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カドーニ王国に向かう道中も色々な街に寄り色々なものを見た。
それは本当に読んでいた小説の挿絵そのもので改めてここが小説の世界なんだと感じさせられる。
道中、お嬢様はフェルソニー様とたくさん話していてその中で働きたいという話も出ていた。
「お兄様、私働いてみたいのです」
「えっ?働かなくてもお金はいっぱいあるけど」
返ってきたのは当たり前の反応だった。
公爵令嬢が働くなんて聞いた事が無い。
それでもお嬢様は諦めなかった。
「お金が目的ではなく自分で働いてお金を稼ぐという経験をしてみたいのです」
「そっか。分かったよ。やってみたら?」
「本当ですか?ありがとうございます」
あっさりOKが出て驚いたが、もう1つ衝撃だったのが馬車での移動が予想以上に大変だということ。
よく本とかゲームとかで出てきていたから憧れていたけどいくら公爵家と言っても自動車の座席よりもふわふわしていないしお尻や腰が痛かった。
それに途中危ない目に遭わなかったわけではないがシシーとアランドレが守ってくれた。
2人は本当に強く護衛としての役目をしっかりと果たしてくれた。
そうしてやっと到着したカドーニ王国。
まず最初に訪れたのはフェルソニー様がお世話になっているというカドーニ王立情報局。
なんでもここでアルバイトのような感じでお手伝いをしているようだ。
「着いて早々仕事っぽくてごめんね。ちょっと書類の確認とついでにいつもお世話になってる人達を紹介するよ。本当は紹介したくないけど何かと助けになってくれると思うからさらっとね」
「いえ。お兄様のお世話になっている方々のご挨拶できるのは嬉しいです」
「あっでも男所帯だから気をつけてね。僕も守るから」
「はい」
そしてフェルソニー様の仕事先の前で馬車を降りた。
フェルソニー様は慣れた様子で中に入りすれ違う人に軽く挨拶をしながら進んでいく。
私達もそれに習い軽く頭を下げる。
すると特にフランクに声をかけてくる2人の男性がいた。
「おう!フェルソニーやっと戻ってきたんだな。お前がいない間仕事が多くて大変だったんだぞ」
「妹さんはもう大丈夫ですか?」
1人は快活そうな茶髪の男性でもう1人は眼鏡をかけた少し気弱そうな男性。
「あははっ。すまなかった。紹介するよ。私の妹のカトリナ、侍女のネリア、護衛のシシーとアランドレだ」
フェルソニー様が全員を紹介してくれた順番に挨拶をする。
「皆さん初めまして。妹のミール・カトリナと申します。お兄様がいつもお世話になっております」
「侍女のネリアと申します」
「シシーとアランドレです」
順番に挨拶をすると相手も挨拶をしてくれた。
「初めまして。情報局で一緒に仕事をしているロランと申します。妹さんのお話はよくフェルソニーから聞いています。よろしくお願いいたします」
「初めまして。ライドと申します。何か困った事があればいつでもご相談してくださいね」
どうやら眼鏡をかけた人がロランさんで茶髪の人がライドさんと言うらしい。
「ありがとうございます。初めての土地なので心強いです」
「ちょっと確認したい事があるからカトリナ達はここで待ってて。すぐ戻ってくる。余計なこと言うなよ」
ロランさんとライドさんに釘を刺してフェルソニー様はどこかへ行ってしまった。
ここまでお読み頂きありがとうございます。




