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あれから仕立て屋からの連絡はない代わりに私達が旅立つ直前にフェルソニー様の手紙で完成したのでこっちに送ると連絡があったと知らせが届いた。
つまりコクルト国へ行けばズボンが履けるという事だ。
お嬢様がいつもよりウキウキして見えるのはそれもあるだろう。
カドーニ王国からコクルト国へは片道3〜4日かかる。
その間に色々な街に宿泊した。
本当に少しの滞在だったけれどその街の特産のものを土産にする。
木工製品や宝石、後ろの荷台を氷で冷やして果物やワイン、肉などさまざまなものを買っていく。
特にりんごに似た果物がありそれを使ってパイを作ろうという話になった。
「これでアップルパイが作れるかもしれないわ。好きだったわよね?」
アップルパイは私が前の世界で好きだったものだ。
「はい」
「次はもっとゆっくり観光に来たいわ」
「そうですね。でもこのくらいの距離なら滞在中も来れるのではないかと思います」
「そうね。そうしましょう!楽しみだわ」
そうして到着したコクルト国。
やはりカドーニ王国とは雰囲気が違う。
今日はこのまま屋敷へ向かう事になっている。
屋敷の目の前まで馬車で送ってもらい、降りたはずなのにお嬢様はしばらくその場に立ったままだ。
「どうかしましたか?」
私が声をかけると我に返ったように
「いや、私は叔父様に会うの初めてだから緊張しちゃって」
と小声で言った。
「叔父様と会うのは久しぶりらしいのでお会いしたらお久しぶりです。叔父様と言ってください」
私は事前にフェルソニー様から得ていた情報をお嬢様に小声で伝えた。
「うん。じゃあそうする」
深呼吸をして屋敷の中に入る。
「カトリナ様、ようこそいらっしゃいました。旦那様の執事をしておりますマールと申します。どうぞこの屋敷でごゆるりとお過ごしください」
出迎えてくれたのはこの屋敷の執事だった。
やはりこの国では男性もワンピースを着ていてお嬢様と私以外は驚いていた。
言うならばモンゴルの民族衣装に近い感じだ。
「この度はありがとうございます。ミール・カトリナです。よろしくお願いいたします」
「さぁ旦那様もお待ちです。こちらへ」
通されたのは叔父の執務室。
コンコン。
「カトリナ様御一行をお連れしました」
「入れ」
叔父様の声とともに私達は部屋に入る。
「叔父様、お久しぶりです。この度は滞在を許して頂きありがとうございます。私の侍女のネリアと護衛のシシーとアランドレです。これからよろしくお願いいたします」
私達は一斉に頭を下げた。
「やぁ、カトリナ。よく来たね。兄上から事情は聞いている。大変だったな。ここでは自分の家だと思ってくつろいでくれ」
「ふふっ。ありがとうございます。それにしてもお召し物とても似合っています」
叔父が着ているものも執事と同じだ。
「ありがとう。これはコクルト国の伝統衣装なんだ。あっそうだ!カトリナにはナビナをつけるつもりだ。何か困った事があればナビナに言ってくれ」
「カトリナ様、ナビナと申します。よろしくお願いいたします」
「よろしくお願いします」
「夕食までは時間がある。まずは長旅で疲れただろうからゆっくり休んでくれ」
「はい。ありがとうございます」
そうして私達は執務室を出た。
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