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「案内するわ」
そう言って2階に上がって行くカミィさんについて行く。その手にはシーツと枕カバーが持たれている。
「部屋はいつも掃除してあるから後は枕カバーとシーツを付けるだけなの。空いてるところ好きに選んで」
「良いんですか?」
「もちろん」
そう言われたので広めの部屋をお嬢様の部屋にしてその両側に私とシシー、ちょうど向かいをアランドレにした。
カミィさんは器用に枕カバーとシーツを付けていく。
「あっそれとここの朝食を提供しているの。あなた達もいる?朝は色々と大変でしょ」
「じゃあお願いします」
「は〜い。じゃあ次は厨房ね」
部屋が決まったのちまた1階に降りて今度は厨房を案内してもらった。
「ここよ」
案内された厨房は思ったよりも広かった。
「普段は朝だけジェフっていうシェフに来てもらってるの。明日紹介するわね。それと今はお使い出てるけどリナリアっていう子もお手伝いに来てくれるの。戻って来たら紹介するわ」
その時。
「カミィさん、ただいま」
姿を現したのはお嬢様より明らかに年下の女の子だ。
「リナリア、おかえり。お使いありがとう」
「あれ?みんな来てたんだ」
この子も顔見知りらしい。
「ああ。俺の妹がここに泊まるんだ。よろしくな」
ずっと私達の近くにいてくれたフェルソニー様が紹介した。
「初めましてリナリアさん。カトリナと申します。こちらは侍女のネリアと護衛のシシーとアランドレです。今日からここでお世話になります。よろしくお願いいたします」
「あっよろしくお願いします。リナリアです」
「厨房にも出入りするから驚かないでね」
「えっ?厨房使うの?」
「だめでしょうか?」
「いやいや、貴族が厨房に立つなんてあんまり聞いた事がないからさ」
「カトリナさんはお菓子作りやお料理が好きで僕達の知らない料理を知ってるんですよ」
「へぇ〜私も食べてみたい」
「今度作る予定なのでぜひ」
「いいの?」
「はい」
「ありがとう」
その会話の後、私達は馬車に積んでいた荷物を下ろし部屋に運んだ。
荷物と言ってもそこまでの量ではないしすぐに終わって履歴書の書き方を教わった。
「ロランさん、ライドさん今日はありがとうございました。助かりました」
私が履歴書を書き終えてそろそろ帰宅時間になったところでお嬢様はそう言い深々と頭を下げた。
「いいえ。また明日お待ちしてます」
フェルソニー様は若干帰宅を渋ったが最終的には明日会えるからとライドさんに引きずられて帰って行った。
「お疲れになったでしょう。ゆっくりお休みください」
「うん。あなたもね」
いつも通りお嬢様のお世話をし終えて自分の部屋に戻る。
そしてこれを機に新しくした手帳に今日あった出来事を書いていく。
これからどんな事が待っているのだろう。
楽しみだ。
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