブレムと申します。よろしくお願いします」
「コックのトロイと申します。よろしくお願いします」
失礼のないように挨拶をする。
「厨房の案内をお願いしても?」
マールさんが言う。
「はい。とりあえず中にどうぞ」
「ありがとうございます」
コック長は忙しくブレムさんとトロイさんの2人が説明してくれた。
「こんな感じです。何か質問はありますか?」
「いえ。大丈夫です。ありがとうございます」
部屋に戻るとナビナがお茶を用意して待っていてくれた。
「お疲れ様でした。1度お茶を飲んでゆっくりされてください」
出されたのはどう見ても緑茶の色をしていた。
「これはコクルト国でよく飲まれている伝統茶です。体にもとっても良いんですよ。どうぞ」
1口飲むと味も緑茶だ。
この世界に来て初めての緑茶に驚いて少し固まってしまったがなんとか美味しいと返事をしネリアにも視線を送る。
そしてナビナさんが出て行ったのを確認しネリアと話す。
「これって緑茶だよね?」
「うん」
「この世界にも緑茶があるなんて驚きだけどまた飲めるの嬉しい。それにしてもこれにスパイスを入れるなんて想像できないわ」
ナビナにこれにスパイスを入れると教えてもらったのだ。
久しぶりの緑茶の味だったからかいつもより美味しく感じた。
午後。ナビナと一緒に街へ出た。
コクルト国はカドーニ王国と違って貴族街や平民街という区別はない。
まずはコクルト国の名産品であるスパイスを体調などによって調合してくれるお店に行く。
「さっき出してくれたあのお茶なんていうの?」
「あぁ。あれはモク茶というんですよ」
それから店員さんに体調に関する悩みを話しそれに効くスパイスを調合してもらう。
ナビナのモク茶に入れた方が摂りやすいというアドバイスでそうしてもらった。
次の目的地であるパン屋に向かう前に雑談としてコクルト国の事を色々聞いていると穀物の話が出てきた。
今まで穀物と言えば小麦だったがここで言う穀物はパンではなく米のような使い方をするようだ。
それを聞いて私は興奮した。
米でなくとも米のように使えるようなものがあれば料理の幅が広がる。
屋敷にあると聞き今すぐ見に行きたい気持ちを抑え、お使いも兼ねているのでとりあえずパン屋へ向かう。
「この国では硬いパンが主流です」
その言葉を聞いて驚いた。
昨日の夕食も今日の朝食でも付け合わせに出てきたパンは柔らかかったからだ。
コクルト国では最近柔らかいパンが流行り出したらしく屋敷では私達に合わせて柔らかいパンにしてくれていたらしい。
「そうなの?硬いパンも食べてみたいわ」
「受け取りのパンを持ってきてもらう間に店内を見て回りましょう」
「ええ。楽しみだわ」
その時、店員募集の貼り紙を見つけた。
それはネリアも同じようでじっくりと貼り紙を見ていた。
その後、皆でパンを選ぶ。
全種類食べたい気持ちを抑え硬いパンを中心に数種類を選び初めて見たパン切りカッターでおすすめの厚さに切ってもらった。
なんだかコクルト国はインドとドイツが融合しているようだと考えていると声に出てしまったようだ。
ナビナには怪訝な顔をされて恥ずかしくなる。
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