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「着いたようだ。降りよう」
馬車を降りて中に入りフェルソニー様が面接担当と思しき人物のところまで連れて行ってくれた。
そこにはすでに男女2人が立っていた。
女性の方は眼鏡をかけて真面目そうなキリッとした雰囲気だ。
一方男性はがっちりとした体格で少し威圧感を感じる。
「こんにちは。お待ちしていました。採用担当のジム・ケイリーと申します。よろしくお願いします」
「初めまして。ミール・カトリナと申します」
「初めまして。同じく採用担当のスミス・ロビンソンと申します。よろしくお願いします」
「初めまして。ネリアです」
「お2人の話は聞いています。こちらでそれぞれ面談をさせて頂きます」
私達は別室で面談を受ける事になった。
私の担当は男性だ。
「お座りください。履歴書は持って来ましたか?」
「はい。こちらです」
私が差し出した履歴書を静かに眺めている。
「はい。特に問題はありませんね。採用です。これからよろしくお願いします」
「えっ?もう終わりですか?」
あまりにも早く終わってしまって拍子抜けする。
「元々ロランさんが清掃員を雇いたいと言っていたのは知っていますしなによりロランさんが雇いたいと言うなら特にこちらから申し上げる事はありません。ネリアさんが変な人ではない事も確認できましたし」
「お給金や勤務日についての詳細はロランさん達と決めてください。後で事務に伝えてもらえれば良いですから。一応情報局の規則についての冊子を差し上げますのでご一読ください」
「分かりました。ありがとうございます」
「なにか質問はありますか?」
「大丈夫です」
「今日はありがとうございました。ロランさん達の部署までご案内します」
部屋を出るとまだお嬢様は終わっていないようだった。
「ケイリーさんは長いんですよね〜」
ちょっと怖かったけど意外とフランクな人のようだ。
それからロランさんの部署の前まで案内してくれた。
「ここです」
「ありがとうございました」
私は丁寧に頭を下げ深呼吸をしてからノックをした。
「ネリアさん、待っていました」
ドアが開いて出てきたのはロランさん。
でも私はその背後の光景に釘づけになった。
そこに広がっていたのは書類の山。さらに言えば床にも散乱している。
「あっごめんなさい。とりあえず入ってください」
そう言われ悩みながらなるべく書類を踏まないように進む。
「面談は大丈夫でしたか?」
「はい。すぐ終わりました。詳しい事はロランさんと決めてくれって」
結果、週3日勤務でお給金は時給で1200ピールに決まった。
ピールとはこの世界のお金の単位でお金の価値は転生前とそんなに変わらないので1200ピールは1200円という事になる。
「あの…もし良かったら今日このままお掃除しましょうか?」
「えっ?」
ひと通り話が終わった後、私は周りを見渡して問いかけた。
「ああひどい有様ですよね。じゃあ申し訳ないのですが今日の分のお給金もしっかり出しますのでお願いしても良いですか?」
「はい。もちろんです」
「部署のメンバーの紹介は明日させて頂きますので今日はこのままお掃除お願いします。僕はあそこのデスクで仕事をしているのでなにかあったら声かけてください」
ロランさんが仕事に戻ったのを見送って私は掃除を開始した。
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