39(フェルソニー視点)
「以上です」
報告が終了しいよいよ自分の本題を話そうとした瞬間。
「今回は弟が妹君に迷惑をかけてすまなかったな」
「あなたが謝るなんて珍しいですね。ではその迷惑料として1つお願いがあります」
僕は殿下に詰め寄った。
「お前のお願いは怖いが…できる限り尽力しよう」
「妹の専属護衛を付けたいのです。腕利きの者を紹介してください。2名が良いです」
「いきなりだな」
「なるべく早くお願いします」
「分かった。見つかるかは分からないがやってみる」
「必ず見つけるんです」
また詰め寄り、圧をかける。
「分かった。お前の頼みだから陛下にも聞いてみて必ず見つけるよ」
「ありがとうございます。約束ですよ。ではよろしくお願いいたします」
少し顔が引き攣っている殿下を見ながら王宮を出て父上にも成果を報告した。
「護衛の件ですが、殿下と陛下が探してくださるようです」
「本当か?どんな手を使った?」
「普通に頼んだだけです」
平然と言う僕を父上は信じていないようだった。
「まぁ分かった。信じる」
「ありがとうございます」
その日の夕食は久しぶりに家族全員での夕食という事もあってか少し豪華だった。
そこで父上が旅の事を確認する。
「旅の件だが、気持ちに変わりはないか?」
「はい」
その時の真剣な目といったらなかった。
「そうか。あれから考えたのだが、確かにカトリナの気持ちも分かる。旅に出てみなさい」
カトリナは嬉しさのあまりか父上に抱きつく。
父上も驚いているが満更ではなさそうだ。
少し羨ましく感じた。
「しかし、条件がある」
さらに条件を話す。
「護衛は僕だけで充分では?」
なんて冗談を言ったりしながら久しぶりに家族との楽しい時間を過ごした。
夕食後、カトリナがお礼を言って来た。
どうやら僕が今回の件に関わっていると思ったらしい。
それは正解なのだが別に感謝される事でもないし認めてしまったらなんだか面白くなかったのでとぼけた。
嬉しそうに部屋に戻っていく妹の後ろ姿を見送って僕も部屋に戻った。
数日後。
殿下からの呼び出しを受け王宮へ向かう。
着くと侍従に謁見の間へと案内された。
「いつもと違うんですね」
「本日は陛下も同席されるとの事です」
「陛下も?」
「はい。こちらです」
すぐに扉が開かれたのでとりあえず跪いて深く礼をする。
「王国の象徴である陛下にご挨拶いたします」
「堅苦しい挨拶はいらない。楽にしてくれ」
「はい。失礼します」
「此度はキリトスの件で申し訳なかったな」
「いえ」
「それで専属護衛の件だがこの2人を紹介したい。入れ」
扉が開いて入って来たのは男女2人。
「シシーとアランドレだ」
「シシーと申します」
「アランドレです」
「2人とも専属護衛になる事をすでに了承している」
「どうやって2人を?」
「それはまぁ秘密だ」
「まぁ承知しました。お探し頂きありがとうございます」
「ああ」
「私はミール公爵家のミール・フェルソニーだ。あなた達には妹、カトリナの護衛を頼みたい」
「承知しました」
「あとすまないがなるべく早くカドーニ王国に戻って欲しい。これを後で読んでくれ」
と殿下に言われ封筒を手渡された。
「分かりました。それでは」
私は礼をしてから2人と共に退出した。
ここまでお読み頂きありがとうございます。




