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そこには人が倒れていた。
私達が着いた後から人が集まってきた。
「大丈夫ですか?」
護衛のアランドレとライドさんが声をかける。
倒れているのは女性で脇腹には刃物が刺さり血を流している。
反応がないのでアランドレさんが口の前に手を当てて確認した。
「まだ息はあるようです」
「とりあえず病院に運ぼう!手伝ってくれ。アランドレは周りに怪しい人物がいないか確認してくれ」
「承知しました」
フェルソニー様は周りの人にも声をかけて担架に乗せ馬車を呼んで病院へと向かった。
「お嬢様!?大丈夫ですか?」
馬車が去った途端、お嬢様がへなへなと座り込んでしまった。
「ちょっと気が抜けて」
目の前で人が血を流しているのだ。
誰でも怖いだろう。その証拠として私も見た時は腰が抜けそうになった。
「今日はもう帰りましょう」
そこで解散する事にして私達はシシーが呼んでくれた馬車で宿屋へ戻った。
「なんだか大変な事になったわね」
「とりあえず紅茶でも飲んで落ち着いてください」
私はお嬢様に紅茶を出した。
「あんなの目の前で見たの初めて」
「私もです」
「アランドレが帰ってきたらどうなったか聞かなきゃね」
「そうですね」
「あら?2人とも帰って来てたのね。作ってくれた料理、とても美味しかったわ。ありがとう」
「はい。ただいま帰りました。お口に合って良かったです」
「どうしたの?顔色悪いけど」
「実は…」
事の経緯をカミィさんに話した。
「えっ!それは大変だったね」
数時間後。
アランドレさんが戻ってきた。
「アランドレ!どうだった?」
「周りを警戒しましたが怪しい人物はいませんでした。その後病院にも寄ってきて無事処置は完了したとの事ですがまだ意識は戻っていないようです」
「そうなのね」
「意識が回復したらロランさん達が話を聞くと言ってました」
「そう。ありがとう」
「はい」
「疲れたでしょう。今日はもう休んでちょうだい」
「承知しました。お先に失礼します」
そう言ってアランドレは自分の部屋に戻って行った。
「誰がやったんでしょうね」
「まだ分かりませんが今日はとりあえず休みましょう」
「そうね」
そうして波乱の1日を終えた。
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