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ばぁばと孫の転生日記  作者: うらか
小話

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84/132

84(シシー&アランドレ視点)

後日、秘密にしているのが耐えきれなくなったのかお嬢様にこの前の舞踏会について事情を説明すると言う。

「本当にすまない。守秘義務の関係でなかなか言えなかった」

「私達も秘密にしていて申し訳ありませんでした」

フェルソニー様同様謝り、頭を下げた。

「いえ、謝らないでください。あの時は突然で驚きましたがそういう事なら良かったです」

ひと通りの事情を聞いたお嬢様はとても冷静だった。

「それとコクルト国との合同捜査が始まる事になって僕もそこに加わる事になった。それに伴ってしばらくコクルト国へ滞在する事になる。そこで相談なんだけどカトリナ達もコクルト国へ一緒に行かないか?」

コクルト国へ行く話は私達もこの時、初めて聞いた。

「えっ?そんな急に…」

「急だよね。分かってる。でも誘拐まで企てられて1人にするのは心配なんだ。どうかな?」

「お兄様、お兄様の心配は重々承知しております。でも私だっていつまでもお兄様に頼るわけには参りません」

お嬢様は突然の事に驚きながらもはっきりと告げる。

「そんな…あっちが当分の滞在先まで用意してくれるのに?」

ショックを受けた表情で話し続けるフェルソニー様にお嬢様は鋭い指摘をする。

「それはお兄様のでしょう?」

「言えばカトリナ達の滞在先だって用意してくれるよ。それに1人になりたいなら心配ない。しばらく仕事で忙しいから帰れない日が多いと思うし」

「お兄様、そういう問題ではないのです」

「じゃあどういう問題?」

「私にとってこの旅は自身を癒すと同時に成長のための旅でもあるのです。いつまでもお兄様と一緒にいたらどうしても甘えてしまいます。今の仕事も中途半端で投げ出したくありませんし」

お嬢様は静かに話す。そうなのだ。お嬢様はずっと

「甘えてもいいじゃないか。思う存分甘えて自分を癒せばいい」

「そうでした…お兄様はそういう方でした。とにかくコクルト国へ行くとしても別々でお願いします」

一向に引き下がらないフェルソニー様に対して頑とした姿勢で告げる。

するとフェルソニー様も少しは理解してくれたようでフェルソニー様が先にコクルト国へと向かいその1ヶ月後に私達も行く事で決着がついた。

そしてフェルソニー様がコクルト国へ向かう直前。

この間の仕立て屋から連絡が来たと聞いた。

「仕立て屋によると良い所まで来てるからもう少し時間が欲しいって。だからコクルト国の方に送ってもらう事にした。まだ2人の滞在先知らないから僕の所に。いい?」

「はい!でも途中でもいいからちょっと見たい気もしますね」

「じゃあちょっと見に行く?」

「えっ?」

そのまま貴族街のあの仕立て屋に行く。

チリンチリン。

ドアを開けて店に入る。

「いらっしゃいませ。あっ先日はありがとうございました」

「忙しい所すまないね。妹があれの途中経過を見たいって」

「申し訳ありません。どうしても気になって」

「こちらです」

店主が作業場のような場所に案内してくれた。

「こんな感じです。聞いた事がなかったのでもう1度調べてみたところ似たようなものは見つかりましたがお嬢様の描いたものとはどれも違いました」

「ええ。平民街へ行っても下着用などしかなくて」

「ですのでお嬢様の絵を元に型紙から作りました。それがこちらです」

「へぇ〜この世界にはズボン自体そんなにないみたいなのにここまで作れるなんてこれだけでもすごいわ」

「生地はお嬢様が指定された黒とベージュ、白で作ろうと思っております。しかし仮縫いの時点でどうしても上手くいかず…」

「どこが上手くいかないのかしら?」

「ここの部分が…」

「ここはこうすれば良いのでは?」

「でもこうするとここがよれてしまって」

「じゃあこうはどうかしら?」

お嬢様と店主は真剣に話し合っていた。時にはネリアさんも交えて。

「あぁ、そうか!良いアイデアが思いつきました。これを元にもう1度考えてみます。重ね重ねありがとうございました」

ひと通り話を終えて店を出た。

「カトリナは本当にすごいな。衣服なんて作った事あったの?」

「いえ。以前少し本で見ただけです」

「へぇ〜」

「あの!そのズボン?って俺達も着れるんですか?」

「ちょっとアランドレ!」

アランドレが何気なく聞いた。

「あっそうねぇ!騎士にこそ良いかもしれないわ。気づかせてくれてありがとう」

それからフェルソニー様がコクルト国へ旅立った後の1ヶ月間は意外と忙しかった。

というのもお嬢様がよく出かけるようになったのだ。

単に買い物などだけではなく、絵を描いたり慈善活動をするためが多かった。

コクルト国での最後の1ヶ月を惜しむかのように過ごしていた。

私達も最初の挨拶以来の騎士団に向かい最後の挨拶をしたりお嬢様の送別会について行ったり色々あってついに迎えた出発の日。

これまでお嬢様がお世話になったたくさんの人が見送りに来ており改めてお嬢様の人望の良さを感じる。 コクルト国ではお嬢様の叔父様の屋敷に私達共々滞在することになっており私達も何かしようかと話していた所だ。

これから何が起こるかは分からないが、新しい土地へ行けるのは楽しみだ。

ここまでお読み頂きありがとうございます。

これで小話(幕間)は終了です。

次回からは本当にコクルト国編へ入ります。

次回もよろしくお願いいたします。

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