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「ちょっと興奮しすぎです」
厨房から部屋へと戻り調合してもらったモク茶を淹れながら話す。
「ごめんなさい。でもお米よ」
「そうだけどこっちでお米を食べる文化は少ないみたいだしコクルト国でも白米じゃなくて雑穀米だったじゃない。あんまり興奮すると変に思われるよ。今のあなたは公爵令嬢なんだから」
「そんな事言ったって…貴族って大変なのね。なおさら私じゃなくてあなたが転生すればある程度自由にできたのに」
「侍女だってそんな自由じゃない。むしろ令嬢の方が良い。だって旅も許してくれたしある程度好きにできるじゃない」
「お互い隣の芝が青く見えてるだけね。それよりあのパン屋の貼り紙見た?」
「見たよ」
「こっちではパン屋の店員をやるのも良いわね。応募してみようかしら?」
「面白そうだから私もやってみたいと思った」
その時、マールさんが部屋のドアを叩いた。
「お話中失礼します。お客様です」
そのすぐ後ろにはニコッと笑うフェルソニー様がいた。
「お兄様!」
「久しぶりだね。元気にしてた?」
それからお茶を淹れ隅へと下がる。
「なに飲んでるの?」
「これは今日行ったお店で調合してもらったモク茶です。その人の体調などに合わせて何種類かのスパイスを調合してくれるんですよ」
「へぇ〜僕も行ってみようかな」
「ぜひ。それはそうと今日はどうしたのですか?お仕事がお忙しいのでは?」
「あっ今日はこれを届けに来たんだった。はい、これ届いたんだ」
「もしかしてズボンですか…?」
お嬢様が感動したような目で聞く。
「うん」
「やった〜!」
いきなり椅子から立ち上がり手を上げて喜ぶ。
「そんなに?」
その姿にはフェルソニー様も驚いている。
「ええ。とても」
お嬢様は笑みを浮かべる。
「そういえば仕立て屋から感想教えてくれって。あとこれを商品として販売する事も考えてるって」
「商品として?」
「うん。まだどこにもないものだし許可をもらえたら具体的な事相談したいって。どうする?」
「そうですねぇ。仕立て屋とのやり取り、私にやらせてもらってもよろしいですか?」
「分かった。じゃあ後で宛先教えるよ」
「ありがとうございます」
「あっそれともう1つ相談があるんだ。カドーニの時みたいにこっちでも仕事って探してる?」
「はい。今日行ったパン屋さんでも募集が出ていたので応募しようかと思っていた所です。それがどうかしましたか?」
「実は今回協力してもらっている騎士団が針子を探しているようで周りにも声をかけて欲しいと頼まれたんだ。カトリナなら刺繍も得意だしどうだろう?」
「私で良ければやらせて頂きたいと思いますが1度お会いした方が良いのではないでしょうか?」
「じゃあ騎士団に話通しておくよ」
「はい。よろしくお願いします」
「それはそうと今日の服、似合ってるよ」
「ふふっ。ありがとうございます」
去り際にそう言うフェルソニー様にお嬢様は笑って答える。
「叔父様にも話あるからこの辺で失礼するよ」
「はい。また」
フェルソニー様が行ってすぐズボンの試着をする。
「うんうん。色も良いし丈もちょうど良いわね。希望通り。でももう少しここはゆるい方が良いかしら。さっそく手紙書かなくちゃ」
さっそくフェルソニー様が教えてくれた宛先に手紙を出すため便箋を用意しさらさらと書いていた。
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